ShyGirl.jpg山口貴由先生の『シグルイ』第13巻(秋田書店)を読みました。うん、相変わらず話が進んでいない(笑)。まぁ、それは冗談としても清玄と藤木がそれぞれ必殺の剣を完成させたことを印象付ける巻でしたね。
そして、暗君忠長の止まる事のない狂気と妄執もよく出ていますなぁ。一刀流の名手というのも驚きですが、忠臣ごと謀反人をぶった切る辺りがこの人物の恐ろしいところです。

さて本日は、井ノ本リカ子先生の『SHY GIRL』(マックス)のへたレビューです。エロ漫画では結構珍しい青い色調の表紙絵も実にキュートですなぁ。あと、前単行本『A.My.Sweets』(同社刊)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
キュートネスを存分に引き出された地味っ娘さん達との甘く優しいラブコメディに心地よく浸れる1冊ですよ。

ShyGirl1.jpg収録作は、雨宿りで家に寄った先輩さんのエッチな姿に思わずドキドキして芽生える恋な連作「あまやどり」「おねがい」(←参照 ラフな格好が逆にエロスを 前編「あまやどり」より)、および独立した短編9作。
百合カップル盟友のBENNY'S先生による、作中の登場人物達を用いた恒例の4コマ漫画(2P)も巻末に収録されています。
1作当りのページ数は16or20P(平均18P強)とコンビニ誌での作品としては標準的なボリュームとなっています。快楽の熱っぽさが伝わる濡れ場もほんわかとしたラブコメストーリーも共に読書感や使用感が心地よく、最後までゆったりと楽しめます。

【心地よい空気感が魅力のピュアラブストーリー】
ここ数年の既刊と比べて作風に大きな変化は認められず、全作品が若い男女の甘く優しいラブストーリーで統一。
キャラクターの言動による微笑ましいコメディ要素で読みのリズムを整えつつ、ふんわりと穏やかな空気で全体を覆う構成は良好であり、明確なフックには乏しいものの、退屈を覚えること無くエロ漫画的ファンタジーを堪能できます。
恋愛の成就やセックスへの進展において、男性陣に少々強引さがあるのが気になる可能性がありますが、率直で等身大な思春期の性欲と好奇心が男女の関係性を押し進める流れに不自然な印象は少なく、また恋愛の幸福感を阻害していないのは相変わらず上手いなぁと思います。
01feef90.jpg特に波乱を生じさせることもなく、二人の今後の幸せな日々を読み手に想起させるほのぼのとしたハッピーエンドで終わらせているのも地味に大きな加点材料(参照 お幸せに! 連作後編「おねがい」より)。
恋愛ドラマとしての話の抑揚は敢えて排されているため、ストーリー重視派への訴求力はそこまで強くないのは確かですが、雰囲気の良質さが読み手をあまり選ばないと言えるでしょう。
色々と世知辛い現実世界で溜まった精神的な疲れを癒すには既刊に引き続いて大変好適な1冊ですよ。

【ムチムチ柔らかボディの地味っ子ちゃん達】
短編「にゃんにゃん先生」の女子大生な家庭教師さんと短編「もみもみ」の女性教師さんで多少の大人分を補給しつつ、メインは女子高生クラスの美少女達。
成人ヒロイン達に関しても皆さんほんわかと優しい性格の女性なので、凛としたアダルト美人を求めるのは求めるのは回避推奨。男性の恋愛感情と性欲を温かく、かつ幸福に迎え入れてくれるヒロイン像は作風に大変マッチしています。
井ノ本先生が“地味っ子”と総称するように、キャラクターの属性を強力にアピールするタイプではないものの、人工的な人物像を読み手に意識させない素朴な可愛らしさと純朴さが非常に良く抽出されています。
そんな“地味っ子”達が、例えばツンデレ気味の子が“デレ”たり、彼氏君のお願いでセクシーな衣装に着替えたり、細かいところで言えばメガネを外したり三つ編みを解いたりという、一種の“変身”を経ることで、秘められていた強力な性的魅力を解き放つ流れになっているのは実に素晴らしいと思います。
ShyGirl3.jpg短編「なまいきっこ」のツンデレ並乳な後輩ちゃん(表紙絵の左の娘)を除けば、この作家さんの体型描写の特徴である、たぷんたぷんとした爆乳とそれに負けず劣らずお肉たっぷりの下半身回りを皆さん装備(←参照 短編「LESSON!」より)。
この強力無比なグラマラスボディや小陰唇までご丁寧に描き込む陰毛アリアリな淫らな女性器描写と、女性向け漫画系統に属する柔和な絵柄で描かれるロリータフェイスの組み合わせのギャップが真に破壊的な魅力となっています。

【甘い雰囲気と組み合わされる強力な淫蕩空間】
初々しい男女の恋愛の情緒を損ねることなく、ムードの赴くままにスムーズにエロへと進展するためエロの分量は標準クラスをしっかりと確保しています。
各種のダイナミックな構図や濃密なエロ演出に支えられる熱情的なセックスシーンであり、また男女が結ばれる多幸感に溢れているためシナリオパートとの乖離が無いのも好印象。
上と下のお口(下品)からトロトロとたっぷり漏れ出てくる液体も含め、豊潤な液汁描写もエロ的に良好で、それに伴ってコマに散りばめられたハートマーク付きの擬音が読み手の性欲中枢を休むことなく刺激します。
ShyGirl4.jpgキュートな表情をトロットロに惚けさせて言葉にならない声を奏でる様子や、女体の底なしの柔らかさを強くアピールする構図、いい意味でえげつなく投入してくる扇情的な性器ドアップコマなど、エロシーンにおける強力な武器で相変わらず畳み掛けてきます(←参照 短編「ひざ上20cm」より)。
このようにエロ演出として大変濃密ではありますが、断面図や派手なイキ顔、エロ台詞の連射といった雰囲気を損ないかねないエクストリームな演出は決して用いず、男女の体の重ね合い・肌の触れ合いをエロティックさ基軸とするスタイルが決してぶれないのも個人的には高く評価しています。
汁気たっぷりのフェラやパイズリで1回目の射精→ピストン運動へというケースもありますが、どちらかと言えば女性の体を丁寧に愛撫して快楽を存分に味わってもらい挿入へと自然に進展していく1回戦仕様がメイン。
フィニッシュは、いわずもがなですが、性の快楽と恋愛の幸福で心身ともに蕩けまくったヒロインの最奥にたっぷり中出しを敢行しており、表情や結合部のアップ、白濁液漏れだしの様などを絡めて1Pフルで迫力豊かに描いています。

ヒロインの微笑ましい魅力、熱気と汁気に溢れたエロシーン、そして癒し系の甘いラブストーリーとこの作家さんの特長を全て備えておりますので、安心して買える1冊となっています。購入がまだでしたら、相方のBENNY'S先生の新刊と一緒に購入して、甘々空間に存分に浸るのもよろしいでしょう(笑。
全作品大好きですが、敢えて絞るなら巨乳ムチムチ妹ちゃんとイチャイチャエッチに専念した短編「ごろごろにゃん」とちょっと天然気味な先輩さんが実にキュートな連作「あまやどり」「おねがい」が抜き的にも話的にもフェイバリット。