AggressiveBust.jpg 石塚真一先生の『岳』第10巻(小学館)を読みました。雄大な自然としての山の美しさ、人命救助の尊さを伝える内容は相変わらず同じなのですが、作品を貫く登場人物の真っ直ぐな感情がある故に、読んでいて全く飽きが来ないのは素晴らしいですよねぇ。
今単行本の白眉は「山の道の手前で・・・」第3話における、阿久津氏が救助者を背負って立ちあがろうとするシーンで、荘厳な山脈に比べて小さな人間が、それでも人を救おうという意志の力を漲らせていて、特別な演出など何もないのですが、強く胸を打つ画になっていました。

  さて本日は、エレクトさわる先生の3冊目『せめ・ちち』(茜新社)のへたレビューです。前単行本『淫術の館』(キルタイムコミュニケーション)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
爆乳ヒロインが大量に放出される白濁液に全身パック状態となる過激&濃厚な乱交エロがたっぷりと楽しめる作品集となっています。

AggressiveBust1.jpg  収録作は、画家志望の青年が貿易商の仕事を継ぐよう命令する父親の洋館を訪ね、母の面影を思わせるメイドさんと出会うも彼女は父親に淫らな体へと調教されていて~な長編「無題‐no title-」全6話(←参照 夜伽の仕事 第1話より)、および独立した短編・掌編4作。
フルカラー掌編である「新年のごあいさつ。」と「π乙王国の逆襲」(共に4P)を除き、1話・作当りのページ数は16~24P(平均19P弱)と平均かそれをやや下回る程度のボリューム。シナリオにある程度の読み応えがある長編作とお話に存在感のあまりない短編・掌編作になっていますが、共にエロの量的な満足感は非常に強固です。
  余談ですが、ちょっとお高い(1980円)限定版にはエロエロなイラストが描かれたミニタオルが付いてきました。なお、4980円というエロ漫画としてはべらぼうに高い特別限定版にはもっと大きいタオルが付くそうです。あまりこの手のグッズに興味のない管理人としましては、タオル無しでお値段据え置きのバージョンも同時に発売して欲しかったのですが(苦笑。

【やや詰めの甘さが残る作劇】
  近作においては、キルタイムコミュニケーションではインモラル&ダーク系、茜新社ではラブコメ・エロコメ系がそれぞれメインと思っていましたが、今単行本では両方の作風が混在。
年初に一族の男性達にたっぷりとお年玉を頂く美女を描きギャグオチで閉める掌編「新年のごあいさつ。」や匂いフェチな女の子と幼馴染の少年のラブラブエッチな短編「スメル☆コンプレックス!」などは後者の作風であり、エロこそ濃厚ながら話としての重さの無さが抜き特化の作品としての入り込み易さにつながっています。
とは言え、今単行本は上述の長編作や、憧れの美人先輩に秘められた淫婦の痴態に主人公が引き込まれる短編「W.C.-ホワイトキャンバス-」など、調教や輪姦エロ、寝取られ要素なども含んだインモラル系の作品がメイン。
分量的にも単行本の主体となっている長編「無題‐no title-」は、序盤の展開から、「最終的には主人公が“悪役”である父親を殺害して洋館炎上」といった様な、いわゆる“館もの”のストーリーを強く想起させますが、実際には主人公の精神的な成長・自立と純愛による快楽の泥沼からのヒロインの救済を描くラブストーリーとなっています。
AggressiveBust2.jpg閉塞的なシステムを暗示する“館”から主人公とヒロインが解き放たれ、愛の交わりが快楽の縛鎖を良きつながりへと浄化するセックスと身分違いの恋の成就を描く最終話は(←参照 ラブラブ&エロエロ 同長編最終第6話より)、それまでの淫蕩の宴の退廃感を綺麗に洗い流す爽快感と幸福感があります。
  その一方で、そこに至るまでの展開に難があり、主人公の心情変化を筆頭として全般的に話の流れに性急な感があることに加え、2人の関係性の変化に重要な役割を果たすもう一人のメイドさんや父親のシナリオにおける立ち位置が不安定であることなどは作劇面における小さくない減点材料。
ただし、各種のアブノーマルエロへの導入をしっかりと果たしているという点で構成力は決して低いわけではありませんので、実用的読書への悪影響はほとんどないでしょう。

【爆乳美少女と貧乳ロリっ娘の二正面作戦】
  超重量級の爆乳娘を描いても貧乳ロリっ娘という両極端なキャラ造形が得意で、どちらも素晴らしいエロ要員として描ける作家さんですが、メインは前者であり今単行本もずっしりとした重量感と底なしの柔らかさを備える下垂型おっぱいが貴兄をお出迎え。
AggressiveBust3.jpg長編作は、ハイティーンクラスで優しい性格の爆乳メイドさん(正ヒロイン)とロー~ミドルティーンクラスで生意気盛りなロリっ娘メイドという、双方のキャラ造形が登場し、どちらか一方に集中したい方には残念でしょうが、お得感の強い配置となっています(←参照 長編「無題‐no title-」第4話より)。
特大サイズの乳房に、これまた大きめサイズの乳輪と慎ましい乳首を組み合わせた爆乳はエロ的にも大活躍であり、その存在感と質感を存分にアピールしつつ汁ダクなパイズリやド迫力の乳揺れの魅力を確固たるものとしています。
今回も含め、全ての単行本にメイド服が登場するように、コスチュームによるエロの華やかさも増強も健在であり、メイド服やエロ下着、パニーガールやスパッツ体操服など人気所をズラリとお取り揃え。個人的には長編作のラストで、逃げ込んだ教会でのセックスが純白のウェディングドレスで行われのが良かったですなぁ。
セックスアピール最優先で少々ボディバランスを度外視する淫猥ボディでありつつ、細めの描線を丁寧に書き込むエロゲー絵柄によって、あまり画として重過ぎない印象になっています。また、各種の質感がグッと増すカラー絵も強い魅力。
  茜新社での前単行本で初単行本でもある『まぞ・ちち』における絵柄の不均一さは完全に払拭されており、前単行本よりも絵柄の安定感はかなり増して完成された域に入ったと思われます。

【とにかく量的な過剰感で圧倒する陶酔空間】

  濡れ場の分量自体も十分ですが、エロ演出面における過剰性を追求するスタイルであるため、その味わいは非常に濃厚であり、読み手の脳味噌を素敵に蕩けさせます。
エロシチュエーションとして輪姦・乱交モノが多く用意されており、前戯シーンで何本ものチ○コに手や口、胸での奉仕を行い、大量のどろどろとした精液を顔面を中心に注がれる様子は、大変エロティックでこの作家さんの強いアピールポイントの一つ。
AggressiveBust4.jpgこの白濁液の大量投入に加え、随所に差し挟まれる白痴じみたアへ顔、描き文字で表現されるエロ台詞と獣声の瀑布、細かく散りばめられた擬音など、とにかく圧倒的な量で読者の理性を凌駕するスタイルは(←参照 短編「W.C.-ホワイトキャンバス-」より)、多少読み手によっては好みが分かれるでしょうが、濃厚である分麻薬的な中毒性があるのも確か。
  想い人が数多の肉棒によって淫らに乱れる姿を見せ付けられるといった寝取られ要素など、これまたご嗜好によってはネガティブに働く要素もありますが、輪姦エロにおいても苦痛や嫌悪感はほとんどなく、セックスへの陶酔が生み出す熱狂の渦の中で快楽を貪るヒロイン達の姿をダイナミックに描いており、読み手への精神的な負担は比較的弱い方と言えるでしょう。
ドロッとした白濁液以外にも、行為が進展するにつれて火照る肌をじっとりと濡らす汗や、艶めかしく動く舌に絡む唾液、そして結合部から漏れ出る愛液などによって女体にシズル感を出す演出も良好。
陰唇がいやらしく捲れ上がる前穴にこれまた大量のチ○コミルクを注ぎ込んで逆噴射を引き起こすパワフルなフィニッシュシーンでハードに激走するエロシーンをしめており、前述の前戯パートも含めて抜き所はとにかく豊富です。
 小さい文字を詰め込んだ吹き出しが多く、読んでしまうと実用的読書のテンポを悪くするのは個人的にはマイナス評価。また、2本刺しも多いものの、アナル関係は終盤でちょっと絡んでくるだけで、もうちょっといじってもアクセントとしては良いのかなぁとも思いました。

  エロにおける各種の特長がますます強固なものとなっており、絵柄もほぼ完全に安定した感がありますので、これまでのファン層にも初めてこの作家さんの作品を読む方にも共にアピールできる好物件と言えるでしょう。
作劇的に多少の不満はありますが、ダブルヒロインがバニー姿で大乱交が描かれる長編作が最愛で、赤玉でそうなくらいに使わせて貰いました。
あと、貧乳ロリっ娘軍団と爆乳お姉さん達が(性的な意味で)激闘を繰り広げる「π乙王国の逆襲」の続き(というか本編)はお蔵入りにさせるにはあまりに勿体ないので、是非是非描いて頂きたい作品です。