SexEducation.jpgあさりよしとお先生の『るくるく』最終10巻(講談社)を読みました。長い間楽しませて頂きましたが、終に終幕となってしまいましたなぁ。
いつも通りのユーモアを盛り込みながら比較的シリアスに振り切った最終巻でしたが、読み手の想像をくすぐる印象深い最終話でした。あと、各話の扉絵を見るにつけ、あさり先生はホントにニコニコ動画がお好きですなぁ。

さて本日は、いのまる先生の『Sex education』(ティーアイネット)のへたレビューです。前単行本『恥ずかし女』(同社刊)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
強気な釣り目美少女の凛とした魅力と快楽に蕩けていく様を楽しめる作品集です。

6ded8984.jpg収録作は、父親の再婚相手であるSMクラブの女王様に家庭を乗っ取られて調教される少女の奮闘を描く長編「お義母さんの教育的指導」全6話(←参照 長編第1話より)、および独立した短編2作。
長編作は、いのまる先生の初単行本『Indecent』(同社刊)に収録されている同タイトルの続編となっています。ある程度説明はされているので今単行本から読んでも楽しめますが、事の発端やヒロインの父親への感情といったある程度重要な要素を理解する上では、元の短編を事前に一読されることを強くお勧めします。
1作当りのページ数は20~34P(平均26P強)とTI系らしい厚みのある構成。話を軽快にしてエロに特化した短編、シナリオをエロを良好なバランスで整えて読ませる長編共に質が高く、読後の満足感の高い1冊と言えるでしょう。

【ドキドキハラハラな攻防戦を描く長編作】
従僕を引き連れて家庭を占拠し、さらなる姦計でヒロインを性的に調教するという純然たる悪女とヒロインとの対決を描く長編作は、二転三転する美女二人の攻防を一定の緊迫感を以て描いており、なかなか読み応えがあります。
唯一の肉親である父親を奪われ、自宅に監禁され、度重なる責めによる快楽地獄に苦しむヒロインと、余裕綽々でヒロインやその周囲の人物を絡め取っていく義母との対比はなかなか陰湿な感やそれ故のヘビィネスがあり、終始明るく楽しい雰囲気を望む貴兄には勧め難いのは確か。
e07960c3.jpgしかしながら、耐えがたき性の快楽に捕らわれながらも、それ故にヒロインは“魔性”の魅力を獲得して男性達を従わせ、義母に対して反撃を開始します(←参照 第5話より)。
既刊の作品や、苦界に生きながら明るさと伸びやかさを失わない女性を描く短編「甘ずっぱく不純な僕たちの・・・」にも共通していますが、圧倒的な性の悦楽にその精神を変容させても、その奥に秘めた女性として、人間としての矜持の輝きを決して失わないヒロインの描き方はこの作家さんの非常に強い魅力だと個人的に思っています。
それ故に、凛としたヒロインが性悪女の悪だくみを打破し、やや倒錯的ではあるとは言え、自身の手によって幸福をつかみ取る長編作のラストは大変痛快。
この長編作の後に続く、ちょっと間抜けでそれでいて微笑ましい若い男女の初エッチな短編「甘ずっぱく不純な僕たちの・・・」と、ドタバタラブコメディの短編「ガキの恋路に手を出すな」はシナリオ面で長編作の魅力に及びませんが、楽しい読書感が味わえます。
初単行本の時点から作劇力の高さは伺えましたが、今単行本でさらに安定感を増した印象です。

【ツリ目巨乳さんを描かせると業界屈指の上手さ】
長編作の敵役で美人女王様な義母にもエロシーンはありますが、ヒロイン陣のメインはハイティーンクラスの美少女さん。
SexEducation3.jpg気の強そうなツリ目と迫力豊かなロケット巨乳を合わせ持つ女性を描くと抜群に上手い作家さんであり、そういったヒロインが今単行本では充実(←参照 蛾眉を顰める 長編第4話より)。
質感自体に確たる個性は無いものの、圧倒的な重量感があるおっぱい描写は単品で充分な魅力を有しており、特にその胸を揉みしだくシーンはおっぱいスキーには垂涎モノ。
なお、短編「ガキの恋路に手を出すな」に登場するツインテールなツンデレ娘はいのまる先生には珍しい貧乳キャラで(他には初単行本の律子さん)、これはこれで良いものです。
年齢を問わずにアダルトな色香を放たせる端正かつ力強い画風は単行本通して安定しており、表紙絵・裏表紙絵で判断して特に問題はないでしょう。

【官能的な表情描写と多彩なプレイ内容が強い魅力】
TI系らしくエロシーンの尺は十分取られており、前戯パートにも抽送パートにもしっかりとした分量を配分する濡れ場の構成も好印象。
デフォルメ寄りの女性器描写の水準は決して低くなく、アップコマや性器見せ付け構図に十分な扇情性がありますが、それら一辺倒ではなくしなやかに跳ねまわる体全体を描くことで読み手の征服欲をくすぐるエロ作画になっています。
SexEducation4.jpg加えて、普段は真面目さやプライドの高さを示すヒロインの表情が、苦痛や快楽によって様々に変化する描写はエロの中核を担っており、目を細め頬を紅潮させる表情は大変官能的(←参照 長編第1話より)。
エロシチュの豊富さもしっかりとあり、集団エッチや奉仕プレイ、牛乳浣腸など様々な性的調教が加えられる長編作やローションプレイと変則3Pが楽しめる短編「ガキの恋路に手を出すな」など、適度に変化を付けて単調にしない構成は嬉しいところです。
局所描写・表情描写用の小ゴマとダイナミックに女体を見せる大ゴマをバランスよく織り交ぜるページ構成も良好で、フィニッシュは勿論TI系ではお馴染みの見開き2Pでダイナミックにきめてきます。
良好な抜き物件である故に言えるのですが、敢えて贅沢な願望を付け加えるならば、エロ展開・作画における基本をしっかりと押さえた模範的なスタイルに、何か突き抜けた個性をちょっぴり加えると完璧かなぁという印象です。

ティーアイネットさんは、天乃一水先生(8月2日付記:現在はクロエ出版でご活躍中でした 事実誤認をお詫びいたします)、中山哲学先生、しなま先生、そしていのまる先生など単行本2~3冊クラスの作家さんの層が非常に厚いなぁと改めて感じました。
個人的なお気に入りは、勿論、ツリ目巨乳さんが魔性の女に大変貌な痛快逆転劇「お義母さんの教育的指導」。