InRoomOfBagino.jpg今井神先生の『ニードレス』9巻(集英社)を読みました。様々な特殊能力を持つ異能者達の激しい闘いを描く作品・・・だったのですが、すっかりエッチな萌え萌え美少女漫画に。えぇ、大変いいことですね!
後半ではバトル要素も復活してメインストーリーにも回帰しましたし、今後も楽しみですね。あと、山田(♂)可愛いよ山田。

さて本日は、おおとりりゅうじ先生の『座敷牢』(ヒット出版社)のへたレビューです。発売を楽しみに待っておりました。なお、前単行本『胎内温度』(同社刊)や先生の初単行本『The BLACK MAGES』(司書房)のへたレビューなどもよろしければご参照下さい。
ガツガツとした攻撃性で描かれる凌辱エロとホラーサスペンス調の醍醐味を有するシナリオが楽しめる作品でした。

InRoomOfBagino1.jpg収録作は、祭りを見に山中の温泉旅館を訪れた若い男女6人のグループ(カップル二組+女性2名)が謎の集団に襲撃されるタイトル長編「座敷牢」全8話(←参照 第1話より)。
1話当りのページ数は22~30P(平均25P弱)としっかりとしたボリューム感があり、長編作としてグッと腹にたまる読み応えが味わえます。
なお、余談ですが、カバー裏には前単行本に登場の雷音・雷花姉妹、前々単行本に登場のキツネ娘・美留狐とイタズラ狸娘が登場していますので、ファンの方は必見。

【策謀と暴力に溢れたダーク調のミステリー】
ファンタジー系を得意とされる作家さんであり、ちょいとシリアスな要素を混ぜつつも人外娘達が元気よく動きまわるアッパーな作品が多い印象でしたが、今回はハードな凌辱要素も加えたインモラル系のダークファンタジー調。
InRoomOfBagino2.jpg豪雨で周りから遮断された和風旅館という閉鎖環境、神社に祭られる怪しげな本尊とそれに踊らされる惨劇の黒幕たち、降りかかる災悪にそれぞれに異なる反応を示す主人公グループ、それでも徐々に拡大していく凌辱劇の恐怖感など(←参照 覚えのない自身の姿 第4話より)、ホラーやミステリーの王道的な要素を用いる作劇は、ベタ故に読み手の推量をやや簡単にしていますが、それでも最後までしっかりと読ませるパワーがあります。
惨劇に秘められた旅館の夫婦の悲しい過去を描き出し、まるで蓄積した彼らの罪と後悔を浄化するような業火の中に、喜びと悲しみを携えて2人が消えていくクライマックスは読み手の心を打ちます。
後書きにおいて、“(話が)とっちらかっちゃいました”と謙遜されていますが、風呂敷を広げ過ぎて畳むのを難しくしてしまった長編「The BLACK MAGES」や、逆に展開を急ぎ過ぎてしまった「オニのパンツは・・・」などの既存作品に比べて完成度が一気に増した感があります。
勿論、(伏線は張ってあったものの)事件の解決へ向けたシナリオの転換点がやや安易であったり、ご神体の謎が放置気味であったりする点は、シナリオ面での弱点とも言えますが、重さと勢いのある展開が為されている分、全体として見て不出来な印象を与えません。
主要な登場人物が計10名と単行本1巻の長編作としてはかなり多いにも関わらず、ストーリーを混線させず、エロシーンの豪華さや多彩さに結びつけた手腕も高く評価したいです。

【親しみ易い絵柄で描かれる巨乳美女達】
主人公グル―プの女性陣は、概ね女子大生クラスと思しき年齢層であり、のんびりした性格のボクっ娘ハーフさん、大人しい性格のメガネさん、清楚な黒髪ロングさんに明るい性格のツインテ娘と華やかな布陣。
これに大人の色香を漂わせる旅館の女将ともう一人話の鍵を握る女の子が登場します。
InRoomOfBagino3.jpg少々幅はありますが、皆さん巨乳クラスのおっぱいを備えており、適度に柔らかいお肉が付いた健康的なバディの持ち主(←参照 第6話より)。
引用コマでも窺えるように、髪の毛の艶やかな質感が魅力的であり、激しい体の動きに合わせて宙を舞うロングヘアはエロ作画における華の一つです。
絵柄に関しては強く安定しており、強くはっきりとした描線が特徴で、90年代の一般向け漫画を彷彿とさせるやや古めのアニメ/エロゲー絵柄が独特の親しみ易さを生んでいますが、以前に比べて大分モダナイズされた感はあります。
塗りが外注された表紙絵は彩色の影響で、かなり元の絵と印象が異なっており、いかにもなデジタル臭さがこの先生の絵の魅力を削いでいる感があるのは残念です。

【シチュエーションで攻撃性を増強された凌辱エロ】
合意の上でのエッチもありますが、それは屋敷に漂う催淫の香による部分も大きく、ラブラブ感に溢れたエッチはほとんどありません。
逆に、地下牢に捕えられた女性達が男性の集団に集団凌辱される様や、姦計に乗せられた主人公側の男性が友人の女性を襲わされたりと攻撃的な凌辱エロが描かれます
InRoomOfBagino4.jpg場合によっては怪我をしている場所を踏みつけたり(←参照 第3話より)、全身の穴を肉棒で蹂躙したりと、暴力的な要素を十分に盛り込んでいるため、強要系のセックス描写が苦手な方は要注意。
いやらしい水音と止まらない淫液を派手に飛び散らせながらガツガツと下半身をぶつけ合うハードなファックは壮観で、特に座敷牢に捕えられた女性が増える後半の乱戦模様は非常にパワフル。
カップルの女性側に関しては、圧倒的な暴力と快楽で交際相手の男性への精神的な操まで丁寧に踏みにじっており、寝取り/寝取られ的な要素が強いのも特徴です。
なお、エロ作画において官能小説的なプロットを用いているのか、女性側の快楽の台詞よりも、男性側の無慈悲な言葉責めと説明台詞の方が圧倒的に多く、濡れ場では男に黙っていて欲しい貴兄は回避推奨。
また、作劇の都合上やむをえない部分が大きいのですが、各エピソード中で濡れ場とシナリオパートが入れ組んでいることも多く、個々のエロパートに実用的読書へ没入する尺がちょっと不足している感もあります。

単なるエロシチュでなく、シナリオとしてファンタジー要素を作品に盛り込むことを得意とするコミック阿吽(ヒット出版社)において、今後とも非常に重要な位置付けにある作家さんだと個人的には思っています。
作家としての確かな成長が窺える今作は、コミック阿吽の誌風の今後を占う上で、非常にポジティブな要素だと個人的には考えています。凌辱エロが大丈夫でしたらエロ漫画ファンには是非ともご一読頂きたいですね。お勧め!