LoveAndHate3-0.jpg木々津克久先生の『フランケン・ふらん』3巻(秋田書店)を読みました。相変わらずエロでグロでブラックユーモアてんこもりで大変楽しめました。
相変わらず振り回されっ放しな(百合に目覚めたか?)ヴェロニカもキュートですが、フリークス好きとしてはアドレアさんが一番大好きになりました。チャック開けたいなぁ。

さて本日は東雲龍先生の『LOVE & HATE 3』(オークス)のへたレビューです。長きに渡って続いた調教・凌辱ストーリーも終に完結となりました。よろしければ2巻のへたレビューも併せてご参照下さい。
最後まで手を緩めずにハードコアなエロを描きつつ、長編作としてシナリオもしっかり仕上げてきた、終劇を飾るに相応しい最終巻でした。

今単行本は、2巻ラストにて失恋の憎悪に歪んだ一人の少年・中越によって学校中の男子の精液便所に貶められたヒロイン・やよいちゃんの元に、やっとこそ主人公が帰還するところから始まる長編作「LOVE & HATE」第19~最終28話。なお、最終28話は描き下ろしなのでXO本誌で読んでいた方も是非読んで頂きたいです。また、初回限定版には単行本とは異なるエンドを迎えるifストーリーを収めた小冊子が付属します。
1話当りのページ数は20~24Pと標準的なボリュームですが、長編作らしい話の重みがあると同時にエロのボリューム感も強固であるためエロ漫画としての読み応えは十二分にあります。
なお、1巻・2巻を読んでいないとストーリーラインがさっぱり分からず、その分エロの凄味・背徳感が味わえなくなるので1巻から読まれることを強くお勧めします。

【最高潮を迎える鬼畜輪姦劇】
1巻で彼氏彼女のラブラブSMを描きながら、2巻にてそのラブい雰囲気を全てどす黒く塗りつぶす容赦ゼロの鬼畜凌辱劇で痛烈に切り返した勢いをそのままに、3巻でもさらに畳みかけるような攻撃性でオープニングを迎えます。
救いとなるべき主人公が帰還しながら、今単行本序盤でなかなか救出に至らないそのもどかしさは読み手の心をチクチクと刺激して、話に緊迫感を持たせます。
LoveAndHate3-1.jpg凌辱劇に関して言えば、前巻の流れをそのまま受け、破滅感や狂気、無慈悲さが最高潮に達するパートであり、絶望から快楽の沼底に逃避したヒロインの姿は凄まじく哀れなので、凌辱や寝取られが苦手な方が読むとかなりの精神的ショックを受けると思われるので要注意(←参照 主人公を前にして 第22話「破綻 後編」より)。
中盤以降は、エロのハードさはそのままに凌辱者達からヒロインを救いだした主人公による、彼女の心を苛む絶望と自己嫌悪の解消が描かれ、この場面ではむしろ1巻の雰囲気に回帰した印象があります。
ヒロインの精神の救出の仕方が如何にもドSな主人公らしく、明瞭なラブラブ感は欠けていながら、それまでの言わば関係性を破壊する凌辱劇とS側とM側の関係性を構築することに意義があるSMとを、性行為自体は近似させながらも上手く描き分けている感はあります。

【ハッピーエンドに説得力を持たせたストーリーの厚み】

1~3巻通して、寄り道的なエピソードも散見されましたが、それでいてシナリオに途切れた感じがなく、特に2巻で一気に加速させた破滅的な凌辱劇がもたらす緊張感で長編をスムーズに読ませた展開力は○。
結構な数の登場人物を描き、それらにまつわる伏線や設定をほとんど回収している丁寧さも非常に好印象であり、長編への初挑戦作としては十分すぎる構成力を見せて頂いたと言ってよいでしょう。
シナリオ自体のオリジナリティーは決して強いとは言えず、特にサブヒロインとのエピソードは多少話運びに無理があるものの、長編としての厚みがしっかりと形成され、それがそのまま説得力につながっています。
LoveAndHate3-2.jpg本編のような全ての苦難を乗り越えるハッピーエンドが良いか(←参照 やよいの告白と拓海の抱擁 第27話「卒業」より)、おまけ小冊子のような真っ暗なバットエンドが良いかはご嗜好によって分かれるでしょうが、これだけしっかり描けていればどちらでも全く文句はなかったと思います。
まぁ、個人的にはあれほどの艱難辛苦の長い道のりを歩んだやよいちゃんが救われるハッピーエンドは素直に祝福できました。

【濃厚かつハードな凌辱・調教系エロシーン】
LoveAndHate3-3.jpg少女漫画チックな萌えっぽい表情と弾けんばかりのナイスバティの組み合わせは明瞭なセックスアピールを有しており、前単行本ほどではないものの、各種コスプレ要素や緊縛の縄などによって彩られる様は大変エロティックです(←参照 猫耳ウェイトレスなコスプレ 余談だが猫要素が多いのはきっと東雲先生の趣味に違いない(笑)第22話「破綻 前編」より)。
胴まわりのくびれ方が過剰なややピーキーなボディデザインの特徴はかなり薄れてきた感があり、画としてのバランス感覚がより強まった感があります。
そんなエロエロボディの持ち主なやよいちゃんが快楽に溺れる痴態は上述の様に悲劇的でありながら同時に読み手の背徳感と嗜虐感を強力に喚起し、Sな願望をお持ちな同志諸兄にとっては垂涎の抜き物件となっています。
各種性具や媚薬、野郎の集団などのエロギミックを存分に有効活用しながら、ねちっこくかつ荒々しく描かれるエロシーンは切れ味鋭く、ヒロインのかつての気高い表情と理性を完全に崩壊させた快楽の凶悪さを存分に描けています。
かつてインタビューで「どちらかというとSなので凌辱するキャラに感情移入してます」と仰られた東雲先生らしく(金平守人先生の『とりあえずそれで』(オークス)を参照されたし)、気合いののりまくった凌辱側の男性達の極悪な台詞もエロの鬼畜さをしっかり底上げ。
LoveAndHate3-4.jpg後半部はあくまで恋愛感情をベースとするSMですが、描かれる行為自体は同様に支配的・加虐趣味的なものなので(←参照 全てを吐露させるための責め 第26話「告白」より)エロの方向性は概ね統一されていると言えるでしょう。
女性器表現や断面図にいまいち魅力がないのは残念ですが、戦慄き、悶え、跳ねる女体と柔らかい乳尻にこそエロスがあるタイプなので、抜き的な齟齬はほぼありません。

元々、凌辱劇からラブコメ、能天気近親モノまで幅広く描ける作家様でしたが、ハード&ヘビィな凌辱ストーリーを存分に魅せた今作は一層の信頼感と今後への期待を読者に抱かせるものだったなぁと最終巻を読んで感じました。
1巻から大分(性的な意味で)お世話になりましたし、今後いったいどうなるのだろうとシナリオも楽しませて頂きましたので、まずは完結に祝辞を。そして勿論、次回作を楽しみにしています!
次はどんな作風になるのか今からワクワクですな!