MaidenNetria.jpg 沙村広明先生の『ベアゲルダー』第2巻(講談社)を読みました。得体の知れないブツ、ヤクザの抗争、秘められた陰謀を追う記者と、なんともアングラめいた展開が今回バリバリ進行する作品ですが、大善と巨悪は時に表裏一体というべきなんでしょうかね。
しかし、睫毛さんのずべ公アクションシーンは、スピード感といい、切れ味といい、なんともカッコいいですなぁ。

 さて本日は、夏庵先生の『処女ネトリア』(コアマガジン)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『堕女ヅクシ』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
肉感ボディの美少女達が悪意溢れるネトラレ展開に巻き込まれ、その心身を凶悪な快楽に蝕まれていく作品集となっています。

MaidenNetria1.jpg  収録作は、主人公の子供の頃の想い人である長女、彼を慕っていた次女・三女がいずれも小父の毒牙にかかりメス奴隷に調教されていく中編「“散”姉妹ものがたり」全4話(←参照 次女の言葉の真意は・・・ 同中編第1話より)+フルカラー掌編(4P)、彼氏と離れて働きに上京した純朴な娘さんに工場長の毒牙が・・・な中編「上京ナイトメア」全4話、および読み切り形式の短編2作。
中編「“散”姉妹ものがたり」のフルカラー掌編を除き、1話・作当りのページ数は10~24P(平均18P弱)と、書店売り誌初出としては控えめな部類。とは言え、内容的にはヘビィであり、エロもこってり感のある仕上がりなので満腹感は十分にある1冊と言えるでしょう。

【純粋さを悪が踏み躙っていく理不尽さ・無力さ】
  ハッピーで明るい雰囲気のラブコメディを描いても上手い作家さんですが、最たる武器は強烈な絶望感と無力感を読み手に植え付ける寝取られ作品と言え、今単行本は全てブラックな寝取られエロで統一されています。
  過去の想い人も含め、愛する三姉妹と同居と思いきや、その全員があくどい小父さんに凌辱・調教済みという、棚ボタ的ハーレムラブコメの王道イージー設定をフルスロットルで轢殺する中編「“散”姉妹ものがたり」は、ラブコメ的な展開も上手い故の強烈な切り替えしがやはり魅力的。
MaidenNetria2.jpg本作は、寝取られた側である男性主人公の挙動にも焦点を置いており、凌辱の果てに心が壊れかけた彼女達を自死に追い込まないためだけに主人公の存在が許容され(←参照 縋る相手はもう主人公だけ 同中編第3話より)、絶望的な寝取られ状況を打破することも、そこから逃避することも許されず、ただ愛する人を喪失した虚ろな存在として生を留める暗澹たるラストへと向かっていきます。
  もう一本のメインである中編「上京ナイトメア」では、寝取られる立場となる彼氏キャラクターの存在はそこまで目立っておらず、むしろ罪悪感と戸惑いの中で、その純朴さに付け込まれてやっぱりあくどいおっさんにねちねちと調教を繰り返されるという、これまた実にダウナーな展開を示しています。
いわゆる“ビデオレター”や寝ている主人公の隣での寝取りセックス、無慈悲な孕ませ等々、各作品において寝取られ展開における定番の要素を完備させているのも、この類の作品としての安定感を高める要因でしょう。
  ストーリー展開において際立った個性こそありませんが、何の落ち度もない誠実な女性が、ふとしたことから悪漢に付け込まれ、凶悪で背徳的な快楽によって、その心と体、ピュアな恋路、そしてその人生を無慈悲に踏み躙られるという無慈悲な理不尽さ、そしてそれに何らコミットできない男性(および読者)の無力感・喪失感は強く共通しており、それこそが寝取られエロとしての醍醐味であると同時に、苦手な方にとっての最大の忌避要因と評し得るでしょう。

【むっちり弾力バスト&ヒップの肉感美少女・美女】
  「散姉妹」シリーズの次女&三女コンビや、短編「ダメ!絶対!不純異性交遊❤」の委員長さんなど女子高生級のヒロインも登場しつつ、三姉妹の長女さんや短編「人妻アソビ」の若奥様、中編「上京ナイトメア」の20歳前後程度と思しき女性など、成人女性も同じくらいの人数で投入しています。
  主人公の幼馴染や、少年時代の憧れの人、貞淑な若奥様に健気で純朴な彼女さんなど、ラブエロストーリーでは主人公とラブラブな関係になることが、言ってみれば鉄板となっている様な設定のヒロインを、敢えて寝取らせることで喪失感や理不尽さをブーストさせる手腕は、王道でありつつもやはり見事。
優しいお姉ちゃんだったり、クール系ツンデレ娘だったり、お兄ちゃんラブ的な妹キャラだったり、主人公にだけはデレる鉄の委員長キャラであったりと、ここらのキャッチーなキャラクター属性もやはりラブコメ的に定番の造形といえ、彼女達の純粋性が快楽と狂気に浸されて変質していく様も寝取られエロとしての魅力の一つでしょう。
MaidenNetria3.jpg  女体造形としては、骨格をしっかりと感じさせると共に、その上を柔らかなお肉が十分に包み込んだ肉感ボディであり、程好く華奢さ・スレンダーさを腰骨や鎖骨等の骨格から感じさせつつ、むっちりと弾力感溢れる巨乳や安産型ヒップの存在感でストレートなエロさを叩き出すスタイル(←参照 おっぱいぶるんぷるん! 中編「上京ナイトメア」第3話より)。
女体全体の均整はよく取れていますが、決して綺麗な肢体に専念しているわけではなく、下腹部の程好い駄肉感と腰骨の隆起の対比や、もちもちおっぱいの先端でぷっくりと膨らみを示すエロ乳輪、しっとりと濡れて蠱惑的なテカりを見せるリップなど、適度な猥雑さを女体描写に織り込んでいるのも実用性を高めている要因でしょう。
  現在においては、ややオールドスクール寄りのエロゲー絵柄という印象もありますが、オーセンティックな絵柄である分、適度な色っぽさとキャッチーさのバランスを取った表情付けと肉感たっぷりのボディの組み合わせというキャラデザにはしっくりくる絵柄であり、単行本を通して安定感が高いのも加点材料。

【肉感ボディの迫力描写と強烈なエロ演出の融合】
  寝取られ展開へと一度舵が切られてしまえば、後はひたすらに状況が悪化していくという無慈悲な展開であり、上述した様に各種お約束のプレイや状況なども織り込みつつ、ひたすら陰湿な騙しエロと凌辱が続いていくハイボリュームな寝取られエロとなっています。中編作2本は、やはり状況の悪化を丹念に描いていくことで、寝取られエロとしての粘度を上げていると評し得ます。
相手を騙して強引にセックスに持ち込んだり、処女を奪うことを強調したり、愛する人が眠っている傍で敢えてセックスしてヒロインの罪悪感や羞恥心を煽ったり、ハメ撮り撮影して寝取り相手に送ったり、乱交や薬物セックスなど強烈な責めで快楽漬けにしたり、トドメの孕ませ&ボテ腹セックスがあったりと、定番のプレイを含めてヒロインの肢体と精神を悪意で嬲り尽くしていくエロ描写は十二分に攻撃的。
また、ヒロイン達が、愛する男性への恋心やそれ故の罪悪感を保ち続け、その反面恐怖と快楽で支配されていくという精神の揺れ動きを丁寧に描写していることも、寝取られエロとしての確たる魅力と言えるでしょう。
MaidenNetria4.jpg  好きな相手への恋心を快楽によって塗り替えるという構図であるため、強烈な快楽とそれに対する激しい反応をエロ描写の骨格としており、肉感ボディの至る所を調教されていくと共に、寝取りち○この一方的な突き込みに、蕩けまくった表情や苦悶と喜悦の入り混じった嬌声、だらしなく漏れ出て行く愛液や母乳などの液汁描写といった演出で彩られた破滅的な痴態を曝け出していきます(←参照 短編「ダメ!絶対!不純異性交遊❤」より)。
演出面での派手さ・激しさも特色ですが、乳尻を中心にむっちりとした肉感ボディの存在感を前面に押し出すことで密度の高いエロ描写となっており、重たげにゆさゆさと揺れる爆乳や激しい腰使いでパンパン打ち鳴らされる桃尻、連続するアクメにビクビクと痙攣する肢体全体の描写などもダイナミックで実にパワフル。
  お口でのフェラや豊満バストによるパイズリなどからの射精シーンも投入しつつ、何と言っても醍醐味は、愛する人の子種を受け入れるハズであった子宮に寝取りおっさんや見知らぬ男どもが精液を注ぎ込む中出し描写の連発であり、堕ちきった蕩けアへ顔や妊娠を拒絶する悲痛なアクメフェイスのヒロインに、結合部ドアップでトドメの孕ませ宣言&大量中出しを決め込む凶悪なフィニッシュまで猛然と突き進み、白濁液が膣口から零れ出る様子をわざわざ見せ付ける追撃描写で強烈に〆ています。

  寝取られエロの名手であり、苦手な人は全力で回避すべきですし、無論、このジャンルの王道を楽しみたい諸氏には安心してお勧めできる1冊。イージーな転落展開も含めて大いに理不尽ですが、その理不尽さこそが肝要であるとも言えるでしょう。
個人的には、三姉妹の三者三様の堕ち方が魅力な中編「“散”姉妹」シリーズと、真面目委員長のハードな寝取られ凌辱エロが楽しめる短編「ダメ!絶対!不純異性交遊❤」が特にお気に入りでございます。