ManualForEnslavingSister.jpg篠房六郎先生の『百舌谷さん逆上する』第7巻(講談社)を読みました。いたいけなアホ娘の月菜さんにきっちり女王様プレイを伝授しながら自分も攻められてお楽しみとか、何と言う超上級者・・・。
それはともかく、葛原さんと百舌谷さんの過去エピソードが中心となる今回の第7巻ですが、二人が互いの状態を指摘し合い「(だから)ずっと寂しいままなんだよ」とハモるシーンが印象的でした。おそらく皆が皆そうなのではとも感じます。

 さて本日は、香月りお先生の『妹催眠調教マニュアル』(オークス)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『幼姫夜話』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
歪んだ欲望が駆動する背徳感たっぷりでヘビィな催眠調教エロが楽しめる1冊となっています。

ManualForEnslavingSister1.jpg 収録作は、クラスメイトの少年から怪しげな催眠マニュアルを受け取った主人公の少年が、最近性的な意識を抱いてしまった妹にその催眠術を掛けることで、催眠調教劇が開始されるタイトル長編「妹催眠調教マニュアル」第1~5話(以下続刊;←参照 妹に夜這いを掛けて催眠下に 同長編第1話「side-慎」より)+フルカラーのテキスト付きイラスト4P。
なお、作品冒頭では池上氏や三村君の『催眠術で牝奴隷を手に入れる方法』(同社刊)などに登場していた人物が再登場しており、話のつながりは強くないものの、同長編のスピンオフ的な作品でもあります。
 話数こそ多くないのですが、1話当りのページ数は32~46P(平均41P)と破格のボリュームで構成。各話が十分なボリュームを有している分、シナリオ展開のヘビィネスをしっかり打ち出しつつ、エロも潤沢に用意する構成が可能となっています。

【徐々に変容していくヒロインとその周辺人物】
 長編「催眠術で牝奴隷を手に入れる方法」の執筆以降、催眠調教・凌辱エロを十八番の一つとしている作家さんであり、ヒロインが変容していく様を長編作としてじっくり魅せるテクニックは非常に安定感があります。
作中に時間軸をしっかり形成することで、催眠調教が開始される前と後で、登場人物の心情や関係性がどのように変化したかを、複数の視点から語り出すなど、催眠術を単なるエロギミックだけにせず、例えばヒロインが抱く“分裂する自己への恐怖”といった心情を描くことでストーリーに読み応えを持たせるのも上手い点でしょう。
加えて、催眠調教の対象となる妹・心ちゃんに彼氏がいるという設定を持ち、その彼氏君とのラブラブっぷりを随所に挿入することで、“寝取り”的な嗜虐性を作品に含ませているのも、マインドコントロール系としての王道的な魅力でしょう。
ManualForEnslavingSister2.jpg ここまでの要素は、良く言えば王道、悪く言えば新味のないものなのですが、本作品の面白いところは、この歪んだ関係が妹の友人である少女・上原さんに露見した際、この少女の中で鬱積していた憎悪が解放され、彼女も加害者側に加担するという意外な展開(←参照 引っ込み思案な気弱娘と思いきや・・・ 長編第4話「side-明希子」より)。
更には、妹の催眠状況下での痴態を彼氏君にも見せ付けることで、妹の兄、友人、そして彼氏の全てが彼女との信頼関係を破断させており、特に主人公の兄にとって“後戻り”が不可能となった状態で以下続刊と相成ります。
 やや冗長の感がないわけではなく、個々のシーンのインパクトを活かしきれていない印象もある一方、複数視点や時間軸のザッピングなど、確かな技巧に基づく重厚な作劇となっているのも確かであり、登場人物達のこれからと、おそらく何かしら企んでいる池上氏の動向が気になります。

【基本的にはJC妹ヒロイン一人のみでエロを構成】
 前述した友人の女の子、上原さんもエロに絡みますが、現状では心ちゃんへの憎悪を叩きつける攻め手としてのみエロに絡むため、基本的には主人公の妹・心ちゃんの一人ヒロイン制。
生意気盛りな女子中○生という設定で、実は兄貴に対してちょっとした憧れを抱いており、その反動としてつっけんどんな態度を示していた女の子なのですが、そこらがまったく主人公に理解されてない状況で催眠調教に巻き込まれて壊れていく様子は大変に背徳的かつ嗜虐的になっています。
 また、変容していくのは何も彼女だけでなく、強力な催眠術の使用し、妹を支配していく愉悦に溺れていく主人公や、自己の憎悪を解き放ち、妹の破滅を願う上原さんなど、関連する人物を丸ごと含めて破滅へのロードマップが出来上がっていく人物描写も、流石この類の作劇を得意とする作家さんと感じます。
 年齢の割には大きめな並乳や程良いマッスのお尻をお持ちな心ちゃんですが、比較的肉付きは弱めであり、ほっそりとした少女ボディの持ち主。ここらの肉体的なか弱さの提示が、それを支配するくらい喜びの強化につながっているとも言えるでしょう。
73766830.jpg一人ヒロイン制であるために、キャラクターの多彩さに欠けるのは致し方ない一方で、メイドコスプレを投入してみたり、大量の浣腸で擬似ボテ腹を形成させたりと、ある程度視覚的な変化を付けようとする意図は感じられます(←参照 生意気な妹が素直なメイドさんでご奉仕プレイ 長編第3話「side-慎2」より)。
 以前のデフォルメの効いたキュートな二次元絵柄の印象を多少は残存させつつ、ダークな作劇とより調和する濃さ・重さを練り込んだ絵柄となっており、キャラの等身も比較的高めに取るなど、写実寄りのエロティックさを重視する傾向で安定している印象が個人的にはあります。

【狙いをはっきり定めた上で各種プレイをねっとり描写】
 抵抗や理性を催眠術によって奪われながら、主人公の望む行為を進んで行わなければならなくなる少女の催眠調教は、ページ数の長さもあって十分な尺が設けられており、複数ラウンド制でありつつ個々のプレイの描写量をしっかり確保しています。
ManualForEnslavingSister4.jpg 各話によって行為の目的がはっきりしていることも特筆すべき点であり、例えば第1話では処女を、第3話ではアナル処女を奪うことを目的としており、また第5話では性行為を彼氏君にヒロインの狂乱した痴態を見せ付けることで両者の関係を著しく損傷する寝取りプレイを描いたりしています(←参照 ドキドキしながら彼女の自宅に行ったらこの有り様 長編第5話「side-央行」より)。
 上原さんによるヒロインへのサディスティックな責めを描く第4話を除けば、ヒロインに奉仕させるフェラチオで抜き所を形成し、前穴やアナルをねちっこく愛撫する前戯パートと、激しいピストンで性器やアナルにピストンを加えて、絶頂に導く抽送パートと、エロ展開自体は非常にオーソドックスであり、抜き物件としての分かり易さのあるタイプ。
その一方で、催眠の浅い・深いを調節することで、ヒロインの精神状態を揺さぶったり、各種の性具を絡めて二穴挿入を一人で可能にしたり、ザーメンや涎を嬉々として飲ませる変態チックなプレイを絡めたりと、脇役的な要素でエロ描写に幅を持たせているのも嬉しいところ。
 多少、作画の粗さとして感じるケースもあるかもしれませんが、身を焼く快楽に悶え、のけ反るヒロインの肢体の動きを十分なダイナミズムを以て描き出しており、ストレートな説明的エロ台詞の支援などもあって、フィニッシュシーンまでガツガツとした勢いで進行させる流れも良好な要素でしょう。
 兄妹の関係であり、露見を恐れる正気がまだ兄に残っているため、ぶっかけやゴム付きでの中出し、またはアナルへ白濁液を注ぎ込むフィニッシュを選択しており、中出し原理主義な諸兄には不向きですが、ヒロインが絶叫アクメに浸る様子を大ゴマ~2P見開きで描いており、抜き所として十分なインパクトのある仕上がりとなっています。

 以前の長編「催眠術で牝奴隷を手に入れる方法」が割合にストレートな嗜虐性で押しまくったのに対し、今回はそこからもう一段レベルアップして登場人物達の歪みを巧みに表現していると感じます。エロも十分に強力ですし、読後の満足感と第2巻への期待感がしっかりある1冊と感じます。
個人的には、池上氏と、前長編では見事にボンクラ(言い過ぎ)であった三村君がどう絡んでくるかが楽しみですなぁ。