PandraSecond.jpg ヤマザキマリ先生の『テルマエ・ロマエ』第4巻(エンターブレイン)を読みました。今回は、平たい顔族の国での滞在時間が長いですなぁ・・・。変に愛されキャラで居付いていますし。
さつきさんとのラブロマンスがどうなるかも魅力ですな。ただ、言葉が通じないことが作品の肝だった感もあるので、この要素は果たしてどう機能するかですね。

  さて本日は、エレクトさわる先生の『PANDRA』第2巻(キルタイムコミュニケーション)のへたレビューです。特装版ということでドラマCDとフルカラー小冊子が付いております。なお、第1巻のレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
黒い欲望と純粋な想いが交錯する重厚なファンタジー長編と白濁液たっぷりの濃厚エロ描写が魅力的な1冊となっています。

PandraSecond1.jpg  収録作は、父との再会を願いあらゆる願いを叶える“パンドラの箱”を求めて学園に入り込んだ白髪の主人公・シャリィとその友人でありながら、父親が生み出したもう一人の“器”である黒髪の美少女・レイリィとの関係を軸に、人間界をかけた攻防を描く長編ファンタジー「PANDRA」第8話~最終第15話(←参照 目覚めた“黒の器” 同長編第8話より)。
 なお、本作を楽しむ上では前単行本である第1巻の読了が必須でもありますが、同時に『淫術の館』(同社刊)等に収録されている「淫術の館」シリーズともリンクがある作品でもあります。
 1話当りのページ数は22~34P(平均26P弱)としっかりしたボリュームを各話が保有。長編作として読み応えのあるストーリー構成であると共に、濃厚かつ強烈なエロ描写が生む満腹感の凄さも魅力となっています。

【希望が未来をつかみ取る王道の熱さがある長編ファンタジー】
  自身が求めていた父親の悲しい過去を知り、また自分が“失敗作”として単に利用されていたことをシャリィが知った段階から始まる第2巻は、1巻において終始攻める側であった彼女が、逆に父親の魂が覚醒したレイリィに対して守勢に回ります。
  人間の差別と狭量によって母親を殺された恨みを晴らし、まだ母親を蘇らせるためにバンドラの箱を用いる父親は“悪役”としての存在感が強く、激情故に彼が放つ災悪の非情さと、それに対抗しようとする登場人物達の勇気を高める展開となっているのも、ファンタジーものとしての大きな魅力。
 共に器として利用されていた二人の少女ですが、その間に育まれていた友情故に、シャリィは父親との戦いを選択し、世界を滅ぼさんとうする父親と、他者を犠牲にしてきた自身の過去の怨讐を断ち切らんと毅然として“悪役”と対峙します。
PandraSecond2.jpg学園での友人達の手助けや、ある意味ではもう一人の自分でもあるレイリィへの直向な想い、父親と同じく差別と偏見に苦しみながら歪むことのなかった純粋性など、善き感情が主人公を駆動させ、逆転勝利へと向かって奮闘する姿には躍動感や爽快さがあり(←参照 勝利へ向かって疾走 長編第14話より)、終盤のドラマの盛り上げ方は非常に良好と言えます。
  話のスケールを広げるために結構な惨劇が生じている上に、主人公がバンドラの箱を得るために非道な凌辱に叩き込んできた学園の女の子があっさり友情を示しており、結果責任のバランスを考えると大団円とも言えるハッピーエンドへの進展に多少の疑問符が付くのは確か。
しかしながら、絶望と憎悪に包まれた中で、純粋に耀く希望が世界を、そして辛い過去を持った登場人物達を救うというラストは、作品タイトルに実に相応しい描き方であり、効果的に作用していた伏線もきっちり回収という実に技巧的なまとめ方をしていたと言えるでしょう。

【だらしないエロさのある肉感ボディヒロインズ】
  学友である女の子達も含めて、登場するヒロインはそもそも多めであったことに加え、今回では父親が学園都市に放ったモンスターにより町中の女性が凌辱されるという描写もあるため、エロ要員はかなりの人数が登場。
PandraSecond3.jpg  もっとも、シナリオ的にもエロ的にもメインはあくまでシャリィとレイリィであり、二人ともサブキャラ達への凌辱がメインであった第1巻では濡れ場が無かったのに対して、今回は二人とも凌辱の対象となっており触手塗れ、汁塗れとなっています(←参照 これまでとは逆に凌辱される側となった主人公 長編第9話より)。
ストーリー序盤では性格面において好対照と思っていたのですが、実は美しい献身の精神を共通して持っていることが作品終盤において光っています。なお、黒と白の髪の色や、爆乳と貧乳などのボディデザインが好対照を形成している二人でもあります。
  貧乳なシャリィさんは肢体造形的にはむしろ例外な方であり、他のヒロイン達は肉感たっぷりの長身むっちりボディ。乳輪大き目で垂れ気味の重量級おっぱいや、使い込まれたビラビラのめくれた性器など、読み手の嗜好に依って好みは分かれるでしょうが、だらしないエロさとしてボディデザインにおける魅力の一つとなっています。
  なお、凌辱するものを触手モンスターや化け物としており、場合によっては魔力でフタナリ化したり触手を生やしたりでのレズセックスを描いたりと、普通の男性キャラクターを使用することがなく(ショタゼウス様も出番ほぼ無し)、巨躯や数多の触手といった特殊な造形をエロに有効活用するスタイルと言えます。
  絵柄は表紙絵と同クオリティで安定しており、十分な重さや濃さを持ちながらも現代的なキャッチーネスを有する絵柄。作画密度が単行本を通して常に高いのも評価したいポイントです。

【絨毯爆撃的なエロ演出が特長の超濃厚エロ】
  各話において十分な長尺を有すると共に、エロとしての過激性と演出面の濃厚さを備えるエロのプレッシャーは強烈であり、非常に強力な凌辱系抜きツール。
最終話における愛のある百合セックスを除き、化け物による触手凌辱や集団凌辱をエロシチュエーションの基本としており、苦痛描写よりも快楽描写を徹底しているとはいえ、快楽によって女性達を屈服させ、中毒にし、支配するという嗜虐性をたっぷりと含ませた描き方となっています。
  また、キルタイム系のエロ漫画で重視される飽和感のあるエロ演出・エロ作画という手法において代表的な作家の一人と言え、ヒロインの豊満なボディに強い存在感を与える構図を多用しつつ、そこに大量のエロ演出を被せてきます。
PandraSecond4.jpgヒロインの周囲を取り囲む触手や化け物の巨根から何回も放たれるドロドロとした白濁液がヒロインの顔を塗り潰したり、大量に描き込まれた触手がヒロインの肢体の内外を這いまわったり、すっかり理性を失ったヒロインが白痴系エロ台詞が連呼したりと(←参照 一つの穴に何本も侵入する触手 長編第12話より)、一コマ一コマに強烈な攻撃性を持たせた上でその威力を途切れさせることなく連発してくるスタイルは強力無比。
  結合部の見せ付け構図や、断面図もそれなりの分量を用いており、粘膜描写の秀逸さもあってストレートな煽情性の強化に寄与していますが、むしろ肢体全体の存在感を前面に出す構図が多く、その肢体を征服するという欲望を喚起させる画作りが多めという印象。
  エロシーンの中盤以降は盛り上がりが全く切れず、射精シーンも連発させられるため、何処を取っても抜き所という評もあながち誤りではなく、白濁液のシャワーの中で中出しアクメに絶叫する1Pフル~2P見開きのフィニッシュシーンも〆に相応しい強力な抜き所となっています。

 攻守、善悪の反転という点で2巻構成の長編作として非常に上手く、ラストへ向かっての盛り上げ方も非常に頑健です。ストーリーをしっかり紡ぎながらも猛烈なエロをたっぷり含有させた作品の構築力も素晴らしいところ。
既存作品とのリンケージも含め、これまでのキルタイムでの執筆の集大成とも言うべき1冊であり、その完結を祝したいところ。是非また、長編ストーリーで魅せて欲しいなと感じました。お勧め!