
スピード重視というわけでもなく、スラッシュビートを刻みながら吐き捨てボーカルががなり立てる感じの粗っぽさが素敵です。ジャケのB級ホラー感は、CDのオープニングで出るぐらいで内容的には正統派?のB級スラッシュですな。
さて本日は、無道叡智先生の『オトメマジックオーケストラ』(茜新社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『生えてるワタシとツいてる彼女』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
ほっそり華奢なボディのロリータ美少女達とのねっとりとしたエロエロプレイを明暗様々な雰囲気の中で楽しめる作品集となっています。

なお、短編「ゆみなふぉるだ」は、前々単行本『ロリレコ-性徴記録-』(同社刊)に収録されている短編「ゆみなぶろぐ」の後日談的な作品ですが、それほど話のリンクは強くないので今単行本から読んでも特に支障は無いでしょう。
描き下ろし作品を除き、1作当りのページ数は8~20P(平均15P強)とやや控えめで、これはフルカラー短編等のショート作品の収録作が多いため。お話としてはコンパクトなものが多いですが、単行本通してエロは十分量が用意されています。
【ラブエロ系中心ながら作品の雰囲気は様々】
巨乳美少女とのラブコメディ系が勢力を増すコミックRinにおいて、変わらずロリエロ漫画を描いている作家さんであり、今単行本もキュートガールズとのラブエロ系が概ねメイン。
上述した短編「ちょこりーの」を含め、お兄ちゃんラブな妹キャラが登場する作品群や、飼い猫が突如美少女化して恩返しエッチな短編「くろつばき」などでは、困惑や羞恥心を覚えながらも主人公の欲望や感情を優しく受け止めてくれるキャラクターとして彼女達を描くことでラブエロ系としての甘さを形成。

とは言え、出会い系サイトの利用で男性を強請っていた少女がキレた男性側に逆襲レイプされ、その友人まで毒牙にかけられることを示唆する後味の悪いラストな短編「ご利用は計画的に」や、地味っ子が勇気を出して出演した撮影が詐欺でそのままAV撮影を強要される短編「debut」といった一定の陰湿さを含む凌辱系エロがあるため、その類が苦手な方は要留意。
また、妹のモノローグによって近親相姦のタブーの侵犯とその受容を語り出していると様に見せつつ、ラストでどんでん返しを行う短編「レポート」や、兄貴の作りだす謎のエロアイテムにすっかり中毒になってしまったお兄ちゃんラブの妹さんの姿をラストで示す短編「四畳半サイエンス」などは、作品の明暗を判じ難いタイプでちょっとした妖しさもある印象です。
ページ数の都合もあってシナリオは小粒であり、キャラ立てのエロのシチュエーションの形成という役割をよく果たしているものの、この作家さんらしいテンションの高いハジけた感じはやや弱めとも感じます。
【ほっそりボディの貧乳ロリータ少女達】
短編「くろつばき」に登場する年齢不詳な半獣(半猫)忍者ガールちゃんは例外として、ロリータヒロイン達は小○校6年生で固定されており、ある意味でかっちりと統一感のあるヒロイン陣。
上述した様な、恥じらいながらも男性を受け止めてくれるタイプもいれば、年上の男性を翻弄する小悪魔系少女も登場しており、性に対する積極性の高低は性格面の設定と共にヒロインの印象に差異を設けています。
これまた短編「くろつばき」のネコ美少女が例外なのですが、彼女が割合等身の低いロリプニ系のボディデザインであるのに対して、多くのキャラクターは等身高めでほっそりとした体躯にすらりと伸びる四肢が付随する肢体造形となっており、肉付きの弱さがかなり強調されていることが特徴。

なお、主人公としてちょこちょこ登場するショタボーイズも含めてメガネの着用率が高い傾向にあり、メガネっ子ヒロインは計4名登場。
良くも悪くも人工的な萌えっぽさをたっぷり充填させたアニメ/エロゲー絵柄は多少のクドさはあるものの、上記した肢体造形の繊細さとの相性が良く、同時に単行本通して絵柄が安定しているのも好材料でしょう。
【ヒロイン達の華奢ボディへのねっとり愛撫&ピストン】
個々の作品のボリュームによってエロシーンの尺には当然ばらつきがあるものの、ショート作品ではエロ描写に専念していることもあって、いずれの作品も抜きツールとしての分量をクリア。
ひたすら視姦を繰り広げたり、エロ衣装でダンスしたりといった特殊な行為がエロ展開に組み込まれていたり、ラブエロ系だけでなく集団凌辱や脅迫セックスといった暗い欲望を刺激する作品があったりと、作品の本数の多さがエロの多様性に直結しているのは単行本単位として評価したいポイント。
フェラチオから口内射精につなげるなど、ヒロイン側の“ご奉仕”が描かれることも時々ありますが、基本的にはヒロインの華奢ボディの各種性感帯を舌やら指やらでねっとりと愛撫する描写に注力がなされた前戯パートと言え、愛液やおしっこの噴出を伴う絶頂へロリっ子達を導いていきます。

上述したエロ水着以外でも、裸エプロンや学校の制服、くのいち装束など、コスチューム面の豊富さを生かした着衣エッチがメインとなっていますが、作品によっては上半身の露出がエロ展開終盤に留められるケースがあるため、ちっぱいをたっぷり見守りたい諸氏は留意されたし。
各種の擬音や蕩けたエロ台詞で彩られた大ゴマや、周辺のコマの枠線を破るブチ抜き絵などのインパクトが十分にある一方、それらの脇を固める小ゴマの使い方に緩さがある印象で、シーンによってはちょっと画面に詰め込み過ぎているかなと感じる場合もありました。
前回がフタナリエロ縛りの単行本であったため(それはそれで勿論好きですが)、久しぶりにこの作家さんのロリエロ漫画が読めて嬉しいところ。ちょっと大人しいかなと作劇面で感じる部分もありますが、キャラ付けやエロプレイのはっちゃけ感は変わらない魅力と言えましょう。
個人的には、声を出さないことに意固地になる妹ちゃんを外から内からたっぷり感じさせちゃう短編「妹貯金」と、ショートヘアの妹ちゃんをエロマシーンを使って開発しまくりな短編「四畳半サイエンス」に愚息が大変お世話になりました。