TentaclePlay.jpgtenkla先生の『ヨメイロちょいす』第5巻(秋田書店)を読みました。いやはや、相変わらず計算され尽したヒドさのある漫画でございます(誉め言葉)。
「とーさんの股間が札幌雪祭りに!」という凄まじい言語センスに痺れるところでありますが、その後の解決方法の“目の当てられなさ”(クドイ様ですが、誉めてます)も実に見事。この回、主人公がなかなかいいこと言ってますが、霞んでおります。

さて本日は、ほりとも先生の『TENTACLE PLAY』(キルタイムコミュニケーション)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『テンタクルバージン』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
ファンタジーとしての面白さをエロ・キャラ造形の両面で活かした作品群が楽しめる1冊となっております。

TentaclePlay1.jpg収録作は、慈母の如き優しさと高い法力を持つ女性神官が愛の力でモンスター達を改心な短編「愛、届きますように」(←参照 相変わらず妙に人間くさい触手モンスター達)+描き下ろしのフルカラー掌編、および読み切り掌編・短編8作+各作品のおまけ後日談8本(それぞれ1P)。
なお、トカゲシッポ娘のシッポちゃんや、その身の中に淫魔を封印しているシスター・カーリーンさんなどは、前単行本から引き続き登場しているため、既刊を読んでいると楽しさが増します。
描き下ろし作品やフルカラー掌編を除き、1作当りのページ数は18or20P(平均18P強)と中の下クラスのボリュームで安定。エロ・シナリオ共に標準並みながらも、それぞれに適度な読み応えがあり、ページ数以上に満足感がある1冊と評し得ます。

【凌辱成分を持ちつつあくまでポジティブなファンタジー劇】

表紙絵で触手に拘束されてしまう神官・ナプテーヌさんが描かれていますが、ファンタジー世界の住人達のエロ活劇を割合に平和な雰囲気の中で描き出す作風であるため、ダークさは割合に希薄。
いわゆる触手凌辱的な展開が認められる作品の本数はそれなりに登場し、恥辱と快楽の挟間で蕩けていくヒロイン達を描くものの、神官の愛と信仰が正しく勝利する短編「愛、届きますように」のラストが示す様に、それらはあくまで人間的美徳によって乗り越えられる一時の受難に過ぎないものとなっています。
また、これに関しては偉大なる先達が存在するものの、触手怪物になってしまったお兄ちゃんとそれを献身的に介護する妹さんとのHという、“愛ある触手エロ”といった趣向も存在しており(短編「淫獣ウイルス注意報」)、キルタイム伝統のファンタジー凌辱の定型とは異なる路線を着実に歩んでいるのは高く評価したい点。
読み切り中心であることもあって、シナリオの作りそのものに特段の新規性はなく、1つ1つのエピソードは小粒ではあるのですが、それを補って余りあるのが、作品間のリンクの良さとそれに伴うファンタジー世界の広がりの楽しさです。
1075684a.jpgシスター・カーリーンの体内に封印される以前に人間界で暴れていた淫魔フェルナルを登場させ、二人の出会いと闘い、そして融合を描いた短編「淫魔皇女の城」(←参照 まだ余裕のフェルナル様)や、フェルナルが人間界に降魔した原因でもある魔界での権力闘争を描く短編「魔王ミルディア誕生」など、設定が作家側の方でしっかり作られているために作品世界に広がりが生まれており、単に状況設定のためだけのファンタジーになっていないのが◎。
終盤展開で話をやや急に動かし過ぎている感のある作品もありますが、全体的にかなりポジティブな雰囲気を有している分、ファンタジーとしての自由闊達さがよく生きているとも言えるでしょう。

【チアフルに動き回るファンタジー世界の住人達】
現代日本に近い舞台設定を持つ短編「淫獣ウイルス注意報」を除けば、剣と魔法的(RPG的)ファンタジー世界を描く作品群であるため、魔族や獣人族といった人外さんに加えて神官や魔法使いといった、ファンタジー世界の住人達が登場しています。
年齢不詳の人外ヒロイン達も含め、容姿の年齢設定的にはミドルティーン級のロリっ子タイプから20代半ば程度と思しきお姉さんまで登場しており、肢体造形やファンタジー的な衣装の多様さなどとも併せて、多彩なヒロイン造形が楽しめるのは嬉しい点。
c7759f33.jpgまた、各作品中におけるヒロイン達のキャラ立てが良好であり、正統派ツンデレのトカゲ娘さんやら、高飛車な性格を必死で抑えて子作りを頑張ろうとする獣人族のお姫様(←参照 素が出かかってますが奮闘中 短編「ケモノ族の花嫁」より)、天然ボケ気味ながらもその溢れる優しさと愛で魔物までも改心させる神官さん等々を、漫画チックにチアフルな魅せ方をしています。
一部並乳さんもおりますが、ちんまいロリ系ガールからすらりと背の伸びるお姉さんまで、柔らか巨乳とたっぷりヒップをお持ちのグラマラスボディの持ち主であり、丸みの強い描線が女体の肉感を高めているのがキャラデザイン面での長所。また、性器や乳首などの粘膜描写を含め、トーンワークがツヤツヤ感をかなり高める方向に働いているのも○。
なお、触手キャラ達が悪役から善人?寄りのタイプまでそれぞれ活き活きとしているのに対し、野郎キャラの存在感は敢えて抑えられている様子であり、濡れ場も含めてヒロインのキュートネスとエロさに意識が専念できるように設計されているのも特徴でしょう。
萌え絵柄系統のいい意味でのあざとさを備えている分、ヒロイン達のキュートネスをよく引き出す絵柄は、デジタル作画的な洗練さとは異なり、粗さや雑味が美点となるアナログ絵柄であり、上述したトーンワークも含めて細かく描き込んでいる密度の高さも長所となっています。

【ヒロインの肢体の肉感をよく活かしたエロ作画】
エロシーンの半数以上は、触手と美少女の絡みであり、そこにモンスターとの異種姦やフタナリ化した淫魔さんとのレズプレイといった趣向を絡めて来ます。
上述したヒロインの女体のむちむちとした肉感が、肢体全体に触手が絡みつくという触手エロの醍醐味とよくマッチしているのは、実用性を高める上で大きな美点であって、小ゴマでの局所アップの構図やインパクト重視の大ゴマなどの作画もこの魅力を下支え。
“シナリオは穏やかに、されどエロはハードに”という路線を取っているため、ラブラブHであれ凌辱エロであれ、ヒロインを羞恥と困惑の中に導きながら、それを快楽を以て上書きするという趣向は共通しており、触手責めという異常な性交の快楽に蕩けてゆく女性キャラ達の陶酔感を強く打ち出してきます。
TentaclePlay4.jpgヒロインのエロボディの全身を触手が這いまわり、各種性感帯を愛撫する前戯パートがねっとりとした描き方をされているのに対し、抽送パートに移行してからは触手の最奥までの突き込みの威力を強調する、アタックの強いエロ演出・画面構成を多用する傾向に変化(←参照 効果線によって下からの突き上げが強調される描き方 短編「見習い教師ミシュル」より)。
性器描写そのものに強い淫猥さは乏しいものの、この抽送パートにおいて透過図を武器としており、ヒロインの肉感豊かな肢体の描写をキープしつつ、アナルや性器、口腔の奥の方まで触手が侵入し、ピストン運動を繰り出す様を力強く描いています。なお、触手エロ以外でも、後ろの穴を活用する作品が多く、フィニッシュシーンの後には、アナルと秘所の両方から白濁液や淫蜜が零れおちる描写で、読み手の征服欲に追撃を仕掛けてきます。
多回戦仕様を基本としており、触手の粘液などのぶっかけ描写も頻度高く絡めつつ、1Pフルでダイナミックに描かれるフィニッシュシーンは、絶頂を迎えるヒロインのイキ顔と、精液を注ぎ込まれる肉穴をがっつり見せ付けるパワフルな構図をデフォルトとしており、そこまでのタメも含めて抜き所としてしっかり機能しています。

前単行本と関係する作品が今回も登場していることが示す通り、世界観の作り方やキャラ造形面におけるこの作家さんらしい魅力が良く出た3冊目であり、この路線を是非維持して頂きたい所存。
個人的には、2段構えのエロ展開で神官と淫魔の出会いと闘いを描く短編「淫魔皇女の城」と、帝国に嫁入りしたケモノ族のお姫様が大層キュートな短編「ケモノ族の花嫁」が特にお気に入りでございます。お勧め!