BeautifulDaysOfLosingVirginity.jpg伊藤悠先生の『シュトヘル』第7巻(小学館)を読みました。復讐の盲執に囚われ、ボルドゥに“覚えていない”と言われたシュトヘルが彼のことを覚えていたのは、これまた文字の為した奇跡でしたな。
飄々とした猛者・ナランの登場で一難去ってまた一難という感じですが、ハラバルがどう絡むか気になります。あと、騎馬中心のこの世界でメルミちゃん、ぅゎょぅじょっょぃ

 さて本日、そして本年最後の単行本レビューは駄菓子先生の初単行本『純潔の終わる日々・・・』(ワニマガジン社)のへたレビューです。初単行本ながら今年のトリを飾って頂くに相応しい秀作でございますよ。
緻密でありつつ淫らな乱雑さを備えた高い画力で快楽に咽ぶ美少女・美女達の痴態を濃密に描き出す作品集となっております。

BeautifulDaysOfLosingVirginity1.jpg 収録作は、可憐で清楚な生徒会副会長の美少女さんが実は隠れながらのオナニープレイに耽溺する性癖の持ち主であることに主人公は気付いてしまって~な短編「視線の先」(←参照 公園の茂みの中で一人 同短編より)+描き下ろしの後日談短編9P、および独立した短編9作。
描き下ろし後日談を除き、1作当りのページ数は16~22P(平均19P)とコンビニ誌初出としては中の上クラスのボリュームで安定。分量としてエロメインの構築であり、抜きツールとして確たる強みを有していますが、陰陽様々な雰囲気を練り込んだ作劇にもしっかりと存在感があります。

【誠実なラブストーリーから不倫エロまで滲み出るアモラルさ】
 作品の方向性としては、若い男女の誠実な青春ラブストーリーから人妻さんが若い男によって強引に不倫セックスの快楽を覚えこまされる寝取られ系まで様々ですが、比較的ポジティブな雰囲気を有する作品が多い傾向にはります。
 とは言え、カラッと明るい雰囲気のラブコメディといったタイプの作劇は少なく、純愛系にしてもダーク系にしても男女の感情と欲望が絡み合うアモラルな雰囲気がじっとりと含まされていることが大きな特徴。
BeautifulDaysOfLosingVirginity2.jpgこの傾向は恋愛ストーリーに属する作品群でもしっかり効果を発揮しており、彼女さんの肢体に誘惑されてそこにむしゃぶりつく喜悦や、清楚な女の子が妖しげな微笑みや倒錯的な性的嗜好を曝け出す官能性などを打ち出すことで(←参照 健気な姪っ子ちゃんの“本性” 短編「鳥籠屋敷」より)、性愛の“非日常性”を敢えて浮かび上がらせる描き方と言えるでしょう。
寝取られ系や調教系の作品も含め、日常の中に突如として出現する“非日常”の浮揚感・陶酔感を重んじていることは、エロ漫画的な快楽全能主義を間違いなく作劇の屋台骨としつつ、決して単調な作劇にさせない見事な技量。
 短編中心ということもあって、強いドラマ性やシナリオ面での派手な緩急はほとんど設けていない一方で、抑制した故に前述の“非日常性”が輝き、じわりと沁み出る悪意や背徳感、逆に恋や性の喜びをしっかりと読み手に汲み取らせることで人間関係を中心としてストーリーに奥行きを形成しています。
フェードアウトしながらも作品の方向性それぞれに相応しい余韻を残すラストも、これまたパンチには欠けつつ複雑な味わいのあるタイプと言え、派手さや過激性はなくとも“巧い”シナリオワークと評したいところ。

【じっとりと淫液に濡れる美しくもグラマラスな女体】

 各作品に登場するヒロイン陣はハイティーン級の女子高生さん達を主力としつつ、女子大生級の女の子や20代前半~後半程度の義姉や人妻さんなども随時投入。
王道ラブコメの中軸を担うキャッチーな属性付けを施したヒロイン設計とは概ね無縁なタイプと言え、清楚な美しさや穏やかな物腰の正統派美少女・美女として描きつつ、感情や欲望の“裏”や“本性”を描出することで多面的な魅力のあるキャラクター描写を為しています。
BeautifulDaysOfLosingVirginity3.jpg 控えめサイズの並乳美少女も複数名登場していますが、設定年齢に関わらず熟れた性的魅力を香らせる肢体造形を旨としており、もっちりとした質感のたわわな巨乳や安産型ヒップの淫靡な存在感がストレートに強力な武器(←参照 たぷんたぷん 短編「魔天楼に溺れて」より)。
それ自体は割合にオーソドックスでありつつ、後述する各種淫液の添加による女体のシズル感の増強やキュッとしまったウェストやしなやかな筋肉の存在感と女体の程良いだらしなさの両立、むせ返る様な淫臭を放つ粘膜描写など、濃密な描き方をしつつ端正な美しさを保つ女体描写は確たる個性でしょう。
 初単行本ということもあって、短編「しおかぜ」など初期の絵柄は近作との相違を感じますが、基本的な画風は変わっておらず、アナログ作画的な乱れや荒さを絶妙にコントロールしつつ盛り込んで、地のキャッチーでオサレ感もあるアニメ/エロゲー絵柄に官能性を付与しています。
着衣や背景なども含めて丹念な描き込みを示しており、黒髪の艶やかさなど、モノクロームである故に光る画風であることもあって、エロ漫画業界では珍しい白黒絵の表紙絵はむしろ大正解と言え、作家・出版社サイドのこの画風に対する自信を示していると言えるでしょう。

【的確な演出・作画で構築する濃密で淫猥な官能空間】
 性愛の高揚や妖しさを基調とする作品構築であることもあり、エロシーンはシナリオ面の形成にしっかり寄与しつつ、抜きツールとして十二分な質と量を有しています。
 恋愛セックスでは互いに相手を求めあう幸福感を担保しつつ、羞恥系セックスやコスプレH、ヒロインによる押し倒しエロ、睡姦などのシチュエーションによる倒錯性・退廃感を喚起したり、性欲に支配されてがむしゃらに相手を求める衝動性を強調したりで、前述のインモラルな雰囲気を形成。もちろん、ダーク系の作劇でも感情描写や台詞回しで欲望や悪意の暗さを着実に打ち出してきます。
 互いの体の愛撫や、フェラやクンニなどの性器愛撫、舌を絡め合うキス、乳吸いやパイズリなどのおっぱい関連描写など、前戯パートも充実しており、ヒロイン達はこの段階で淫液と快楽に包まれて潤んだ瞳の表情を曝け出します。
快楽に包まれた彼女達の痴態は男性キャラクターの欲望を更に高める要因となり、ねっとりとした濃い愛液を潤沢に漏らし、熱気と淫臭をむわっと放つ秘所に挿入すると共にその女体を抱え込んでパワフルな抽送を最奥まで繰り出していきます。
BeautifulDaysOfLosingVirginity4.jpg 女体のポージングや下半身の動きといったエロ作画のダイナミズムを貫徹しつつ、涎を交換するキスや肢体をじっとりと濡れる汗、結合部から溢れる愛液といった高質な液汁描写の豊潤さや、黒目がちで涙で焦点がぼやけつつある瞳の表情、小文字中心で絵を邪魔しないものの的確に場面を盛り上げるな擬音・嬌声の表現などなど、エロ演出はいずれも濃密な陶酔感の表現に大きく寄与(←参照 清楚なおっとり人妻さんのこの表情! 短編「昼さがりの彼女」より)。
汗腺、涙腺、唾液腺、そして媚肉から体液をだらしなく漏らし続け、白濁液の大量注入でアクメに追い込まれるヒロイン達は、感極まった表情と言葉にならない悲鳴の様な叫びを大ゴマ~1Pフルで曝け出しており、ぶっかけやお掃除フェラ、ぽっかり開いた性器からの白濁液漏れ出しなどの追撃描写も含めて強力無比な抜き所を形成しており、最初から最後まで濃密さに抜かりのないエロシーンと評し得ます。

 今年のワニマガ初単行本組ではHisasi先生と双璧を為す輝く新鋭でありましょう。キャッチーネスを重んじるHisasi先生に対し、作画・作劇に一癖あることが魅力なタイプとして個人的には非常に高く評価しております。
個人的には、清楚で優しい人妻さんが青年にねっとりたらしこまれる短編「昼さがりの彼女」と、ドエロな下着を着用した彼女さんと激しく前後な短編「今宵めしませ」に特に愚息がお世話になりました。大変にお勧め!