MedicalUrinResearchClub.jpg 安倍夜郎先生の『深夜食堂』第10巻(小学館)を読みました。調子にのって“モチリン(もちろん)”とか言ってしまう若旦那は酷い目に合うと言うのは古典落語からのお約束でございますな(「きぬかつぎ」の回より)。
個人的には肉豆腐のお客達のよるバリエーションが面白かったですね。白滝入りは美味しいのに、僕がなんとなく違和感を感じたのは、きっと温め直したすき焼きのイメージが先行するからかもしれません。

  さて本日は、高城ごーや先生の『にょうけんっ!』(ティーアイネット)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『天使のおしっこ』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
おしっこに青春を懸けた少年少女達の部活青春活劇とおしっこ大洪水なパワフルエロが楽しめる長編作となっています。

MedicalUrinResearchClub1.jpg 収録作は、医学部進学に特化し、学生達がそれぞれ医療研究を行う高校に幼馴染の女の子と進学した主人公は、おしっこを中心として泌尿器研究に邁進する“泌尿器研究会”の部長に強引に勧誘され、そして始まるストレンジ青春活劇な長編「泌尿器研究部へようこそ」全6話(←参照 部長さんが主人公を見染めた理由=おしっこが美味しい 同長編第1話より)。
収録本数こそ多くないものの、1話当りのページ数は24~44P(平均36P強)と大ボリュームを誇っており、単行本としても十分な厚みがあります。長編作として相応の読み応えを有しつつ、このボリュームの強さをエロシーンの長尺化に貢献させているのも作品構築上の特色と言えるでしょう。

【おしっこ探究に奮闘する快活な青春活劇】
 常に尿というか、おしっこを作品のテーマに据えたスカトロ系の作品を提供し続けながらも、アブノーマル系としての背徳感やそれを強いる嗜虐性を強調するのではなく、よりライトな雰囲気で快活な青春ストーリーを描くことに特化した作家性を有しており、今単行本でも同様の路線を取っています。
泌尿器研究会の面々は皆それぞれ真面目におしっこおよび泌尿器関係の医療の研究に取り組んでいることもあって、おしっこ特化というある種のコミカル感を強く有しながらも、意外に真面目な印象さえある“部活モノ”として描くことにも成功しています。
元々おしっこプレイや泌尿器関連の知識もなかった主人公が、女の子のおしっこの味で正確な健康診断を可能とする技術を身に付け(先輩達は皆できます)、部員の女の子達と打ち解けていく流れは、勿論おしっこ絡みではありつつも、王道的な青春ラブコメの様相を呈しています。
 元・女子校である故に、男子である主人公の存在は研究対象として学園内において貴重であり、彼の奪取を目論む脳科学部の妖しげな戦略によって、主人公が洗脳され、尿研から引き離されてしまうことで、物語上の危機を形成しており、ここでの一定のシリアス感の導入も実に王道的と評したいところ。
907baaf6.jpgこの危機を脱する要因は、馬鹿にしていた尿の病気に倒れた脳科学部の部長さんを、主人公や過去にトラウマを持つ尿研の部長さんが彼らの勇気と経験を以て救わんとする意志であり、そこに生じる“人を救うことが自らも救うことである”というテーマ性は仁術としての医療の本質を捉えたものといっても過言ではないかもしれません(←参照 二人で“悪いおしっこ”をやっつけろ! 長編最終第6話より)。
 泌尿器関連の説明を含めて台詞にやたらと多い文字数を投入した語りのリズムの悪さや、脳研の部長さんを襲う病気など作中でのギミックがやや勢い重視で荒唐無稽であることなどは、作劇面でのネガティブな要素ではありますが、漫画チックな面白さの範疇にあるものではあり、作家自らが作り上げたピースフルなおしっこワールドの広大さを感じられる美点でもあると評した所存。

【多様なキャラデザの美少女さん達が勢揃いな賑やかさ】
 学園モノということもあって、メインヒロインである尿研の部長さんも含めて登場するヒロインは皆さん女子高生級。また、泌尿器研究会の先輩達や幼馴染の女の子、敵対?する脳研の面々などサブヒロインも多く登場しており、元・女子校という設定もあって登場する野郎キャラクターは、別の部で先輩といちゃいちゃしている後輩君を除いて、基本的には主人公のみと言うハーレム状態が形成されます。
おっとりとしている様で意外に押しの強い副部長や、ミステリアスな雰囲気を持つもう一人の先輩など、尿研の面々のキャラクターはしっかり立っていますし、また主人公を力強く導き、おしっこ研究の情熱を常に忘れない部長さんは、その剛腕さと同時に過去のトラウマに由来する弱さも持つ存在として描かれており、主人公の成長がヒロインの成長・進歩を手助けすることになるのは正しく青春活劇の醍醐味と言えましょう。
MedicalUrinResearchClub3.jpg 女性キャラクターの人数が多いこともあってか、年齢層が比較的限定されているにも関わらずキャラデザ・ボディデザインは多彩に取り揃えられており、健康的な肉付きに程良い巨乳&桃尻の部長さんや、黒髪ロングとかなり痩身&貧乳の綾瀬先輩(←参照 酔っぱらってしまった綾瀬先輩 長編第4話より)、対照的に金髪でグラマラスのボディの持ち主の副部長さん、彼らの研究を援助する創作部の天才的な頭脳とお子ちゃまボディ&言動をお持ちな先輩などなど、様々なタイプのキャラクターが登場しています。
流石に人数が多すぎて、終盤で登場する脳科学部の面々はあまりキャラクターが立たないのですが、褐色肌娘もいれば関西弁ガールもいたりと、大乱交エロスの盛り上げ要員としてはしっかり機能していました。なお、エロに絡むちょい役の女の子に何処か(日曜日の朝とか)で見たことのある様なキャラデザが混じっているお遊び要素なども楽しいところ。
 例えば、チキコ先生など、他の作家陣にも言えることですが、キャッチー&キュートな絵柄でド変態エロといういい意味でのギャップが魅力を形成するタイプと言え、絵柄面では現代的なアニメ/エロゲー系の絵柄となっています。
作画面でややラフさを感じさせることはあるものの、そこが不安定感につながっているわけではなく、適度な勢いや淫猥さを形成する要素となっているのも作画上の魅力と感じます。

【おしっこ関連を充実させつつアグレッシブな和姦エロも魅力】
 前述した通りにページ数の多さを生かした長尺のエロシーンとなっており、1対1のラブラブHも存在しつつ、3Pセックスや脳研全員の女の子を相手にした乱交エロなど複数人セックスが多いのも体感的なボリューム感の強化に貢献。
 普段は真面目で大人しい少年である主人公ながら、先輩達の誘惑に乗せられたり、妖しげな洗脳装置を付けられてバーサーカモードになったり、酔っぱらって(性的に)大暴れしたりと、エロシーンでは能動性を発揮することが多く、美少女ヒロインをメロメロにしていく件は十分にパワフルな印象を有しています。
MedicalUrinResearchClub4.jpg おしっこ特化の作風であるため、美少女達の黄金水を尿道口から直接味わったり、膣内射精を決め込んだ後におしっこも中出ししたり、酔った勢いで先輩に尿をぶっかけたり、彼女の膀胱にお酒を注入してそれを再吸引して呑んだり、絶頂したヒロインがたまらずおしっこをじょぼじょもらしたりと(←参照 三人同時お漏らしな脳研部員達 長編第5話より)、エロシーンの随所で放尿&飲尿が投入されているのは流石と言ったところ
 これらおしっこスカトロ方面を充実させつつも、通常の前戯&抽送パートにも十分なボリュームがあるのは長尺のエロシーンである故であり、透過図等も絡めつつパワフルなピストン運動で美少女ヒロイン達を性的快楽の恍惚へと引き込んでいく流れはオーソドックスな実用性も高めています。
 演出面は、さほど過剰なものは用いない一方で、ページ内にぎっちり詰め込む密度を保ちつつ、乳揺れや蕩け顔、十分量を用いる結合部見せ付け構図などでアタックの強い絵作りをしています。絵の流れとしてやや単調な印象は無いわけではないものの、そこは勢い任せでラストまで疾走することでカバー。
すっかり身も心も蕩けて言葉の乱れた説明的エロ台詞を語るヒロインの期待に応えてピストンを連続させて至るフィニッシュシーンは1Pフル~2P見開きのボリュームでがっつり描き出しており、そこまでの力強さに見合ったインパクトのある抜き所を形成していると感じます。

 コミカルで荒唐無稽ながらも意外に真面目な作劇、アブノーマル街道を爆走しつつ幸福な快楽に満ちたエロなど、この作家さんらしい3冊目であり、おしっこラバーもそうでない方も割合に広い訴求層を有する作品と評し得ます。
作家さんのおしっこ愛が溢れんばかりに詰まった怪作にして快作を是非お楽しみあれ!