HoneyMoonHoney.jpgアダチケイジ先生(原作:森高夕次氏)の『グラゼニ』第8巻(講談社)を読みました。勝ちが全くつかない状況にも関わらず“先発のコツ”を掴んでしまったらしい夏之介ですが、ローテから外すべきか残すべきかは難しいですな。
ここにチャンスをつかんだ様なそうでないような新星・丸金選手の動向も絡んでくる分、面白い展開。そして、ユキちゃんとの恋路の明日はどっちだ、夏之介!

 さて本日は、カタセミナミ先生の『蜜月ハニー』(ジーオーティー)のへたレビューです。なお、先生の前単行本(初単行本)『LOVEぱにっく』(コアマガジン)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
綺麗でエッチなお姉さんとのもどかしい恋愛模様と彼女達がしっとり蕩けるセックス描写が詰まった1冊となっております。

HoneyMoonHoney1.jpg 収録作は、性的に奔放な性格の妹を持つ生真面目なキャリアウーマンの女性が職場の新人君と恋仲になるも、その新人君には様々な誘惑が降りかかって来て~な長編シリーズ作全13話(←参照 普段はお調子者な新人君の真面目な態度に恋の芽生え 同シリーズ第1話「はじめての」より)。
フルカラープロローグ掌編や同じくフルカラーの幕間劇(共に4P)を除き、1話当りのページ数は12~22P(平均18P強)とコンビニ誌初出としては標準的な部類。長編ストーリーとして適度な読み応えを有しつつ、エロも標準量を用意したバランスの良い作品構築と言えるでしょう。

【オーソドックスながら誠実な恋愛ストーリー】
 仕事一筋で堅物なヒロイン・藍帆さんが職場に新たに入った青年とのオフィスラブの中、徐々に性格が柔らかくなっていくことで長編ストーリーの序盤を形成。
お調子者ではありつつ根は誠実な主人公ではあるのですが、快楽主義者な妹・真帆さんのつまみぐいの誘惑や、彼女の同性の恋人である女性、職場でアルバイトをしている女子大生といった面々の関係に巻き込まれていきます。
HoneyMoonHoney2.jpg 正ヒロインである藍帆の知らぬ所で、この関係がもつれたり円満解決していったりするのがお気楽でありつつもどかしさを感じさせる点であり、このことが露見することで二人の関係性には危機が訪れます(←参照 妹さんの悪い顔 長編シリーズ第8話「深く激しく」より)。
この“修羅場”は相応にシリアスなものではありますが、主人公が己の行為を深く反省し、また自分の本当の恋心を再確認することで二人の恋愛関係はスムーズに修復され、お互いが更に自分の気持ちをさらけ出せるパートナーになることで幸福感をもたらしています。
 そこで二人のラブストーリーに決着を付けた上で、ここまでのストーリー展開において、二人の恋路を阻害する“悪女”的な立ち回りを演じた妹さんに関しても、何故彼女がそういった快楽主義に走る様になってしまったかと、ある種のトラウマを年下の男の子との誠実な恋愛関係が築かれることによって、彼女もまた“救済”されており、姉妹共にハッピーエンドに収束させていくのは心地良いところ
 誠実かつ王道的な恋愛ストーリーであるため、パンチ力には欠ける傾向はありますが、肉体の快楽を上回る恋の喜びに包まれるストーリーは優しい余韻を残してくれています。

【程良い肉感の年上美人ヒロインズ】
 サブヒロインとして前述のレズっ子ちゃんや職場でバイトしている女子大生といった女の子達も登場していますが、20代前半程度の彼女達に対してメイン格のヒロインである姉妹は20代半ば~後半程度の女性。
姉と恋仲になる主人公のサラリーマンや妹さんを誠実な恋心で求める高校生くらいの少年など、男性キャラクターはヒロインよりも年下であり、お姉さんキャラクターに翻弄されたり、逆に年上の威厳を崩して甘えられたりといった状況が多いのは、年上美人を得意とするこの作家さんの特長でしょう。
 片や生真面目なキャリアウーマン・片や男漁りの日々な水商売レディと、男性関係や性格的に関して正反対である様で、その実は心の中にしこりや硬直を有していることは二人に共通しており、それが男性との恋愛関係の中で氷解して行くことにキャラクター上、およびストーリー上の魅力があるのは前述の通り。
HoneyMoonHoney3.jpg 黒髪&眼鏡でスーツ姿のお姉ちゃん、派手な金髪に色っぽい衣装の妹さん、ボーイッシュな外見のレズっ娘ちゃんなど、キャラデザインは設定に合わせて変化を付けつつも、肢体造形に関しては程良い肉付きのボディデザインで固定されており、柔らかなお椀型巨乳とカタチ良く円弧を描く桃尻とを装備させています(←参照 長編シリーズ第5話「のぞかれ情事」より)。
肢体造形そのものにも一定の煽情性がある一方、前述した設定に見合った上で女性の個々の魅力を引き出すキャラデザインや、タイトなスカートやストッキング、逆に徐々に乱れて皺のよる衣装などの添加によって、色っぽさを強く引き出してくることで魅力を形成するタイプ。
 初出時期の幅などもあって、絵柄が強固に安定しているとは言い難い面もあり、表紙絵の彩色による印象の変化もあるものの、繊細な描線を丁寧に引いた上で美しさを感じさせる修飾性を加えた絵柄は魅力的であり、エロシーンでは適度に乱れてエロティックさを増すのも美点であると言えるでしょう。

【美しさをしっかり保ちつつ程良いインパクトで魅せるエロ描写】
 シナリオ展開にも一定の比重を置きつつ、様々なタイプの女性が現れてエッチに励む展開や、恋愛感情の確認、もしくは快楽欲求の衝動といった動機付けもあってエロシーンへの導入はスムーズ。
お盛んな妹さんによる誘惑エッチも多々存在しますが、それも含めて和姦エロであり、恋愛セックスなどに関しても幸福感と共に快楽と愛情の交歓を基調としていることもあって、間口の広いエロシチュエーションが揃っていると言えます。
 お姉さんヒロインの柔らかボディの感触を楽しんだり、各種性感帯をまさぐって快感を高めたり、もしくはエッチに積極性を示すヒロインがフェラやパイズリでサービスをしたりな前戯パートは、標準的な割合で用意されており、ここで抜き所を必ずしも投入するわけではないものの、抽送パートの盛り上げはしっかり果たしています。
HoneyMoonHoney4.jpg行為として特殊なプレイ・シチュエーションを絡めることはほとんどありませんが、いずれにしても美女がセックスの快楽に涙や涎で火照った顔面を濡らす蕩けた表情をエロ演出上の中核に据えており、彼女達に対する独占欲や年上美人に快感を与える満足感を喚起(←参照 妹さんとレズっ娘との3Pセックス 長編シリーズ第7話「誘われて3P」より)。
 乳首残像を伴う乳揺れや、透過図・断面図の併用、小ゴマ中心とは言え露骨な結合部見せ付け構図など、アタックの強いエロ演出も多用する傾向にありますが、それでいて絵柄の淡麗な美しさを殺すことは無く、エロとしてのパワフルさと艶やかな痴態とがバランス良くまとまっているのも特徴。
ヒロインの美しい女体を濡らす各種液汁の描写も効果をしっかり発揮しており、絶頂の快楽に浸る表情と喘ぎ声を上げるヒロインに粘度の高い白濁液をこってり注ぎ込む中出しフィニッシュは、それまでの演出強度の絵柄の特性との相乗効果を最も発揮している部分と感じます。

 やや派手さには欠ける一方で、綺麗なお姉さんの痴態が十分量楽しめ、かつ読書感の良い誠実なラブエロストーリーとしてまとまることでも使い心地を良くしていると言えます。
個人的には、サブヒロインのみの活躍でも特に問題がなかった妹さんまで含めて、しっかり恋愛ストーリーとしての柔和さを形成したことが巧いなと感じるところ。