YourCharacter.jpgTVアニメ版『となりの怪物くん』第8話「おいでませ!松揚祭」を観ました。大島さんの「メスがオスを求める的に」発言頂きましたー!真面目で大人しい娘さんですが、結構アホの子なのかもしれませんな。まぁ、そこが可愛いわけですが。
性格ゆえに周囲からの反撥を受けても致し方ない面のある雫ちゃんですが、夏目さんにしろ春にしろ、ちゃんと素直に仲直りできるのも彼女の性格ゆえと言えるでしょうね。

 さて本日は、MARUTA先生の『彼女属性』(富士美出版)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『アマノジャクが恋をして』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
ほのぼのとした等身大青春ラブストーリーと穏やかながら熱っぽいエロ描写で魅せる作品集となっています。

4443e86f.jpg 収録作は、着替え中に背中を見られてしまったことで始まる少女と少年のお付き合いの日常を描く中編「もしも、初恋が叶っていたら」全4話(←参照 二人とも初めてのセックスへ 同中編第1話より)、それぞれの登校先で同性愛の相手を見つけた銀髪の美少年・美少女の双子が入れ替わってそれぞれの相手とセックスを?な連作「空蝉」前後編、および短編3作。
なお、連作「空蝉」は、前単行本に収録の短編「空蝉」に登場した双子が再登場しており、当時のおまけ4コマで書いていた通りに兄の美少年が女装していますが、ストーリー自体のリンクはほとんどないので、今単行本から読んでも問題はないでしょう。
 1作・話当りのページ数は全て20Pと、コンビニ誌初出としては中の上クラスのボリュームで固定。読み応えの強いタイプではないものの、しっかり読ませる作りになっており、程良い満足感のあるエロシーンと組み合わされています。

【なんでもない日常の中にある思春期の瞬間々々の幸せ】
 「空蝉」シリーズの様にアモラルな雰囲気を漂わせたり、切ない感情を織り込んだ青春模様を描くケースもあったりしますが、今単行本では連作「空蝉」を除いて、思春期真っただ中の少年少女の恋愛模様を穏やかな雰囲気の中で描き出す作品が揃っています
コメディの賑やかさや、重いテーマ性、高揚感のあるドラマティシズムとは概ね無縁の作風でありつつ、恋する男女のごく普通の日常の中で繊細に揺れ動く心情を柔らかく表現することで読み口の良さと、奥行きを感じつつ読みこんでいける読書感を形成しています。
 登場人物、特にヒロイン側のコンプレックスや、周囲との軋轢などをストーリー中で描き出すことがしばしばあるのが作風における特徴ですが、そこを丹念に描写することはなく、好き合う男女の幸福な関係の中でそれらの問題が解決されていく流れも心地良い所。
588b2c57.jpgまた、そういった後ろめたい気持ちや寂しい事実が過去にあったとしても、恋のささやかな幸せを感じられる青春のその時その時の方が大切なものとして描かれており、思春期の少年少女らしい等身大の前向きさを朗らかさを以て描出しています(←参照 “過去”より“今” 中編「もしも、初恋が叶っていたら」第4話より)。
 これに対して、先ず双子の妹が学園の女教師とレズセックス、後編で兄の方が女装して同じ相手とセックスする連作「空蝉」は、妖しげな雰囲気を漂わせながらセックスに興じ、相手を魅惑する双子兄妹を描いており、快楽への耽溺の美しさと背徳感が色濃く漂う作品。
 共に抑制の効いた作劇であり、しっとりとした感情表現で魅せることは共通していると言えますが、少年少女の瑞々しい純粋性で魅せる作品と、彼らの不可知の奥底知れ無さを醸し出す作品で、それぞれ異なる魅力を有していると評し得ます。

【丁寧な作画で魅せる等身大の可愛らしさの思春期ガールズ】
 連作「空蝉」では20代半ばと思しき女教師さんがヒロインとして登場していますが、その他の作品は男女共に思春期を生きる高校生達で統一。
おっとりガールやちょっと男っぽいスポーツガールなど、ある程度の属性付けはするものの、漫画チックなキャラメイクをすることはほとんどない作風であり、ごく普通の女の子として描く分、恋の喜びや性の高揚で彼女達の魅力がグッと引き立つタイプとも言えるでしょう。
 また、野郎連中に関しても気持ちの良い登場人物が多く、思春期らしく性欲も旺盛でありつつ、それを前面に出すことはない好青年達であり、加えて女の子をあるがままに受け入れることで幸福な関係性が出来上がっていくのも作劇の心地良さを支えています。ただ、連作「空蝉」に登場する双子に関してはある意味でそれらとは真逆に超越的なキャラクターとして存在しています。
4172bd0a.jpg 肢体造形面においても、現実的なボディデザインであることや並乳がメインであることが示す様に、セックスアピールを強く主張するタイプではありませんが、個性付けがそれぞれに為されており、ちょっとぽっちゃりした食いしん坊さんや、締まった肢体のスポーツガール(←参照 ウェストラインの締まり方が絶妙 短編「午後は、紅茶より館コーヒーで」より)、背の高い女の子、美しい銀髪と均整の取れた肢体の美少女などが登場。
身長の高さやちょっと筋肉質なボディ、もちっとした体型などは、彼女達のコンプレックスであったり周囲からの陰湿なからかいの対象であったりするものの、それらの要素を魅力あるものとして主人公の少年が捉えることで、彼女達の救済と性的魅力の明示化につながっているのも特長
 背景や衣装、髪の毛など細部まで丹念に描き込む高密度なアナログ作画は、それでいて重さを感じさせておらず、時に健康的な快活さが、時に静謐な妖艶さが滲み出る表現力の高い絵作りが大きな魅力となっています。

【徐々に高まるセックスの熱気や高揚で魅せるエロ描写】
 思春期のボーイズ&ガールズにとってはセックスそのものが恋愛における一大イベントであることもあって、シナリオラインと剥離することなくエロシーンが織り込まれており、そのため分量的にも十分となっています。
 連作「空蝉」では女教師とのレズセックス&兄が女装してのセックスという妖しげなエロシチュエーションを用意したり、青春恋愛譚の短編群でも野外エッチや教室での羞恥系シチュエーションといったエピソードもありますが、後者においてはシチュエーションそのものはさほど重要ではなく、互いを求めあう真っ直ぐな気持ちがその場で行為に至る程高まったことにこそ重点があると言えるでしょう。
 前戯パートでのフェラチオから口内射精といった前戯パートでの射精シーンを投入することもありますが、じっくりとした愛撫から挿入、射精に至るまでの流れを滑らかに展開させていく1回戦仕様が基本と言え、爆発的な盛り上げには欠けますが、煽情性の確かな蓄積はフィニッシュシーンでの実用性を底上げしています。
行為として特殊なことはほとんどしない一方、服の上からやや熱くぬめった秘所への直接の接触などの感触表現の淫猥さや、肩から腰に至るまでのしなやかなボディラインの美しさとそこを舌でなぞるなどの少々フェティッシュな行為などを絡めることで、単調にならない構築となっているのは○。
YourCharacter4.jpg また、演出面も控えめであることはこの作家さんの大きな特徴であり、露骨な結合部見せ付け構図や派手な表情変化、擬音・台詞の乱舞などはほとんど用いない一方、興奮と羞恥、快楽が入り混じった感覚にきゅっと瞳を閉じて堪える表情付けや、切れ切れに漏れ出す喘ぎ声、柔肌をしっとりと濡らす汗や涎、愛液の表現といった演出で確かな熱っぽさをエロ描写中に高めていきます(←参照 短編「友達が少なくても良い理由」より)。
 レズセックスでの貝合わせ同時絶頂フィニッシュや妊娠を避けるために外出しぶっかけといったケースも存在しますが、前単行本以降は中出しフィニッシュ比率が高く、力強いストロークでありつつヒロインと波長を合わせたピストン運動から膣内射精してヒロインも絶頂の快楽に包まれる痴態を大ゴマで表現しています。

 シナリオ・エロ共に派手さや強いキャッチーさは無いものの、共に味わい深さがあり、作劇の方向性如何を問わず重過ぎることも軽過ぎることもなく、程良い読み応えと実用性がバランス良くまとまっているのは流石上手いなと感じます。
個人的には、今の幸せをちゃんとかみしめる二人の姿が愛おしい中編「もしも、初恋が叶っていたら」と、ほんわか関西弁娘な先輩ヒロインが可愛らしい短編「友達が少なくても良い理由」が特にお気に入りでございます。