
“アブない”ギャグで突っ走った作品でしたが、風刺や皮肉もまた創作物の源泉でもあることを改めて面白く感じさせてくれたアニメ化でしたね。
さて本日は、まるキ堂先生の『劣情の穴ぼこ』(ワニマガジン社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『制服メスブタ痴帯』(ティーアイネット)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
ドM美女達が淫臭むせ返る汁ダクファックの中で狂乱の痴態を曝け出す濃厚なエロ描写で魅せる1冊となっています。

収録本数が多い一方、1話・作当りのページ数は16~18P(平均16P強)とコンビニ誌初出としては概ね標準的ながらこの作家さんとしてはかなり控えめな部類。必然的にシナリオ的な読み応えには乏しい傾向にありますが、ハイカロリーなエロの満腹感は十分に強く抜きツールとしてしっかり機能しています。
【ラブコメ系もありつつ強烈な快楽欲求系がメイン】
元々はアブノーマルなエロをがっつり投入するマニア系作品に強みを発揮していた作家さんであり、現在でもそちらの作風を維持させつつもコンビニ誌ではよりライト指向の作品にも順応しており、今回は後者寄りのスタイルがメイン。
素直になれない女の子との適度に甘く優しいラブコメディといった如何にもコンビニ誌エロ漫画といった作品も3本程度投入されていますが(短編「告リさん!」「歳末大セーックス」など)、凌辱的な暗さ・痛さは排しつつも妖しく淫らな雰囲気を作り出すことで、エロの濃度を上げる作劇をしっかり機能させた作品の方が本数的に主力を担っています。

男性がいなければ満たされぬ願望を有しながら、その底の無さの故に、彼女達は男性の手にとって余りある存在でもあり、彼女達を徹底して調教した後にヤリ捨てていた連作の主人公のぼやきや、性欲旺盛な人妻さんを寝取られて捨てられた短編「愛妻ねっとり」の旦那が示す通り、各作品で描かれる倒錯の狂宴は彼女達のために用意されているとも言えるでしょう。
インモラル系の作品では快楽の虜になって隷属エンドというタイプもあれば、あっけらかんとしたコミカルオチというタイプもあり、また青春ラブコメ系ではエロの濃さを程良く中和する微笑ましいラストとなっていたりで、まとめ方の方向性はある程度幅がありますが、快楽至上主義的な要素は濃淡の差こそあれ共通していると感じます。
ページ数も関係もあって、問答無用でエロシーンに駆け込む様な構成になってしまっているため、展開としての面白さにはやや欠けますが、それをあまり苦にしないキャラクター設定になっているのが美点であるとも言えるでしょう。
【マッスたっぷりの巨乳&巨尻&太股な強気ヒロインズ】
女子高生級と思しき美少女さんも複数名登場しつつ、コンビニ誌の制約もあってヒロイン陣の中心となるのは女子大生な娘さんと20代半ば程度の人妻ヒロイン達。

また、女体描写においてはテカテカと妖しい艶を魅せる柔肌の下にお肉をたっぷりと詰め込んだ巨~爆乳、同等に重量感のあるヒップにむちむちの太股と、全体的にボリューミィなグラマラスボディを特色としています。
これまでどちらかと言えば等身をやや抑え目にして、強い肉感である故にぽっちゃりとした印象もあるボディデザインだったのですが、近作においては等身を上げて乳尻最優先のピーキーさは美点として多少残存させつつも、肢体全体の均整がより明確になった印象があるのは訴求層を広げる上で奏功している印象。
また、大粒の乳首や淫蜜を絡ませつつグニグニと蠢く膣の媚肉、泡だった唾液を乗せて絡み合う舌など、粘膜描写の淫猥さも肢体描写における特徴であり、だらしのない柔らかさを感じさせる肢体全体と併せて煽情性の基盤を担っています。
初出時期にある程度開きがあることに加え、掲載誌を考慮して初期には控えめにしていたのか、タッチの変遷はかなり明瞭であり、近作においてはトーンワークやペタなどの濃さが初期に比べてかなり強まっています。よって、統一感という意味では弱含みではありますが、同時にライト指向なラブコメ系と、ほの暗さを重視するダーク系で絵柄の濃淡を使い分けている故でもあるため、単純に短所とも言い切れないかと思います。
【猛烈な陶酔感を演出する過激で濃厚なエロ演出・エロ作画】
前述した様に、各作品のページ数は多く無いため、たっぷり長尺のエロシーンとは言い難いのですが、前述のように欲望任せでのセックス突入によって分量を確保し、抜き所を複数設けたエロ展開を可能としています。
ケースバイケースではありますが、尺の都合もあってどちらかと言えばピストン描写に重点を置く構成となっており、ヒロインの柔らかボディとその性感帯を愛撫したり、ち○こに愛おしい表情を浮かべてご奉仕するフェラ・パイズリ描写などにはある程度の存在感はありつつ、尺はやや短め。
と言っても、描写のねっとりとした印象は前戯パートから形成されており、ウィークポイントを攻め立てられて秘所からたっぷりと愛液を潤滑し、柔肌もじっとりと汗ばむ状態になってから抽送パートへと移行。
“気の強い女性はアナルが弱点”というエロ漫画的黄金律に従ってか、アナルを性感帯とするヒロインが多いため、アナルセックスの投入や前穴に挿入しながらのアナル責めなども投入。この手数の多さは特徴の一つであり、舌を絡め合うキスやスパンキング、乳首弄りや脇舐めなどのサブプレイを絡めることで、尺の短さを補おうとする意図が感じられます。

アナルの処女を奪った後に前穴の方も頂いたり、素股でぶっかけた後にそのまま挿入して中出しといったピストンからの射精を2段構えで投入することも多く、やや早漏展開気味ではありますが、前戯パートでのぶっかけやヒロインの絶頂描写なども含めて抜き所を多数散りばめた構築となっているのも嬉しいところ。
殊に近作では絵柄面での更なる成長が見てとれ、ヘビィネスを重視して濃厚な画を作りだしつつ程良くキャッチーネスが乗っているのは○。もうちょっと長尺でエロシーンを楽しみたいとは思いつつ、ヒロインの痴態描写を迫力満点で魅せる抜きツールと言えるでしょう。
個人的には、クール美人な美女とのエロ勝負に打ち勝ってその前後の穴の処女を頂く短編「なるほど・ア・ナールホド」と、我儘でキツイ性格の先輩が馬鹿にしている後輩君にガンガン征服されてしまう短編「発情センパイ」に愚息が大変お世話になりました。