MakeSisOnaHole.jpg『恐怖と混沌のクトゥルフ神話 ビジュアルガイド』(笠倉出版社)を読みました。触手邪神なエロお姉様で表紙絵こそ萌え解説本っぽいですが、中身は結構硬派で体系的な解説になっておりお勧めしたい1冊。
殊に“関連作品紹介”の充実度は素晴らしく、メジャーどころはしっかりと押さえつつの、まさかの『るくるく』まで紹介するとは奮ってますなぁ。


 さて本日は、秋神サトル先生の『つくろう!オナホ姉』(ティーアイネット)のへたレビューです。なお、“野晒惺”名義での前単行本『覗姦愛』(一水社)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
ツンツン巨乳お姉ちゃんを籠絡してハードなセックス塗れ&それでもハッピーエンドな快楽全能主義の1冊となっております。

MakeSisOnaHole1.jpg 収録作は、親子3代に渡る双子姉弟(&兄妹)の近親エッチ三昧の顛末を描く三連作(←参照 姉を襲ってしまう弟(二代目) 三連作第1話「双子の淫らなパラドックス」より)+初代のセックスを描く描き下ろしフルカラー掌編4P、および読み切り形式の短編2作+全作品のカップル大集合で乱交結婚式の描き下ろし短編13P。
描き下ろし作品2本を除き、1話・作当りのページ数は30~46P(平均37P強)と本数の少なさをカバーする大ボリュームで安定。そのボリューム感の強さは大半がエロの分量に割り振られており、シナリオ控えめエロ多めの抜きツール的構築を保っています。

【快楽全能主義の暴風が吹き荒れる近親エロ縛り】
 全作品が姉弟、もしくは兄妹の近親相姦エロで統一されており、そこらの背徳感はシナリオ面で一定の重要性を持つものの、基本的には快楽全能主義的な作品構築。
MakeSisOnaHole2.jpg 基本的には生意気な性格の妹や気の強い姉を、性的快楽によって蹂躙し、タイトルにある通りに“オナホ”的な立場へと落としていく展開が目立つため、ラブラブ感は希薄で嗜虐性の強いスタイルであるのは間違いないでしょう(←参照 生意気バツイチ妹を徹底調教 短編「バツイチ妹にご用心」より)。
もっとも、レイプ的な展開や催眠術を(表面上)利用してのエロ導入などもありつつ、実は互いに好き合っている仲であるということをヒロイン側の台詞で表現することで、暗さや重さは抑制する傾向にあるのは、快楽全能主義らしいポイント。
 禁忌を犯した様で、実はその両親も近親相姦の関係にあり、更に生んだ双子の兄妹がやはりエッチに励みまくりな三連作はその好例であり、背徳感をスパイスとしながらも作中において彼ら彼女らの行為を血縁者が追認せざるをえない状況にあるのは、話が暗く沈まない要因となっています。
生意気妹調教エロの短編「バツイチ妹にご用心」が最も嗜虐性が強いと言えるものの、この作品も描き下ろし後日談で恋愛関係の結実に落着させており、ある種の“救済措置”は徹底して投入されています。
ここらは、悪く言えば中途半端さでもあるのですが、“血は水より濃い”という美徳を十全に生かした作劇でもあり、そこをストーリー面で重視することはあまりない一方で、抜きにスムーズに没入できる様に設計されていると言えるでしょう。

【等身高めのスレンダー巨乳なツンツン美少女・美女達】
 シチュエーションの関係もあって、全ヒロインが近親ヒロインであり、姉もしくは妹さんで統一。ただし、年齢層は比較的幅広く、ハイティーン級を中軸にしつつミドルティーン~20代前半程度と思しき女性キャラクター達が登場。
お兄ちゃんを一途に慕ってセックスをオネダリする妹ヒロインも登場する一方で(三連作第3話「最近の双子の妹は積極的」)、気の強いツンツンした美少女・美女がこの作家さんの描くヒロインの真骨頂。
 当初は男性主人公側の無理矢理なエロへの導入に抵抗を示すものの、徐々にその背徳の快楽に溺れると共に、その反抗的な態度の裏にあった好意を自覚して望まれるままに変貌していく様が調教エロにしろ、恋愛エロにしろ作劇の骨子を形成していると言えます。
 年齢層にある程度幅があるため、ロリっぽさのある妹系美少女さんと、キリッとした色気のある年上美少女さんでキャラクターの雰囲気は異なりますが、概ね等身高めでよく締まったスレンダーボディに張りのいい巨乳を組み合わせたゴージャスボディで概ね統一。
MakeSisOnaHole3.jpgなお、この作家さんと言えば、妊娠してのボテ腹化が売りの一つであり、三連作ではメインヒロインの麻奈お姉ちゃんがボテ腹化したり(←参照 三連作第2話「終りなき目合い」より)、描き下ろし後日談では各ヒロインがボテ腹状態でウェディングドレス姿になったりしていますが、本編では元の体型を維持させることが基本となっています。
 商業進出初期にはややラフさが目立つこともあったものの、今単行本ではこなれた感が強く、良い意味でのクセを残しつつ、オーソドックスな二次元絵柄で安定。コミカルタッチなデフォルメ絵など、絵柄に自由度が生きてきたのも地味に評価したいポイントです。

【過激なエロ演出を連発するハードコアなエロシーン】
 前述した様に各話の大ボリュームは概ねエロシーンの尺の増加に大きく貢献しており、複数のシークエンスを投入して爛れた関係が延々と続く様を作品構成においても明確に提示しています。
 妹ヒロインが積極的に性行為をねだる甘エロシチュエーションもありますが、姉や妹を拘束しての凌辱的展開や、表面上は催眠調教を装う攻撃的なシチュエーションを投入することも多く、快楽を以て強気なヒロイン達を籠絡する嗜虐性を喚起。
近親相姦の背徳感をスパイスとして生かしつつも、むしろそこらの対外的な要素を取っ払った上で、肉の快楽が全てを超越して行く強烈さに重きが置かれており、特にエロ演出の過激性が現実から遊離する様な快楽の猛烈さを生み出しています。
MakeSisOnaHole4.jpg 虚空に舌を突き出し、白目を剥いて白痴系エロ台詞を撒き散らすアヘ顔描写がエロ演出面での最たる要素であり(←参照 短編「素直が一番・・・きもちいいい!?」より)、リアル寄りの淫猥な性器描写を生かした結合部アップ描写や断面図などの迫力豊かな描写も見事。
ただし、個々の演出が強烈であるにも関わらず、それらをとかく詰め込む画面構築に硬さがあり、肢体描写にしっかり存在感がありつつも、視線誘導のスムーズさがなく、何処に重点があるかを一見してつかみ難いのはページをめくっていく流れを阻害する難点でもあります。
 尺の長さを生かして射精シーンは前戯パートでのソレを含めて多数用意された複数ラウンド制となっており、特にフィニッシュシーンでは2P見開き投入で強力なインパクトを誇る構図を用いて、中出し絶頂フィニッシュをパワフルに描いています。

 近親エロでハードファックという攻撃性を十全に生かしつつ、キャラクターの魅力でも読み手の性欲中枢を刺激してくる構築は頼もしいところ。前述の“救済措置”は好みが分かれるかもしれませんが、安定感が増した故とも言えるでしょう。
個人的には、バツイチ出戻りな生意気妹をがっつり調教な短編「バツイチ妹にご用心」に愚息が最もお世話になりました。