AsSecret.jpgTVアニメ『TARI TARI』第5話「捨てたり 捨てられなかったり」を観ました。和奏が母の死で何故音楽を止めてしまったかはここまで伏せられていましたが、その悲しい事実が明らかになった回でした。
その後悔を引き摺っている彼女にとっては、コンドルクイーンズから受け取った手紙は相当に胸に痛かったでしょうね。彼女はいったい何をキッカケとして共に在る音楽と融和し直すのでしょうか。

 さて本日は、鶴田文学先生の『ヒミツノ』(茜新社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『花ひら蕩ろり』(コアマガジン)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
穏やかでありつつ妖しさを香らせる作劇と儚げな美少女が快楽に飲み込まれていく痴態描写が取り揃えられた1冊となっています。

 収録作はいずれも読み切り形式の短編で10作。1作当りのページ数は16~22P(平均20P強)と標準的なボリュームで概ね安定しています。
エロとシナリオをバランス良く配置しつつ、味わい深さのある作劇でしっかりとした余韻を形成しており、コンパクトの構築ではありつつもページ数以上の読み応えがあるタイプと言えます。

【丁寧な作劇で魅せる妖しくしっとりとした各種作劇】
 思春期を生きる少女達との性愛を描くという点では全作品共通しているものの、作品の方向性は様々であり、嬉し恥ずかし青春ラブ系から少女が快楽に抗えずにその肢体を嬲られるままとなる痴漢凌辱エロまで様々。
ただ、この多彩な作劇の中で、イージーゴーイングなラブコメ・エロコメ系の作品はほぼ無く、いずれの作品も繊細な語り回しで性愛の喜びや逆にほの暗さをじわじわと高めていく様な作劇を特長としています。
 兄と妹の近親相姦や、置かれた状況からなし崩し的にエッチへと進展する様な、スリル・背徳感のあるシチュエーションも多く、例え雰囲気として陽性であっても、軽く流すことをせずに読み手の精神にじんわりと沁み込んでくる妖しさや倒錯感を十分に含ませているのが作劇上の巧さでしょう。
3062f97b.jpg 年下の少女に弱みを握られ、微笑みながら各種性行為を強要してくる少女を描く短編「コウソク」などが代表的ですが(←参照 なにが“終わって”しまうのか 同短編より)、登場人物の感情や人間関係などの判断を読者に委ねる作品も多く、前述の作品であるならば少女に拘束され続けることを倒錯的な幸福と見るのか、破滅を孕んだ危うさと見るかは読み手によって異なるでしょう。
 読者の好みによっては少々クドサを感じる要素かもしれませんが、登場人物のモノローグによって状況や心情を“語らせる”ことで明暗それぞれの雰囲気を高めていくのも魅力の一つでしょう。
 悪く言えば、快活さやキャッチーさに乏しい作劇ですが、話のオチでもう一段の面白みを付与する作りなども含めて技巧的なシナリオワークで魅せており、短編群でありつつもストーリーの存在感がきっちり生きているのが強みです。

【奥行きのあるキャラクター描写で魅せる少女像】
 多少上下に振れ幅があると思いますが、ヒロインの年齢層はロー~ミドルティーン級の思春期少女達で占められており、妹キャラクターなども含めて男性主人公より年下の女の子がメイン。
71527654.jpg 男性キャラクターの性欲に押し切られて無理矢理にセックスへと流されていく、読み手の嗜虐性を刺激する“か弱い”少女達も少数存在する一方、蠱惑的な微笑みを浮かべながら男性を行為に誘惑してくる少女達も存在し(←参照 寝ている恋敵の姉を尻眼に誘惑 短編「マケナイ」より)、妖しく退廃的な雰囲気の形成に大きく寄与しています。
彼女達の“真意”を終盤付近でちらつかせることで、キャラクター性に奥行きを持たせているのも特徴的であり、明確なキャラクター属性に依存した単調なキャラクター造形とは一線を画すタイプ。男性にとって、理解し難い故に逃れ難い魅力を有する“少女像”が徹底されたヒロイン達とも評し得ます。
 また、キャラデザイン的には狙って地味系にするタイプであり、艶やかな黒髪や清楚なセーラー服やワンピースを組み合わせた容姿は何処となく懐古的な美しさのある少女キャラクターといった印象。
bf5f26f4.jpg もちもちの質感なたっぷりおっぱいを持つ女の子もいますが、ヒロイン陣の主力となるのは膨らみかけバスト~掌に収まる並乳クラスを有する成長途上の思春期ボディであり、明確なロリっぽさはない一方で、成熟した肉感ともやはり無縁なタイプとなっています(←参照 目隠しプレイ中の彼女さん 短編「スエゼン」より)。
 素朴な可愛らしさを重視することもあれば、年不相応な色香を香らせることもあるため、絵柄の印象がやや安定しない印象はありますが、オールドスクール寄りではありつつ繊細な描線で魅せる漫画絵柄そのものは安定しており、表紙絵ともほぼ完全互換というのは安心材料。

【じわじわと陶酔感の高まりを演出するエロ展開】
 バランスの良い構築でエロシーンの尺を十分に設けつつ、決して長尺でも過激性の強い要素を連発するわけでもない一方で、話回しで高めた雰囲気の濃度を活かして熱気を感じさせるエロシーンの空気はしっかりと濃厚。
 痴漢エロやなし崩し的な凌辱風味、逆に年下の女の子に組み敷かれる被虐系プレイなど、特殊なシチュエーションを設けることもしばしばあり、これらのケースでは前述したモノローグや台詞が効果を発揮して倒錯的な雰囲気を醸し出しています。
恋愛セックスにしても、前述の凌辱的なシチュエーションにしても、ヒロイン側に欲望を誘いだされた男性側が主導権を握ることが多く、彼女達の性感帯を弄り抽送へと踏み込んでいくことでエロシーンのシークエンスを形成。とは言え、それらはヒロイン側の“計算通り”であることも多く、精神的な優位性をヒロイン側が終始握るケースも目立ちます。
650b41b6.jpg ねっとりとしたフェラチオからの口内射精や、オナニーからのお尻ぶっかけなどを投入して前戯パートに抜き所を設けた上で、抽送パートに突入し、派手な表情変化こそ押さえつつ、身を焼く快楽にくたっと弱った女体と羞恥心や抵抗感が蕩け切った官能の表情を曝け出す痴態を連続させることで、行為への没入感を形成(←参照 短編「ツイオク」より)。
 性器アップ構図や結合部の見せ付け構図など、アタックの強い画作りも意識されていますが、個々の描写に強い攻撃性や淫猥さがあるタイプではあまりなく、行為の進展や台詞・モノローグの文字的表現で徐々に煽情性を積み重ねていくスタイル。悪く言えば、少々地味なタイプでここぞの盛り上がりには欠けるタイプでもあるのですが、流れの良さで魅せるタイプなのは間違いありません。
ヒロインの膣内にたっぷりと白濁液を中出しする様を大ゴマ~1Pフルで描き出しつつ、その後に秘所から白濁液が零れ落ちる様子や深くつながり合いながらキスを交わすシーンなどを追加して余韻を十分に取るフィニッシュシーンとなっており、ここでは迫力を一定程度重視しつつやはり巧さで魅せるスタイルとなっています。

 どちらかと言えば玄人好みするスタイルであり、表面的な派手さや強烈さはない一方で、じっくり読めばその分エロさもシナリオ的な面白みも深まっていくタイプと評したいところ。
個人的には、セーラー服美少女が大人達に抗えずに痴漢行為にはめられていく短編「ハジメテ」と、妖しげな雰囲気とラストの鮮烈な切り返しが見事な短編「マケナイ」が特にお気に入りでございます。