FXXkMePlease.jpg田丸浩史先生の『ラブやん』第17巻(講談社)を読みました。あまり色恋沙汰に縁がなさそうと思っていたデーボ君が熱烈な恋愛を経験する一方で、メイン二人の安定の夫婦っぷりといいましたら。早いトコ結婚しちゃえばいいと思います。
最近あまり活躍していなかった黒白ロリコンビが久しぶりに元気な姿を見せていましたが、二人とも男の好みが結構ズレておりましたなぁ。

 さて本日は、行方ふみあき先生の初単行本『・・・やって!』(一水社)のへたレビューです。初単行本、大変楽しみにしておりました。
多彩なヒロインとシチュエーションで魅せるエロ描写が詰まった1冊となっております。

 収録作はいずれも読み切り形式の短編11作。1作当りのページ数は10~22P(平均16P)と幅はありつつも平均すれば控えめの部類な分量となっています。
シナリオ・エロシーン共にページ数相応の読み応えであり、たっぷり長尺と言い難い一方でコンパクトにまとめた安定感があります。それぞれの趣向において読みのスムーズさがあり、かつ実用的読書にも十分に没入できるのも構成上の美点。

【それぞれの方向性において王道的魅力を有する多彩な作劇】
 作劇の方向性はかなり多彩であり、素直になれない幼馴染の男女の王道ラブコメや賑やかなエロコメ系から、女教師調教エロや旦那の特殊性癖により他の男に抱かれる人妻さんのお話といったダーク&インモラル系までが登場。
とは言え、前者の明るいラブコメ・エロコメ系統が本数的には主力であり、ヒロインのキャラクター性をしっかりと立たせることでシナリオ・エロの魅力を形成しています。
FXXkMePlease1.jpg また、年上の女性と年下の男性のカップリングが多いのも特徴であり、いわゆる“オネショタ”ものも多数投入。このタイプでも、Sなショタボーイが主導権を握って年上美人を籠絡するタイプと(←参照 クール系メガネ女教師がSショタの餌食に! 短編「僕の好きな先生」より)、エロエロお姉さんにショタっ子が優しく翻弄されてしまうタイプが存在しています。
 作品の方向性に関わらず、キャラクター設定に合わせた王道的な展開を取っており、強い新規性や特殊性がない一方で、理解し易く、滑らかな読書感を保ったままヒロインの魅力やエロの熱っぽさを安定して堪能できるのは大きなアドバンテージでしょう。
“漫画をあまり読まなかったし描くことにも興味がなかった”と意外なコメントをあとがきにて記していますが、これが本当であるならば、既存のフォーマットをごく素直に踏襲することで作劇の盤石さを生み出せているのかもしれません。
FXXkMePlease2.jpg 微笑ましい青春ラブコメを中心に、実に甘く優しいハッピーエンドも魅力の一つであり、コミカルなギャグオチを設けつつもエロシーンの後にニヤニヤできる恋愛描写を配置しているのもなかなかに素敵(←参照 またストレートに良い台詞 短編「走れ正直者」より)。これに対して、ダーク系ではじわりと狂気を滲ませるラストシーンを投入しており、描き分けもしっかりしているという印象があります。

【個々にキャラの立った美少女さんとアダルト美女を投入】
 ヒロイン陣は大別してミドル~ハイティーン級の美少女さんと、20代半ば~30歳前後と思しきお姉さん・美熟女さんタイプとで構成されています。
ヒロインの設定が多彩である分、男性キャラクターとの関係性も様々であり、腐れ縁で幼馴染な少年少女、ママさんと息子のショタボーイ、美人先生と初心な教え子、零落した名家のお嬢様と彼女にお仕えする少年、特殊な性癖で結ばれている夫婦などが登場。
 前述した様に、ヒロインのキャラクター性の立たせ方が非常に上手く、ツンデレさんやエロエロママン、クールな性格のお姉さん、真面目な馬鹿正直ガールに暴走乙女、倒錯的な性癖と旦那の愛情の板挟みになる貞淑な人妻さんなど、割合に王道的なキャラクター造形をしつつ、感情表現の良さなどもあって個々にしっかりとした魅力があります。
縦セタでメガネの堅物クール女教師、ベリショートのスポーツ少女、地味な服装と肉感ボディの組み合わせが強力な人妻さん、金髪ウェーブヘアのお嬢様ヒロインなど、多彩なキャラデザイン面でも個々に方向性がはっきり打ち出されているのが○。
FXXkMePlease3.jpg おっぱいサイズには貧乳寄りから巨乳まで幅はあり、肢体全体に柔わらかお肉を十分量まとわせた健康的モチモチボディを中心としつつも細身のスレンダーボディも組み合わせたり、ちんまいロリ系美少女さんも投入したりとこれまた様々(←参照 肉感ボディだけでなく唇の艶っぽさにも注目されたい 短編「勧善懲悪」より)。いずれにしても、柔肌のしっとり感やお肉の柔らかい質感はしっかりと出ており、また妖しく濡れ光るリップや艶やかな黒髪、ほぼ標準搭載の陰毛、愛液に濡れる媚肉や存在を主張する淫核など、個々の体パーツで肢体描写の官能性を高めているのも評価したいポイントです。
 初単行本ということもあって多少のタッチの変遷はありつつ、くっきりとした主線を持ちつつ丁寧に描き込み、華やかさとキャッチーさを併せ持つ絵柄は間違いなく大きな武器。個人的には、けろりん先生の絵柄の方向性に非常に近いと感じます。

【構図・ポージングの上手さと程良い演出の強さで魅せるエロ描写】
 シナリオ回しが安定していることもあり、エロシーンへの導入はスムーズ。このため、たっぷり長尺とは言えませんが、抜きに供するには十分なボリュームを確保しています。
ダーク&インモラル系においても、ラブストーリー系にしても、エロ描写としてしっかりアタックの強さを打ち出しつつ、男女の関係性の進展や変化を台詞のやり取りを介して濡れ場の中にしっかりと盛りこんであり、程良い嗜虐性を打ち出したり、恋愛の幸福感を漂わせたりすることで、エロのエネルギー感を強化しているのは一つの美点でしょう。
 ヒロインのたっぷりバストを指や舌で味わったり、逆にヒロイン達のち○こへのお口ご奉仕を楽しんだりと、ある程度手数を投入する前戯パートにもバランス良く尺を取っており、ヒロインのお口に中出ししたり、顔にかけたりで1回目の抜き所を投入。
 男性側は勿論のこと、ヒロイン側もこの段階でエロスイッチが完全にオンになっていることが多く、淫液に濡れ光る秘所を自ら開帳して挿入を誘ったり、自ら肉棒に跨って挿入したりと、これまた円滑に抽送パートへ移行してパワフルなピストン運動を展開していきます。
FXXkMePlease4.jpg絵柄の由来する艶っぽさや素朴なキュートネスがあるため、エロ作画においてもそれを殺すことないのですが、それでいてしっかりアタックの強いエロ演出・作画を多数投入。脚の指先まで緊張感を持たせた肢体描写は、大股開きなどの露骨なポージングにえげつない煽情性を生んでおり(←参照 指先や脚先の描写の妙 短編「フラグクラッシャー真紀」より)、うるさくならない程度に投入する透過図や擬音や描き文字でのエロ台詞などを絡めて、適度に密度の高いエロ描写を連続させています。
 おねショタ系を中心として、男性の肢体に一定の存在感を持たせたエロ描写がある程度認められ、女体の柔らかさや肢体の密着感の表現に貢献。なお、基本的にはヒロインの痴態とエロティックな各種体パーツをたっぷり魅せる構成なので、男性の肢体描写の連続を好まない諸氏も安心されたし。

 それぞれの方向性において盤石の魅力を有している分、いずれか特定の方向性に統一して欲しい諸氏にはやや減点材料もあるでしょうが、雑食派の諸氏には非常に面白く、また使い易い1冊。おねショタ系を一つの軸にして欲しいですが、是非色んな方向性にチャレンジして欲しい作家さんですね。
いずれの作品も大好きですが、ベリショなスポーツ少女も含めて多数の美少女・美女にエロ的お仕置きを受ける短編「勧善懲悪」と、クールなメガネ美人教師をショタ少年がねっとりエロ調教な短編「僕の好きな先生」が個人的には特にお気に入り。お勧め!