FallingLadies.jpgTVアニメ『TARI TARI』第2話「集ったりあがいたり」を観ました。2話にして正統派な熱血青春模様を力強く描き出しつつ、穏やかさもまたしっかり保っているのが素敵でした。
あと、教頭先生に続き、第2の美熟女・沖田ママンの登場!ショタメガネ・誠キュンのサービスシーン(?)は2話連続だわで、多方面の属性に配慮したキャラクター配置と言えるのではないでしょうか!(血走った目で

 さて本日は、成島ゴドー先生の『オチルオンナ』(ティーアイネット)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『オルガスムス依存症』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
人間模様が複雑に絡み合う緊迫感のあるドラマの中で寝取られ展開とハードなエロ描写がヘビィな1冊となっています。

FallingLadies1.jpg 収録作は、社内恋愛禁止の規則に反して有能な先輩である女性と交際していたことが嫌味な部長に露見して二人に降りかかるピンチな三連作「貴方の為ならば…」前中後編(←参照 部長に脅迫される年上美女な彼女さん 同連作中編より)、優秀な兄へのコンプレックスもあって家族の中で孤独感に苦しむ主人公が兄嫁を寝取ろうとするもその後事態は意外な方向へ~な中編「禁忌遊戯」全4話、および読み切り形式の短編2作。
1話・作当りのページ数は16~32P(平均25P強)と幅はありつつ中の上クラスのボリュームで推移。続きモノとして十分な読み応えを持たせつつ、エロのボリューム感も十分に強く、総じてバランスの良い構築と言えるでしょう。

【愛憎入り混じる複雑な人間関係で魅せる寝取られエロ】
 ブラックジョークも含んだ凌辱寄りの短編「世直しのススメ」、およびエロエロお姉さんを投入しての快楽全能主義的な艶話の短編「OL花沢の生態」で作風に幅を持たせつつ、残りの中編2作はタイトル通りに“寝取り/寝取られ”を主題とした作品となっています。
 寝取られ系作品は、基本的には女性を寝取る男性と寝取られる男性、そしてその間に位置する女性キャラクターの3点において構成されるものですが、両中編において面白いのはこの3点に更に別の立ち位置のキャラクターを配して、より複雑な人物関係を描くスタイル。
中編「貴方の為ならば…」では、愛する女性を卑劣な手段で上司に奪われた主人公が、逆に上司の妻を手籠めにして復讐しようとしたり、中編「禁忌遊戯」では主人公にとっての“家族の在り様”を兄嫁との関係において救済しつつ、兄嫁の家庭における複雑な愛憎へと描写を移したりすることで、物語が停滞しない緊張感を生み出しています。
FallingLadies2.jpg TI移行後ではハード&ダークな愛憎劇を作劇によく用いていましたが、今単行本の中編「禁忌遊戯」は、冒頭における割とオーソドックスな寝取りエロ展開からの切り替えに意外性があった分、暗く淀んだ雰囲気とその中で対比的に輝く登場人物達の純粋な想いがそれぞれに目立っており(←参照 愛と憎の絡み合う3人の義兄妹 中編「禁忌遊戯」第3話より)、ストーリー面での面白みが十分に感じられたのは嬉しいところ。
また、エロとしての攻撃性を担保する話回しを維持しつつ、堕ちモノとしてバットエンドに直行させるのではなく、弱さや未熟さのあった主人公達も含め、自らの行いにケジメをきっちりと付け、変容したとは言え新たな日常の幸福を取り戻す終盤展開もなかなかに気持ちがよく、多少のご都合主義感を気にさせない爽快さが余韻として残るのは小さくない美点です。
 中編2作は共に十分なページ数はありつつ、それでも色々な要素やシナリオ展開を詰め込もうとした分、読み口の滑らかさ・理解のしやすさという面では難点も抱えてはいるのですが(特に中編「禁忌遊戯」)、その分しっかり読ませる作りでもあり、作品の読み応えに一定の貢献をしているとも評し得ます。

【地味ながらも生々しい官能性を香らせる完熟ボディ】
 “売り”をやっているギャル(死語)が登場する短編「世直しのススメ」が例外的にヒロインの年齢層が低めであり、ヒロイン陣の主力は20代半ば~30代後半程度の美女・美熟女で占められています。
中編「貴方の為ならば…」では、仕事では厳しい女性上司だがプライベートでは優しい交際相手なメインヒロインに、夫の卑怯な行為に巻き添えを食うカタチになりながらストーリー上重要な役割を担うことになる上司の人妻が、中編「禁忌遊戯」では主人公に家庭内で唯一優しく接してくれた兄嫁と、彼女を慕って実家から追いかけてきた義理の妹が登場しており、それぞれの立場がシナリオ面で意味を持つ構成となっています。
 寝取られ展開を含むため、主人公以外の男性、特に悪意を以て接近してくる男性ともセックスをする描写が含まれますが、タイトルに反して彼女達が精神的にも背徳の快楽に堕ちきってしまうことがないのは一つ大きなポイントであり、ハッピーエンドへの回帰を可能にする要因
 肢体造形に関してはやや幅があり、程良い肉付きで等身高めの体幹は共通させつつ、並乳クラスでボーイッシュな印象もある女性も、たっぷり巨乳の肉感熟女も登場しています。女体の肉感を殊更に強調するタイプではあまりなく、程良く現実味のあるエロスを自然に発生させるタイプとも言えます。
FallingLadies3.jpgなお、人妻キャラクターやある程度年齢を重ねた女性が登場するため、エプロンやジーパン、割と大人しいデザインの下着など、生活感を感じさせる衣装を好んで選択しているのも大きな特長であり、前述した肢体の現実味のある生々しい官能性を更に高める効果をよく発揮(←参照 地味系熟女な人妻+エプロンの破壊力 三連作「貴方の為ならば…」後編より)。
 業界期待の新鋭・xxzero先生の手による表紙絵の彩色は訴求力抜群ですが、中身の絵柄との質感と一定の乖離があることは事実で要留意(特に裏表紙はちょっと彩色の個性が出過ぎ)。と言っても、十分な濃さと重さのある絵柄は単行本を通して安定しており、ネオ劇画系とキャッチーなアニメ/エロゲー絵柄の折衷型の絵柄は、クセやアクは有しつつもそれ程読み手を選ぶタイプではありません。

【インパクトのあるなエロ演出とエロ作画の畳み掛けが魅力】
 少なめのボリュームながらシナリオをコンパクトにまとめつつエロシーンの尺を確保する短編作と、ストーリー展開に一定の分量を割きながら、その進展に合わせて濡れ場を十分な分量で魅せる中編作は共に抜きツールとして十分な量的満足感を有しています。
 また、付き合っている男女のラブラブH・彼女さんの寝取られH・主人公による復讐の寝取りレイプと3種のシチュエーションを並べた中編「貴方の為ならば…」の様に、ストーリー展開の多層性や人物関係の絡み合いがエロのシチュエーションの多彩さにつながっているのも今回の単行本における一つのアドバンテージでしょう。
 寝取り/寝取られエロや凌辱的なシチュエーションが多いため、強気であったり気丈であったりする大人ヒロイン達の威勢や矜持を快楽で徐々に突き崩していくという嗜虐性を有しており、特に抽送パートにおいて性感帯を嬲るねっとりとした陰湿さとヒロインを攻略するガツガツとした攻撃性を持たせているのも実用性に大きく貢献。
前述した様に、ヒロイン達が相手に完全に屈服することはないものの、強烈な行為が生む未曾有の快楽に心身を焼き尽くされ、アヘ顔チックな表情や言葉にならない嬌声や悲鳴を連呼する痴態に十分な強烈さがあるのも魅力であり、エロシーンを通じてアタックの強さや欲望の勢いが減衰しないのは◎。
FallingLadies4.jpg 多少コマを詰め込み過ぎるケースもありますが、引きの構図で作画が抜ける弱点を克服し、快楽の仰け反る肢体全体の描写や結合部や表情のアップ描写などをバランス良く入れ込み、派手な擬音や粘膜描写に絡める淫液などの添加で密度の高い画面作りを貫いているのも強みの一つでしょう(←参照 仰け反りポージング+アヘ顔 中編「禁忌遊戯」第4話より)。
前戯パートにあまり分量を割かず、抜かずの中出し2連発を投入する等、抽送パートに強く集中したエロ展開も特色であり、前戯パートにもう少しねちっこさがあっても良いかなと感じつつ、激しくピストンを繰り出していく前のめりな勢いで中出しフィニッシュまで力走するドライブ感は相応に高く評価したいポイントです。

 寝取られエロのフォーマットを出だしにおいて活かしつつ、そこからオリジナリティのある作劇に切り替えられているのが大きな強みであり、その流れにおいてダークでシリアスなシナリオ要素がきっちり活きているのは見事。安定感と面白みの両立という意味ではTI移籍後最も優秀な1冊という印象があります。
意外な終盤展開に思わず(作者様すいません)唸らされた中編「禁忌遊戯」も魅力的ですが、個人的には美熟女ヒロインが共に魅力的な中編「貴方の為ならば…」に雑誌掲載時から愚息が大変お世話になりました。