IncludingMe.jpg原恵一郎先生(協力:福本伸行先生)の『ワシズ-閻魔の闘牌』第7巻(竹書房)を読みました。狂気渦巻く“黎明”編がフィナーレを迎えましたが、恒温動物の寄生虫がそんな解決法でいいんですか!
シベリア超特急ネタに監獄ロックならぬ監獄六区は出てくるわと、相も変らぬ“何でもアリ”っぷりは流石の作品。小柴が再登場しましたが、柳&美佐コンビに再登場するかもですね。

 さて本日は、川崎直孝先生の『ついてきます!』(若生出版)のへたレビューです。なお、先生の前単行本(初単行本)『アとエのあいだ』(コアマガジン)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
たっぷり巨乳な女の子達が強烈な性的快楽の中をそれぞれのカタチで駆け抜ける疾風怒濤の短編集となっております。

IncludingMe1.jpg 収録作は、生真面目で不器用な性格の主人公とその彼女さんとの初エッチを促進させるために別のカップルさんが合同セックスを提案するも、それが意外な方向へと発展する中編「石と紙とはさみ」前中後編(←参照 スワッピングの提案 同中編作前編より)、および読み切り形式の短編7作。
1話・作当りのページ数は18~22P(平均19P)と、コンビニ誌初出として中の上クラスのボリュームで推移。その一方で、ある種の強烈さとスピード感を有するエロ・シナリオであり、ページ数以上に読み応えがあるスタイルが特徴でもあります。

【激しい快楽欲求や感情を共通基盤とする多様な作劇】
 前単行本から約3カ月での新刊となった今単行本は、コンビニ誌初出の作品群ですが、そこにおいて王道的な明るく楽しい王道ラブコメとは一線を画すスタイル。
前単行本において主力となった、アイディアの面白さとハイテンションな勢いで疾走するギャグエロ系も相応の本数が用意されており、男性に性転換する薬を開発したハズが男性の“性欲”だけを身に付ける薬だったために大騒動な短編「平和なエネルギー」や、性豪エロ魔人の主人公のために彼女さんと妹さんが奮闘する短編「3角曜日っ」などはそのタイプ。
IncludingMe2.jpg しかしながら、今回の単行本の収録作はより作風が広いことを示すチョイスとなっており、エロコメ系と思わせて寝取られ系の不穏な方向へと徐々に切り替わっていく上記中編や、お互いに想い合うカップルの少年少女の想いを激しさと共にしっとりとした穏やかさを以て叙情的に描き切った短編「メランポジウム」(←参照 彼女が笑顔の下にため込んでいた涙 同短編より)はそれぞれしっかりとした存在感を示しています。
中編作は男性双方の独占欲や嫉妬が絡み合う“寝取られ”としても解釈可能なのですが、その一方で主人公は別の幸福を確かに得ており、登場する4人にとってハッピーエンドともなっています。寝取られとしてのストーリーの詰め方が強いわけではないものの、むしろ明暗の曖昧さを魅力とするまとめ方となっており、コミカルなオチでまとめるエロコメ系作品とはまた趣きが異なっています。
 “ルール”を順守することを是とする主人公が、むしろそれに捕われない決着に落ち着くこの中編作も含め、いずれの作品にも共通するのは理性や論理を超越して感情や性欲が登場人物達を駆動する描き方であり、勢いの良さということ以上の意味で疾風怒濤(シュトゥルム・ウント・ドラング)な作品群と評したいところ。
 展開のフックが強く、また欲望の暴走が生む破天荒さや攻撃性なども感じられるため、イージー&スムースなラブコメ・エロコメを期待しているともやっとした感覚を覚えるかもしれませんが、そこらのアクやクセを作品構築に魅力として織り込む技量こそが面白さの源泉の一つでもあるでしょう。

【圧倒的な存在感の巨乳・爆乳をお持ちなヒロインズ】
 コンビニ誌における縛りもあるため、ヒロイン陣の主力を担うのはハイティーン級の制服美少女達であり、そこにウェイトレスさんや女子大生程度と思しき20歳前後の美少女さんも加わる布陣。
 暴走乙女や優しいお姉ちゃんタイプなど、ある程度定型を踏襲したキャラクター付けは為されていますが、それ依存するタイプでは全くなく、これまた個性派ぞろいの男性達との関係性やシナリオ展開の中でキャラとしての面白さや魅力が引き出されていく描き方になっています。
ギャグに飛んでいくのか、流されて深みにはまっていくのか、真摯な想いの交感として描くのかは作品の方向性によって異なりますが、快感による充足を求める情動の強さは共通する要素であり、これは後述する性描写のアグレッシブさにも寄与する要素。
IncludingMe3.jpg 前単行本と大きく異なるのは、ヒロインの年齢層が上がったこともあって巨~爆乳クラスのバストで統一されたボディデザインであり、その先端を思いっきり吸引する乳吸いや、ピストンに併せて大きな周期を描く乳揺れ描写など、エロ描写において重要な役割を担っています(←参照 この存在感! 短編「ついてきます!」より)。
ロリキャラにおいてもあまりロリプニ感を重視せず、肢体の端正さを重視していることは巨乳キャラでも共通ですが、その分おっぱいの特盛り感やエロパーツとしての主張が激しいタイプであり、ナチュラルな巨乳描写を望む方にはやや不向きであるとも感じます。逆に言えば、圧倒的な乳の存在感に埋もれたい諸氏にはむしろ加点材料。
 ほんのりバタ臭いクセっ気を感じさせつつ、絵柄の基盤はキャッチーなアニメ/エロゲー絵柄であり、肢体のエロさが前面にでる一方で絵柄そのものはカラッと健康的なタイプ。また、描画の濃淡などに多少の変化は認められつつも、単行本通して絵柄は安定していると言えるでしょう。

【強烈なエロ演出で魅せるドライブ感満載のエロシーン】
 性行為を介してのドタバタ劇や人間ドラマが描かれているため、エロシーンの分量は十分に確保されており、中出し連発や前穴中出し→アナル中出しといった複数ラウンド制のエロ展開で抜き所を豊富に用意しています。
露出羞恥系のプレイや、媚薬プレイ、ダブルヒロインとの3Pセックスにスワッピングなど、エロシチュエーションも多彩に揃えており、それぞれの状況における男女の興奮の強さをしっかり強調しているのも実用性を押し上げる要因の一つ。
IncludingMe4.jpg 興奮や性的陶酔の強さと密接に関連するのがエロ演出の強烈さであり、露骨なアヘ顔をあまり用いない一方、必死な形相で身を焼く快楽に堪える表情付けや言葉にならないエロ台詞(←参照 多量ではないながら効果的な液汁描写も○ 短編「すいちちスイッチ」より)、濁音主体で激しい擬音、前述した乳揺れや時に子宮内まで肉棒が突入する断面図、果ては前後の穴への高速ピストンでち○こ残像化などを連発しており、フィニッシュシーンまで快楽曲線の盛り上げに切れ目がないのが身上と言えましょう。
 女体の存在感の強さやエロ演出の激しさもあって、大ゴマの魅力が強く、ページ構成においてもそれを重視していますが、同時に大ゴマ内への小ゴマ連発配置やコマぶち抜きなどで描写を詰め込んでいるのも特長。ストップモーション的でやや好みを分けるかもしれませんが、例えばち○この出し入れをアップ構図で連続的に描写するなど、勢いで押すと同時に描写にねちっこさを出す工夫も為されています。
体位などは比較的目まぐるしく変化して、互いの体が激しく動き回る描写をしていますが、よく目立つのはヒロインの両脚をM字に開いたり、マングリ返しにしたりで結合部をがっつり見せ付ける体位であり、ストレートな淫猥さを放っています。
 アナルや性器から淫液を水音を撒き散らし、突き出した舌を絡め合わせたり、巨乳を激しく揺らしたりで進行するピストン運動は、白濁液ぶっかけも時々投入しつつ、男女が深くつながった状態で最奥に精液を注ぎ込む絶頂描写を大ゴマ~1Pフルで投入しており、ガツガツと進行するエロ描写の〆として好適な仕上がりとなっています。

 シナリオの骨子やエロ描写の手法論そのものには特殊性は以外にも強くない一方で、魅せ方の上手さやうねる様な勢いなどで独特の魅力を生むスタイルであると言え、万人向けとはやや言い難い一方で、エロ漫画ファンには是非チェックして頂きたい1冊。裏帯の“これを読まずして2012年のエロ漫画は語れないッ!!”の文句はあながちオーバーな表現でもないでしょう。
個人的には、愛し合う男女の想いが堰を切ったように溢れ出るセックス描写が素敵な短編「メランポジウム」と、不動産業者の巨乳お姉さんとがっつりファックな短編「ついてきます!」が特にお気に入りでございます。