OpenEroticSteady.jpg小山宙哉先生の『宇宙兄弟』第17巻(講談社)を読みました。パニック障害に苦しむ弟の背中を気負わずにそっと押す役割を果たしながら、いい所でカッコがつかないのは実にムッタらしいところ(笑
ムッタも含めた周りの善意の助けがあって終に一歩を踏み出したヒビトに、やはり周囲にある人間からの悪意が襲うという構図はなかなかに宇宙飛行士達の世界の厳しさを語っていますね。

 さて本日は、シオマネキ先生の『公然ワイセツ彼女』(一水社)のへたレビューです。なお、この作家さんの前単行本(初単行本)『突発性淫行症候群』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
スレンダー巨乳な美女・美少女と繰り広げる多彩なラブアフェアとアグレッシブなエロ描写とが楽しめる1冊となっています。

4e1583ea.jpg 収録作は、成立したカップルのそれぞれに片思いが敗れた少年少女がその心の傷をなめ合う様に肉体関係を持つことになる連作「コール マイ ネーム」前後編(←参照 対抗心なのか自棄なのかそれとも・・・ 同作前編より)、および読み切り形式の短編8作。
1話・作当りのページ数は16~20P(平均17P強)とやや控えめな部類。全体的にやや小粒という感はありますが、エロとシナリオのそれぞれの存在感がよく噛み合った作品構築の安定を感じさせます。

【コメディ系を基本としつつ話の引き出しが増加】
 前単行本がコメディ調の作品を主軸としており、今単行本でもその流れを引き継いでいると言えるものの、同時に作風には一定の広がりも示しています。
熟れた肉体を持て余す人妻さんの不倫セックスをインモラルな雰囲気で描き出す短編「匣の中の妻」や、コメディ要素よりも青春ラブストーリーとしての繊細さを重んじた連作「コール マイ ネーム」はその作風の広がりを物語る作品になっています。
着実にオーソドックスなまとめ方をした前者に対し、両者の“呼称”をキーファクターとして、本来望んでいたものの代替でしかなかった肉体関係が“本物”に変容していく様を男女それぞれの視点から描き出した後者は十二分の味わい深さを備えており、ラストシーンの繊細なドラマティシズムなどは白眉の出来。
OpenEroticSteady2.jpg もっとも、前述した通りに明るいコメディ系が中心ではあり、昭和な衣装の間抜けな泥棒さんを捕まえてみたり(←参照 満腹で寝ちゃいました☆ 短編「ドロボウガール」より)、ビーチで楽しく?羞恥プレイに励んでみたり(短編「書を捨て海に行こう!)、専門用語を交えつつ女医さんとラブエロ診察が描かれたりと(短編「Dr.ガール」)、漫画チックな楽しさ・賑やかさが楽しめます。
 今回の単行本を読んで新たに気付いたのですが、コメディ系にしろ、それ以外のタイプにしろ、台詞回しの上手さが特筆すべき点であり、感情表現として優れているものもあれば、台詞の応酬や突飛なフレーズの積み重ねでコメディとしてのリズムを形成しているものもあります。よって、割合に台詞をしっかり追う必要があり、それがページ数上の読み応えを生んでいる感があります。
 ギャフンオチにしたり、ほんのりダーク成分を香らせたり、微笑ましいハッピーエンドにまとめたりと、作品のラストは様々であり、作風の統一感や明確さとしてのインパクトに欠けるとも評し得ますが、同時に作劇の多彩さ、シンプルに過ぎない“含み”の面白さが生じてきているとも考えます。

【艶っぽさを感じさせるスレンダー巨乳な美女・美少女】
 連作「コール マイ ネーム」に登場する女の子の様に女子高生ヒロインも数名登場していますが、20歳前後~20代後半程度の成人女性が人数の上では主力であり、人妻キャラやOLさん、女医さんに珍しいところではフィギュア原型師といった設定が登場しています。
前述した台詞回しの面白さは作品のリズムを形成する要因であると同時に、キャラクターの魅力を生み出す要素でもあり、それらが個性的である分、ヒロインのキャラクター造形もテンプレ的なものにまとまることはなく、彼女達の意外性や個性を感じさせる描き方になっているのは◎。
OpenEroticSteady3.jpg おっぱいサイズに多少の振れ幅はあるものの、概ね巨乳のカテゴリーに入るサイズであり、そのもっちりとした質感はしっかり熟した大人ボディでも、思春期の瑞々しい肢体でも共通する要素(←参照 またこの表情との組み合わせが 短編「Dr.ガール」より)。程良く重量感を出しつつ、ニップルがツンと上を向いたロケット巨乳であると言え、スレンダーにまとまった肢体全体と併せて端正な美しさも感じさせます。
なお、作家さんのコダワリなのか、今単行本では一名除いて全ヒロインが黒髪の持ち主であり、その艶っぽい表現は魅力。また、股間の黒い茂みや唇と舌の口腔粘膜の描写、そして性器描写などの細かい体パーツのエロさで女体全体の艶っぽさを大きく増強させているのも特徴でしょう。
 絵柄全体の淡麗さを重視して、さっぱりと健康的な色香を持たせつつアニメ/エロゲー絵柄的なキャッチーさを有する、実に“美少女革命らしい”絵柄は、前単行本に比して完成度がかなり高まっており、良くも悪くも絵(特に描線)から濃さ・重さを抜いて視覚的にさっぱりと仕上げるようになった感があります。
短編「匣の中の妻」では、作品のほの暗い雰囲気に合わせて絵柄やキャラデザインに多少の変更を加えていますが、そういった意図的なタッチの変化を除けば絵柄自体は単行本を通して概ね安定していると言え、表紙絵との差異もあまり感じないでしょう。

【しなやかに動く女体のエロスを支えるエロ作画】
 そもそも各作品のページ数が多くないために、エロシーンがこってり長尺とは言い難いのですが、前戯パートかそれに準ずる描写での盛り上げと、抽送シーンでのガツガツとした勢いの双方にバランス良く尺を割り振る構築となっているのは○。
コメディ作品などでは、羞恥プレイやおっぱい弄りといったエロ描写にコミカル成分の存在感が強く、場合によっては体感的なボリューム感を更に減じる遠因ともなっていますが、その場合でも勢い任せにエロへと雪崩れ込んでいく勢いの良さは抽送パートにしっかりつながっているとも評し得ます。
 ヒロインの柔らか巨乳を揉んだり吸ったりといった愛撫や、お漏らしに羞恥プレイなどを投入して1回戦としてエロ展開を構築することもあれば、パイズリやフェラ、手コキ等でヒロインの美しい顔面や口の中を白く染めて1回目の射精パートを投じることもありますが、いずれにしてもヒロインの肢体のエロティックさや気持ちよさを強調する描き方になっています。
OpenEroticSteady4.jpg 特に派手な演出や斬新な描写と投入することはなく、性的快楽に高揚するヒロインの表情の官能性や肢体の艶めかしい動きでエロ描写を組み立てていますが、特に抽送パートで大ゴマを頻度高く切りだし、構図取りの妙によって絡み合う肢体の動きに十分なダイナミズムを与えているのが個人的にはエロ作画面における最大の魅力と捉えています(←参照 この手前に飛び出してくる様な構図は見事 短編「ラスカルラブ」より)。
意外に男女の肢体の密着感を重視する傾向にあるため、野郎の存在感を嫌う方には多少の減点材料となる可能性がありますが、ここぞの場面で投入する周囲案構図でヒロインの肢体や紅潮した顔が間近にあることを示す際に、この男女の肢体の密着感はそれなりに重要な要素。また、バスト&ヒップや、結合部の見せ付け構図など、女体描写は十分な量があるのは安心材料でしょう。
 美しい表情と肢体を快楽で蕩けさせながら迎える中出しフィニッシュ(連作後編ではアナル中出し)は、白濁液が勢いよく漏れ出す結合部をがっつり見せ付ける構図を大ゴマ~1Pフルで提示しており、そこまで長尺ではないながらも相応にタメがある分、抜き所としては一定の強力さを有しています。

 絵柄の安定感が増し、ヒロインの魅力がキャラクター的にもエロ的にも高まる一方で、作風に広がりが出てきた2冊目であり、確たる成長を物語る最新作。コミカルさやリリカルさ、ちょっとしたシリアスさやダークネスが複雑に絡み合うスタイルは派手さに欠けるものの面白いなと強く感じます。
個人的には、前後編で視点を変えて魅せた面白さとアンビバレンツな感情描写が素敵な連作「コール マイ ネーム」と、メガネ巨乳な美人医師とラブラブエッチな短編「Dr.ガール」が特にお気に入りでございます。