MRecreatePlan.jpgくぼたまこと先生の『天体戦士サンレッド』第14巻(スクウェア・エニックス)を読みました。表紙はウサちゃんですが、ぬいぐるみ怪人達の中では今回ウサコッツが目立ってましたね(主におっさん要素で)。
いやはや、かよ子さんの甘やかしっぷりが今単行本ではかなりのもので、レッドさんが羨ましいですなぁ・・・。あと、ヘンゲル将軍の“山&谷”理論、さすがIQ150の痴将知将ですなぁ。

 さて本日は、かかし朝浩先生の『ドM改造計画』(一水社)のへたレビューです。成人向けには久しぶりの復帰となる単行本ですが、司書房回顧企画で書いた『全裸の王女』(司書房, 1999年)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
性転換に肉体改造、催眠凌辱などなど奇抜な設定と特殊なエロ要素がポンポン飛び出る怪作となっています。

MRecreatePlan1.jpg 収録作は、ドMな性癖を隠し持つ美人キャリアウーマンが偶然同レベルの変態ドSに巡り合ってしまって~な「ドMの品格」シリーズ前後編、ぶっ飛んだ性化学を研究するマッドサイエンティストな美女が助手達に押し付ける無理難題な「博士の異常な欲情」シリーズ全3話(←参照 勤務初日でいきなり女体化されるという 同シリーズ第1話「博士の異常な欲情」より)、および読み切り形式の短編2作。
1話・作当りのページ数は20~24P(平均23P弱)と標準的なボリュームで安定。エロ・シナリオ共にボリューム感があるタイプではないものの、双方ともインパクトが強く、パンチの効いた1冊と評したいところ。

【トンデモな状況を生み出す変態ギャグ的エロ話】
 いずみコミックスレーベルからの単行本となりますが、収録作の初出は一水社の親会社に相当するメディアックスがWEBで出している「コミックしちゅぷれ」であり、各作品はエロシチュエーションの形成に特化したタイプの作劇となっています。
 キツイ性格のドM美人さんをハードなプレイで調教する「ドMの品格」シリーズ第1話や、高飛車なイジメっ子を催眠状況で凌辱する短編「催眠の魔女」などの様に、凌辱寄り・強要寄りの導入パートがあることは多く、全体的にラブラブ感のある作品を望む方には不向きでしょう。
しかしながら、暗く重い話では全くないのも特徴であり、ドSな男性に圧倒されつつその状況に幸福を得てしまう「ドMの品格」シリーズの美人さんや、上司である美人科学者に改造されながらもなんだかんだで女体化された自分に馴染んでいく「博士の異常な欲情」シリーズの男性達が示す様に、特殊なエロやそこへの強行軍などはドタバタギャグの一環として機能しています。
MRecreatePlan2.jpg 調教モノの作品において主人公の男性調教師を補助する役割のキャラクターをドキュメンタリー風に紹介してみたり(←参照 プレイ時のお漏らしを掃除中の助手さん 短編「調教助手~ご主人様にご奉仕なさい!~」より)、女体化だけには飽き足らず女体化した上で自分の男性としての体や未来から来た自分とのセルフセックス(オートエロティシズム)が敢行されたり(「博士の異常な欲情」シリーズ)と、作品設定に関する目の付け処の面白さ、アイディア力も大きな魅力。
 インパクトのある状況・展開を速射的に投入する分、ギャグエロとしての勢いや面白さがありつつ、その一方で滑らかな読書感や抜きへの集中のし易さなどはやや弱いと感じられる可能性はあります。
突飛なエロ展開や状況を発生させつつ、作品のラストはギャフンオチやフェードアウト系のまとめ方となっており、その緩い雰囲気故に読後感は意外な良好さを伴っています。

【目つきの鋭い変態美人さん達に存在感】
男性から女性への性転換も描かれるため、“ヒロイン”の定義がやや難しいですが、各話のヒロインの年齢層は10代後半~20代後半程度と思われ、成人女性(元・男性を含む)の登場頻度が高め。
MRecreatePlan3.jpg「博士の異常な欲情」シリーズは女体化にふたなり改造、更には両者を組み合わせてち○こだけ男性に戻った自分とセックスといった変化球がバンバン投げ込まれており(←参照 弟が女体化して姉がふたなり化というトンデモな状況 同シリーズ第3話「博士の恋愛改造論」より)、苦手な人にはキツイでしょうが、このエッジが効きまくったスタイルは個人的には頼もしさとも感じます。
また、「ドMの品格」シリーズの女性キャリアウーマンや「博士の異常な欲情」シリーズの博士、短編「調教助手」の助手さんなど、時に傲岸不遜に感じるほど気の強い女性キャラクターが多く、ツリ目気味の顔付きがいかにもその類のキャラクターとしてハマっています。また、後述するように、そんなプライドの高い女性たちがエロでは激しい痴態を見せ付けるというギャップも実用性に関する美点でしょう。
肢体造形面に関しては、適度な肉付きの体幹に柔肉をたっぷり詰めた巨乳・桃尻を組み合わせたタイプで概ね統一されており、ふたなり等の要素を除けば、割合シンプルにまとまった感があります。特定の体パーツにコダワリのある描写はない一方で、分かり易くエロイとも評し得るでしょう。
くっきりとした描線がやや鋭角的に引かれる絵柄は、少年漫画チックにカラッとした健康さを有していますが、唇に濃く引かれた口紅や股間に茂る陰毛とある種の下品さも持つ淫猥な描写と組み合わさることでアンビバレンツさのある煽情性を喚起。もっとも、それはクセ・アクの強さと感じられる可能性も低くないことには要留意。
十分なキャリアを有する作家さんなのですが、デジタルツールの導入によってそれに馴れていた時と馴れていない時とで絵柄の安定感が異なる印象があり、多少の減点材料。また、表紙絵とベースとなる絵柄は共通しているのですが、表紙絵では塗りによる印象の変化が結構大きいとも感じます。

【過激なエロ演出を施す特殊なエロプレイの数々】
 エロシーンが分割構成されたり、エロよりもギャグとしての面白さに吸収されてしまったりするため、抜きツールとしてたっぷりエロ描写を味わい、かつそれに集中しやすいかというと少々疑問が残るのは確かでしょう。
 しかしながら、決して万人向けの要素でないとは言え、調教エロや催眠凌辱、女体化など、それぞれ特殊なエロの方向へと特化し、導入パートで蓄積された突飛な要素が雪崩を打ってエロ要素に変換されることで短めの濡れ場に一気に盛り上がりが生じるのは面白いところ。
女性の体になって男性として知りえなかった性的快感に酷く混乱したり、ドMさんがハードなプレイの数々に心をこじ開けられたりと、性的快楽が徐々にヒロインの精神を浸食していくという流れの適切さも実用性を底上げしています。
MRecreatePlan4.jpg また、体感的に少なめな分量を補う様にエロ演出はかなり強力に仕上げられており、舌を突き出して白目を剥くというドギツさのあるアヘ顔や、すっかり理性がはじけ飛んでいる白痴系のエロ台詞、あからさまな結合部見せ付け構図などの集中投入によってアブノーマル感や過激性を強化(←参照 女体化して2本挿しされちゃう男性 シリーズ第2話「博士の愛した性癖」より)。
前後の穴に同時挿入したり、拘束プレイをしたり、オモチャを使って性感帯を攻めたり、羞恥プレイを絡めたりと、エロシチュエーションは様々で、いずれにしても“特殊なプレイが特殊な快感を生む”という前提に忠実な作り。ただし、この手数の多さは魅力であると同時に、エロシーンの分割化を加速させている要因でもあります。
 エロ展開では複数ラウンド制を概ね徹底しており、膣内射精を連発したり、前戯パートで白濁液をぶっかけを投入したりしつつ、大ゴマ~1Pフルで描かれるフィニッシュシーンは絶頂アクメに獣じみた嬌声を絞り出すヒロイン達に中出しを決め込んで十分なアタックで〆ています

 内容的にも絵柄的にも大なり小なり読み手を選ぶ傾向にありますが、懐かしさを感じる破天荒なドタバタ感やエロを特殊な方向に威勢良く暴れさせるパワフルさは実に魅力的な要素。
個人的には、設定のアイディアの勝利と言うべき、性調教の助手さんに密着レポートな短編「調教助手~ご主人様にご奉仕なさい!~」が一番のお気に入りでございます。