JunkLand.jpg 小畑健先生(原作:大場つぐみ氏)の『バクマン。』第16巻(集英社)を読みました。うーむ、作中に登場するお色気バトルアクション作品「ぱんちらファイト」読みたいですなぁ。
東先生や新井先生にアイディアを提供している黒幕がいるわけですが、その思惑は何なのでしょうかねぇ。エロ漫画も作家の流動性が高い業界ですし、新人とベテランという問題は共通しているなとか感じました。

 さて本日は、紙魚丸先生の初単行本『JUNK LAND』(コアマガジン)のへたレビューです。個人的には大変楽しみにしていた初単行本です。
スレンダー美少女さん達と繰り広げるサバサバとした雰囲気の日常劇&初エッチがユニークな魅力を放つ作品集となっています。

c3e84e27.jpg 収録作は、共に童貞&処女のオタクボーイ&ガールが買い物先の秋葉原にて初エッチにチャレンジな短編「オマエにはアタシがお似合いだ❤」(←参照 サバサバガールがもじもじお願い)+同短編の後日談的フルカラー掌編4P、および読み切り形式の短編8作。
フルカラー掌編を除き、1作当りのページ数は16~24P(平均21P強)と標準的なボリュームで推移。スムーズな読み心地を重視しつつ丁寧に詰め込んだタイプのシナリオとエロと言え、程良く読ませるし抜きの満腹感を生み出すスタイルと評したいところ。

【ある種の“ドライさ”を持ちつつ旨味の滲む作劇】
 単純なカテゴライズが難しい作風ではあるものの、今単行本の収録作を大別すると思春期ボーイズ&ガールズ達のエロにチャレンジ!系日常劇と、凌辱・調教要素を含むダーク寄りの作風。
 とは言え、後者に関しても少年達のお姉さんヒロインへの逆襲であったり(短編「しかえしキッズ」)、調教する/されるの関係ながらなんだかんだで互いを必要としていたり(短編「こちらこそよろしく)と、あまり暗さを感じさせないタイプです。
そういった“救済措置”的な要素よりも、青春ラブエロストーリーとダーク寄りのお話の差異を小さくしている要素は、作劇全般に共通する淡白でサバサバした雰囲気で表層をコーティングしていることであり、エロの進展や人物関係の変化が淡々と進行するのが一種独特。
JunkLand2.jpg いわゆる棚ボタ展開も散見されるものの、その“棚ボタさ”に余計な修飾を施さず、さも当たり前であるかのように読者に対してスッと差し出しており(←参照 エッチな写真取っていいよ♪ 短編「ファインダー越しのキミ」より)、しかしてその思い切りの良さと、登場人物達のロジックと欲望がちぐはぐに絡み合うリアクションの面白さによって、安易な作劇と感じさせないのも非常に面白いところでしょう。
淡々としているという評はあくまで、作品の表皮の部分に関するものであり、ラスト手前まで隠されている恋愛感情の存在や、思春期の登場人物達の性への強い好奇心、欲望が満たされる喜悦などはしっかり織り込まれており、決して漫画チックにそれらを強調することなく、自然に沁み出るに任せているとも評し得るでしょう。
 この敢えて抑揚の変化を抑えてフラットに構成する手法は、例えばF4U先生などの作劇手法に近いものを感じますが、多分に毒を含ませるその方法論に比して、この作家さんの場合は多少のシニカルさは感じさせつつも意外に素直さが感じられると個人的には考えております。

【並乳装備の中肉ボディなJKヒロインズ】
 女性エロ漫画家や女子大生といった男性キャラクターに対して年上である20歳前後~20代半ば程度のお姉さんキャラも少数名投入しつつ、数の上では主人公と同年代である女子高生キャラがヒロイン陣の主力。
 前述した作品の雰囲気を形成するのはヒロイン陣のキャラクター性に由来する部分が大きく、年下の少年を翻弄するお姉さんのドライなユーモアの効いた台詞回しや、真剣な様で何処かズレておりつつそのズレが許容される会話の応酬などが読みのリズムを形成しています。
その意味でユニークなキャラクター造形であるため、ツンデレさんや委員長タイプ等、定番のキャラクター性を望む諸氏にはやや不向き。ただ、全体的に“不器用さ”をキャラ構築に含めることで、親しみやすさを付与しているのは訴求層を広げるのに好適な要素という印象です。
JunkLand3.jpg 黒髪ショートの髪型が多いという、その筋の属性持ち()には嬉しい傾向を持ちつつ、体型的にもスレンダー寄りでありつつ程良い肉感の体幹に、思春期ボディとして年齢相応の並乳が組み合わさるタイプ。なお、メガネの着用率が高めというのもキャラ造形面における特徴の一つでしょう(←参照 短編「酩酊☆フリータイム」より)。
 すぐさま一般誌への進出も可能と思われる健康的かつキャッチーな二次元絵柄は、それ故にエロシーンで艶っぽい演出を重ねるといい意味でのギャップを生じさせており、実用性を地味に強化。初単行本ということもあって、初期作では近作に比べて作画の密度や描線のまとまり方で劣りますが、初単行本としては十分に安定している方と言えます。
 なお、年上お姉さんをそのち○こと無垢な暴力性によって圧倒するショタボーイズも登場していますが、野郎連中の描写に一癖あり、端的に言ってしまうと某斑目チックなキャラがちょこちょこ登場しているのは個人的に(特に明確な理由もなく)好きな要素。

【程良いアグレッションの抽送パートとそこまでのタメの良さ】
 ある意味では登場人物達のエロへの欲求とその実行への踏み込みをシナリオ展開の中軸に据えているスタイルであるため、スムーズにエロシーンへと移行しており、分量的には実用的読書に十分貢献しています。
エロ展開序盤では、導入パートにおける淡々とした雰囲気を主に台詞回し等で引き継いでいるため、陶酔の空間へと一挙に快楽曲線を引き上げて欲しい方には多少不向きかもしれませんが、特に初エッチの描写に関してはこのスロースタートがむしろ効果的。
 男女いずれかがやや一方的にアドバンテージを取るケースもあるものの、双方の性欲が十分に高まり発現され、相手の肢体を求めて精神を高揚させていく流れは後続のピストン運動の描写に対する前段階の“タメ”として機能しています。
JunkLand4.jpg 騎乗位での挿入を描くことが多く、重力によるヒロインの肢体の沈み込みと同時に肉棒が一気に奥まで貫通する描写にはある種の爽快さや頼もしさを伴う勢いがあり、ここからエロの盛り上げを高い加速度で上昇させて、未体験の快楽に困惑と羞恥を覚えつつ、紅潮した表情と切れ切れの嬌声を語るヒロインの痴態を核としてエロ描写を積み重ねます(←参照 短編「勉強するよりバカになる」より)。
一穴二本差しや男性複数名による多人数エッチ、拘束凌辱などの多少アブノーマル寄りのプレイやエロシチュエーションを用いることもあり、メガネ精液舐めの様なフェティッシュな要素を絡めることもありますが、それらはどちらかと言えば脇役であって、性器と性器のガチンコバトルそのものに十分なアグレッションを備えていることが実用面での揺るがぬ魅力でしょう。
 童貞君の挿入と同時の射精などではその“あっけなさ”に面白みを出していますが、いずれにしても射精シーンを複数設ける多回戦仕様を基本としており、フィニッシュシーンはすっかり蕩けた表情を曝け出して絶頂の嬌声を上げるヒロインに中出しする様を1Pフルで描写する盤石の抜き所でエロシーンの幕を引いております。

 淡々としつつも人物描写に魅力を含ませた作劇と、フェチっ気もありつつ訴求層を広く取れる基本を押さえたエロと、作家としての個性と平均的な需要との間に絶妙なバランスを取っている感があり、今後も非常に楽しみな作家さんと感じます。
個人的には、メガネショートのサバサバ娘が初エッチに嬉し恥ずかしチャレンジな短編「オマエにはアタシがお似合いだ❤」と、痴女?なお姉さんを拘束してエロ逆襲な短編「しかえしキッズ」とが特にお気に入りでございます。お勧め!