
天然お姉さんタイプにしてエロ可愛いオルソラさんが大好きですが、個人的にはシスター・アンジェレネが少しだけとはいえ、登場しており、嬉しい限り。
さて本日は、命わずか先生の『ちんドル☆マスター』(オークス)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『偽りの彼女』(メディアックス)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
キュートな男の娘アイドル達が無名状態から紅白に出場するまでに成長する波乱万丈なドラマとエキセントリックに疾走するエロとが楽しめる1冊となっています。

収録本数が多くない一方、1話当りのページ数は24~30P(平均25P弱)と中の上クラスのボリュームで、単行本としての厚みは標準からそれをやや下回る程度の部類。とは言え、エロもシナリオも中身が非常に濃いため、読後にかなりの満腹感を残してくれる1冊でもあります。
【アイドル達の成長物語として意外に真っ当だが・・・】
“奇才”のフレーズと共に語られることの多い作家さんであり、ふたなりキャラクターや男の娘を用いてそのち○こが乱舞する特殊空間を作り出し、読み手を翻弄というか、圧倒するスタイルは今単行本でも健在。
とは言え、単純に奇妙な展開やプレイを連発させるだけの作品構築ではなく、ストーリーの屋台骨はごく真面目に形成された上で、そこにユニークな展開やぶっ飛んだエロシチュを肉付けすることで、両者が特殊なケミストリーを生じさせるのがこの作家さんの魅力と言えます。
この傾向は今単行本の長編でも変わっておらず、マネージャーである主人公とそれぞれに悩みや夢のあるアイドル達が協力しながら成長し、スキャンダルやライバルの登場といった数々の苦難を乗り越えながら人気を獲得していくという展開そのものは、アイドルを扱う漫画やゲームなどでも極めてオーソドックスなものと言え、意外にスムーズな読書感が味わえます。

無論、そのしっかりした長編の縦糸からトンデモ展開がバンバン飛び込んでくるのは命わずかワールドとして当然のことであり、やはり男の娘であるライバルキャラとの攻防でち○この存在が観客にばれない様に苦心したり、色々と突拍子もないアイディアでエロイことに励む練習が描かれたり、おまけに主人公まで男の娘になっちゃったりと、最終話まで読み手を全く落ち着かせてくれない流れになっています。
ストーリー全体としての王道的魅力と、それらの特殊な要素のエッジ感とが混在しているため、男の娘というキャラ設定を抜きにしても、クセやアクがあることは確かであり、訴求層が幅広いとはやや言い難いものの、普通のエロ漫画じゃ物足りないという方には是非一読して頂きたい、妙な頼もしさが命わずか先生の作品にはあると考えています。
【ぺたんこお胸とスベスベ桃尻な男の娘達】
表紙絵を飾る可愛らしい男の娘アイドル3人があくまでメインですが、彼らのライバルとなる事務所の先輩アイドル(♂)さんや、最終話ではすっかり美少女然とした外見に変化した主人公(♂)もエロとシナリオにおいて重要な役回りを担っています。
ナチュラルに女装している子もいれば、抵抗感を感じつつもアイドルとして売り出すために仕方なく女装している子もいますが、そこらの葛藤はあまり描かれることなく、最終的には大っぴらにカミングアウトして大人気になるため、美男子達の女装への羞恥や困惑を楽しみたい諸氏は要留意。なお、主人公も男の娘キャラ化する上に、美女と思っていた社長が実はニューハーフであったりと、女性が一切登場しないコダワリ様を示しています。
全員ち○こが付いていることを除けば、キャラクター設計的にも実は王道であり、前向きで優しい性格、大きなリボンを付けた一ノ瀬さん、控えめな性格ながら実はエッチなことに興味津々な黒髪ロングの二村さん、ツンツンした性格でちょっとがさつながらも主人公のことが好きな三橋ちゃんそれぞれ、方向性が明確なキャラ立てが為されています。

また、グラビア撮影やライブステージ、DVD撮影などに合わせて衣装を変化させており、それらの衣装の華やかさでアイドルらしさを出すと同時に、そこからち○こが見え隠れしてしまうスリル感などもエロ・シナリオの両面において重要な要素と言えるでしょう。
描線の強弱をしっかりコントロールしつつ、適度なデォルメ感と女流作家らしい修飾性の強さを組み合わせた絵柄は、読み手によって好みが分かれるタイプではありますが、キュートネスに寄ったタイプであるため、比較的取っ付きやすいタイプ。中身の絵柄はキャリア相応に安定しており、また表紙絵とも完全互換と言えるので、“ジャケ買い”でも特に問題はありません。
【ち○ことそこから噴き出る白濁液が乱舞する複数人セックス】
主人公や四葉、ファン達、そして事務所の社長などがエロに絡むことが多いですが、メインとなる3人を同時にエロに絡ませる点は作品間で共通しており、挿入するのもされるのも可能なキャラクターを3人も用意することでエロプレイに自由度の高さを与えています。

変態チックな行為に性的快楽を感じ、更にエッチなことへチャレンジしていく男の娘ヒロイン達は、十分な可愛らしさを以て描かれている一方、青筋が表面を走る陰嚢や肉竿の描写はなかなかにえげつなく、読み手の嗜好によって好悪は分かれるでしょうが、両者のギャップが独特の煽情性を生んでいます。
肉棒を挿入されて押し広げられるお尻の穴の描写を大股開きな結合部見せ付け構図でたっぷりと投入しつつ、アイドル達のキュートフェイスがグシャグシャに乱れ、分量こそ多くないながらも時にエキセントリックなフレーズも飛び出す印象的なエロ台詞を叫ぶ描写などでも快楽曲線の盛り上がりを図っています。
男の子であるのに乳首から謎の液体が噴出したり、たっぷりと白濁液を直腸内に注入されながらも自前のち○こからも噴水の如くビュルビュルと精液を噴射したりと、液汁描写をたっぷりと添加することも特徴の一つであり、そもそも男の娘同士のセックスというアブノーマルな内容に作画・演出面での濃さを被せることで、強い満腹感を形成。
十分な濃密さを保ったまま突入するフィニッシュシーンは、男の娘ヒロインが口を大きく開いて舌を突き出すアヘ顔を曝け出して絶頂を迎えるアナル中出しフィニッシュで締めており、そこまでの勢いや濃さに負けないインパクトの強さを持つシーンとなっています。
この作家さんの作品の例に漏れず、キャラクター設定、シナリオ、エロのいずれもが読み手を選ぶタイプであり、万人受けしないのは確か。しかしながら、“変わり種”を提供し続ける決してブレない作風は実に見事であり、ぶっ飛んだ作品を読みたいならば強くお勧めしたい作家さんです。
管理人はショタエロも好きですが、この作品に関して言えば、ショタエロとしての魅力というよりも男女の性別云々と関係なく、漲るエロのエネルギー感に圧倒されたという印象がありますね。
単行本もほぼ全部もっていますけど、
最近はあまりに作品のクセが強すぎて、
ついていけないのが正直なところ。
ただ、どのジャンルでも「抜ける作品」
を確実に書ける作家さんなので、
ハマル時はとことんハマル、そんな作者ですね。