Kuchutoris.jpg いたち先生(原作:平坂読氏、キャラクター原案:ブリキ氏)の『僕は友達が少ない』第9巻(メディアファクトリー)を読みました。とんでもない顔を晒すわ、ゲロを吐くわで、ヒロイン達(というか主に星奈と夜空)の残念っぷりが特に目立った巻でした。
主人公と星奈の親密具合が高まっている様にも感じますが、夜空の告白が今後にどう影響してくるのでしょうかね?

  さて本日は、てりてりお先生の『クチュトリス!』(ワニマガジン社)のへたレビューです。先生の前単行本『うみんチュッ』(コアマガジン)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
魅力的なヒロイン造形が光るラブコメディ&ラブラブハードHが楽しめる1冊となっています。

Kuchutoris1.jpg  収録作は、ツンデレ気質で彼氏君のエッチの誘いに毎度お断りをするもエッチになればぐしゃぐしゃに蕩けちゃうヒロイン・ゆきなさんとのツンツン&ラブラブな日々を描く「ゆきにゃ!」シリーズ全4話(←参照 こんなこと言ってますが・・・ 同シリーズ第3話「冬に吹くゆきにゃ!」より)+描き下ろし後日談短編12P、および読み切り形式の短編6作。
描き下ろし短編を除き、1話・作当りのページ数は16~24P(平均19P強)とやや控えめながらコンビニ誌初出としては中の上クラスのボリュームで推移。軽快な読み口であるシナリオと程良い濃度・分量のエロとで構成された作品群と言え、コンビニ誌的に王道の構築とも言えるでしょう。

【明るく楽しく微笑ましくなラブコメディ】
  これまでの作風では、お馬鹿かつ快活なキャラクター達が大暴れするアッパーなテンションのラブコメに魅力がある作家さんでしたが、今回はその路線をある程度は踏襲しつつ、より軽く穏やかな読書感を生む作風へと移行。
エロまっしぐらな野郎連中や逆に大人しい男性を翻弄する女性キャラクターといった、これまでの作風においてシナリオ展開の牽引役となっていたタイプのキャラクターもハチャメチャなギャグを引き起こすということはなく、ラブラブ展開や誘惑展開といった流れの雰囲気にマッチしたタイプとなっています。
Kuchutoris2.jpgこのため、各作品の作劇において目立つのは、ハイテンションなコメディの勢いというよりかは、棚ボタ展開やラブラブ展開の幸福感という印象が強く(←参照 憧れのお隣のお姉さんが突然のお誘い!? 短編「トラベル×トラベル」より)、やや強引にエロシーンへと誘導しつつも結果オーライのハッピーエンドへと至ります。
  こういった作風の変化をどう捉えるかは読み手の好みによって異なりますが、全体的に良くも悪くもスタンダードなコンビニ誌的ラブコメ・エロコメに移行したという印象が個人的にはあります。
とは言え、作劇スタイルが割合に凡庸なものとなった一方で、ヒロインを中心とするキャラクター描写の良さは健在であり、普段のツンツンぶりとエッチの際の乱れっぷりの落差が素敵な中編シリーズのゆきなさんや、何か薄暗い背景を感じさせつつも天真爛漫に主人公を愛して尽くす短編「先生の嫁(仮)」の天然娘・ほのかちゃん、少年の性欲を弄びつつも受け入れる短編「隣のシタギドロ」のお姉さん等、魅力的なヒロインがシナリオ展開とエロシチュエーションを牽引しています。
  全体的に明るく軽くという路線は共通していますが、ちょっと妖しげであったり、微笑ましさを同居させたりと多少の味付けも設けており、これまでの路線の面白みとは異なるとはいえ、この作劇スタイルも決して悪くはないと感じます。

【巨乳肉感ボディの多彩なヒロインズ】
  女子高生キャラクターから美人OLさんまで年齢層に多少の幅はありますが、概ねハイティーン~20代前半程度に絞られた年齢層。その上でエッチなお姉さんキャラクターもいれば健気な年下ヒロインもおり、主人公との関係性も様々。
前述した通りに、ヒロインの魅力自体で勝負する作品構築となっているため、元気で世話焼きな幼馴染や女王様っぽさのある美人お姉さん、お馬鹿で天真爛漫な健気ガール、ツンデレ娘に穏やかで優しい性格の清純ウェイトレスさんなど、設定や性格付けは多様です。
  素直でなかったり、男性に押し切られてしまったり、逆に男性をグイグイとリードしたりと発現の仕方はそれぞれ異なりますが、基本的には皆さんエッチ大好きな美少女・美女であり、エロシーンへのサクサクとした誘導に寄与。全般的に快楽全能主義が強い傾向にありますが、恋愛要素の強い作品では好きな相手のセックスに精神的にも快感を得ていることをちゃんと示しています。
Kuchutoris3.jpg中編シリーズのメインヒロイン・ゆきなさんこそ低身長やせ気味ボディ&ぺたんこバストというロリ系のボディデザインですが、その他のヒロインは健康的な肉付きのボディにたわわに実った柔らか巨乳と適度に締まったウェスト、程好い量感のヒップを装備のボディデザインでほぼ統一(←参照 おっぱいぷる~んぷるん 短編「お邪魔馴染」より)。このため、このスタンダードなボディデザイン以外を望むのは避けるべきですが、髪の毛や肌の色などでキャラデザインの描き分けはしっかり為されているのはヒロインの視覚的多彩さを確保する上で○。
なお、てりてりお先生と言えば、メガネっ子ヒロインという時期もあったのですが、今単行本では中編シリーズ作のサブヒロイン1名のみメガネ装備という状況であり、そこらのキャラデザに期待している方は要注意。
   比較的ハッキリした描線ながら、端正さやふんわりと柔らかい印象もある漫画絵柄であり、幅広い層に親和性の高いタイプと言えます。ヒロインの普段の可愛らしさとセックス時の艶っぽさのバランスも良く、シナリオパートで前者を強調しつつ、エロシーンでは徐々に後者を濃くしていく調節も美点となっています。

【過激なエロ演出と熱気のある陶酔感】
  ヒロインの性欲や恋愛感情などもあって、エロシーンへとスムーズに突入する作品構築となっており、ページ数に多少の幅はありますが、エロシーンの尺自体は標準か多少それを上回る程度の水準で安定。
勘違いからの強要セックスや、お姉さんがショタ少年を性的にイジメるシチュエーションなども存在しますが、それらのケースでも最終的には円満解決を迎えますし、基本的には和姦エッチがメイン。コスプレHや3Pセックス、意地悪プレイなども存在しますが、それらのシチュエーションに強く踏み込むのではなく、好き合う男女のセックスを盛り上げる役割にとどまっていると言えるでしょう。
  作品によって多少異なりますが、単行本タイトルから類推される通りに、クリトリスや乳首、男性キャラクターであればち○こ等、双方の性感帯に対するねちっこい愛撫がエロ描写上の一つの特徴。トロトロとした涎を舌で混ぜ合う“べろちゅー”や、指でヒロインの秘所を弄ってほぐす愛撫、ピストンしながらの乳首弄りなど、前戯パート・抽挿パートを問わずこれらのプレイを織り込むことで手数を増しています。
Kuchutoris4.jpgまた、ラブラブHを中心に和姦主体ではありつつも、描写自体は比較的ハード指向であると言え、快感の衝撃に曝け出すアへ顔や乱れた描き文字で表現されるハートマーク付きの嬌声、入口から最奥まで肉棒がストロークする断面図、ピストンに合わせてぷるんぷるんと揺れる巨乳描写など、エロ演出に関しては派手さ・過激さがあるスタイル(←参照 アへ顔&アクメ絶叫&潮吹き 中編シリーズ第1話「夏に吹くゆきにゃ!」より)。
  そういった過激であったり露骨であったりするエロ演出や、激しく身悶えする肢体のダイナミックな動きの描写はある一方で、過激一辺倒で読み手を圧倒するタイプとはやや異なり、ヒロインの可愛らしさをキープして濃厚なエロ表現と共存させているのが美点と感じます。
  前戯パートではヒロインの肢体をねっとり愛撫するプレイが主体ということもあり、射精シーンは大ゴマ~1Pフルの中出しフィニッシュのみという1回戦仕様というケースが多め。このフィニッシュシーンでのヒロインのアクメ絶頂に加え、小刻みな絶頂の繰り返しなど、射精シーンだけでなくヒロインの絶頂シーンでも十二分なアタックの強さがあって抜き所として機能しています。

  棚ボタ展開も含めて読み口の良いラブコメディであり、またアへ顔などの過激なエロ演出を用いつつも極端さを感じさせないハードコアなエロ描写も訴求層を広げる上では大いに正解な手法。
個人的には、ツンデレ娘がトロトロに蕩けきったアクメフェイスを曝け出す中編シリーズと、日焼け肌の美少女が遊んでいそうで一途な面を示す短編「つねあきちゃん勉強中!」が特にお気に入りでございます。