PigsAreMeatInDarkness.jpg 『艦隊これくしょんコミックアンソロジー 呉鎮守府編』(一迅社)を読みました。いつも違う艦娘にセクハラまがいのボディタッチをしているおっさん提督で申し訳ない(P60参照のこと)。
安定の可愛らしさを誇る第6駆逐隊の小さなレディ達も大層眼福でしたが、鬼怒ちゃんの余計なことを吹き込む球磨ちゃんと貧乳弄りの龍驤ちゃんも可愛かったです。

  さて本日は、凌辱エロの帝王・オイスター先生の『雌豚闇肉塊』(一水社)のへたレビューです。なお、これで“めすぶたくらがりのにくかい”と読みます。先生の前単行本『ワタシキレイ?』(同社刊)のへたレビュー作家評等もよろしければ併せてご参照下さい。
狂気と憎悪が再生産し続ける、狂人達の織り成す血と精液に塗れた地獄絵図が強烈な印象を生み出す1冊となっています。

2554cf48.jpg  収録作は、一方的に好意を寄せていた男子生徒を拉致監禁して薬物セックス漬けにしていた女教師・小夜子が、少女にやはり一方的な行為を寄せ“お嫁さん”にしようとしていた狂人の男と出会い、そのストーカーのターゲットになっていた少女や女性と世間への憎悪に狂った青年も巻き込まれていく長編「狂れ腐れ、焦がれる」全9話+新たな惨劇のスタートを告げるエピローグ短編(←参照 狂人と狂人の出会い 同長編第1話より)。
なお、狂気の女教師・小夜子さんの再登場から分かる通り、本作は『美徳乃不幸』に収録の連作「歪んだ唇」の続編的位置づけ。また、途中からストーリーに参加する青年は『悪徳乃栄』に収録の中編「暗澹」において、大好きな幼馴染の少女を惨たらしく凌辱され、自身の人生も狂わされた少年が成長した存在であり、本作はそれらの作品へのアンサー的な役割も有していると言えます。
  1話当りのページ数は18~20P(平均19P強)とやや控えめな部類。とは言え、エロの凶悪な存在感に加えて長編作としての読み応えもあり、かなりヘビィな読書感の凌辱劇となっています。

【如何に狂おうと歪もうと人間は人間】
  暴力と狂気が荒れ狂う惨劇の中で、人の心の美しさと愚かしさを描き続ける作家さんですが、本作は後者の愚かしさの部分に重点を置いた作品構築となっています。
PigsAreMeatInDarkness2.jpg歪んだ愛情を一方的に少年に注ぎ続け、最悪の結果を迎えながらもそれを受け止めようとしない狂女・小夜子(←参照 歪んだ純愛の果てに 長編第4話より)、母親からの性的虐待と歪んだ性的価値観の押し付けによって狂い、少女のストーカーと化した男、愛する人を肉便器とされ自らの無力さを心身に刻み込まれたことで歪な復讐鬼と化した青年・勇太と、粒揃いの狂人達が繰り広げる不条理な闘争に、何ら落ち度のない少女・莉子が巻き込まれていく展開は、何とも理不尽であり、彼らの常軌を逸した論理に従わされる恐怖と絶望が読み手の心にも胸糞悪さを喚起してきます。
狂った儀式への供物、女性への復讐、一方的な恋慕とそれぞれの論理で莉子を凌辱する三人の狂人達は、それぞれ過去の惨禍によって生み出された怪物達であり、また暴力的で狂気的な凌辱の果てに狂ってしまった莉子の姿は、この作家さんの真骨頂である“止まることのない地獄絵図の再生産”の構図を如実に示しています
  この構図において、本作を単なる過激な凌辱エロに留めない点は、如何に狂い歪んでしまっても“人間は人間である”という描き方です。その描き方は、絶望の中における人間的美徳の美しさを描くこれまでの作品でも重要な要素でしたが、人の愚かしさを描く本作においてもブレを見せていません。
作中において“ブタ”“動物”といった蔑称が多用されますが、そういった無思考・無感情の存在になることをオイスター作品は許しません。それ故に、凌辱の中で大切なものを喪失し続けた莉子が狂い続けなければ精神を保てない悲劇が、自身を成り立たせる歪んだ愛情や復讐を保ち続けることで新たなスタートを切る小夜子と勇太の強さと哀しさがより輝いていると評し得るでしょう。
  互いの心の空白を埋め合い、虚無への復讐と愛情を抱き続ける小夜子と勇太についてはある意味では救済の側面があり、この二人が今後どういった暗闘を繰り広げるかには興味がありますが、莉子とストーカー男性についてはそれぞれ真っ暗な未来と死が待ち受けるバットエンドを迎えており、莉子の人間としての悲しい絶叫が響き渡るラストシーンの絶望感は読後の余韻を非常に悪いものとしています。

【個々に強烈な印象を残す3人の狂人達】
  エピローグに登場する莉子の友人や、回想で登場するストーカー男性の母親など、意外にサブヒロインの登場数は多いですが、基本的には惨劇に巻き込まれてしまった莉子とその惨劇の原因の一人である小夜子がエロ的にもメインの女性キャラクター。
前日談である連作「歪んだ唇」では、凌辱エロの加害者側であった小夜子ですが、本作ではストーカー男性にレイプされる展開があったり、勇太に精神的にも攻撃されたりと被害者側の立場にもなっています。とは言え、その凶悪な惨劇の中でも、例え禍々しく歪みながらも自身の純粋な愛情を保ち続け、そのために苛烈な手段や過去の放棄を決して厭わない強さは彼女を魅力的なキャラクターにしています
  ストーカー男性と並んで本作の惨劇を加速させる死にたがりの狂人・勇太もまた印象的なキャラクターであり、過去の大きな喪失によって狂い、独特の女性観・死生観を生きる姿は凌辱の悲劇がもたらすものの大きさを示唆する役目を有しています。ある意味で小夜子とはお似合いのキャラクターでもあります。
  黒髪ロングで釣り目の女教師・小夜子については、どちらかと言えば小柄な肢体であり、スレンダーな体に並乳クラスのバストを装備させたボディデザイン。これに対して、ポニーテールでチアガールの部活をしていた活発な少女・莉子は、比較的巨乳よりのバストの持ち主で健康的な色香のある美少女となっています。
f57f9335.jpgとは言え、莉子のその健康的な色香や清純な印象は苛烈な凌辱劇の中で喪失されていくものであり、特大サイズの肉棒による度重なるセックスや常軌を逸した異物挿入、フィストファックなどにより無残に拡張される性器、性器や乳首へのピアッシング、女の命である綺麗な黒髪の断髪など苛烈な行為によって、無残な姿になってしまうことが凌辱エロの過激性と悲劇性を雄弁に語っています(←参照 長編第8話より)。
  登場人物の狂気や恐怖、絶望を雄弁に語りだす絵作りであり、そこが魅力であると同時に、ベースとなる絵柄自体は素朴なキャッチーネスのある漫画絵柄。女の子の可愛らしさが目立つことは少ないのですが、小夜子の妖しい美しさや莉子の可愛らしさなど、要所において凌辱エロの惨劇とのアクセントを生む要素を表現できています。

【凶悪な行為と悲愴感漂う恐怖と快楽の痴態】
  無慈悲な、というか慈悲という概念が存在するのか怪しい狂人達が繰り広げる凌辱は、前述したヒロインの心身の破壊を伴う非常に苛烈なものであり、エロ漫画業界でも屈指の激しさを有します。凌辱系が苦手な方はもちろん、ある程度耐性がある方でも興味本位で手を出すレベルではないことに要留意。
前述した通りに各話のボリュームはあまり多くないものの、エロシーンメインの作品構築であることに加え、凌辱エロとしての行為の過激性やヒロインのリアクションの激しさなどもあって体感的なボリュームはげっぷが出るほどに強いと評し得ます。
 ストーカー男性の常人離れしたサイズの肉棒や、自らのトラウマから大量のピアッシングをした勇太の魔改造ち○こ、大量のイボ付き特大バイブなど、凶悪なフォルムの男性器や性玩具を投入して、女性器やアナルをゴリゴリと蹂躙することに加え、性感帯へのピアッシングや薬物投与、フィストファック、子宮姦、電撃、スカトロ関連の行為など、非常に強烈な凌辱行為が目白押しになっているのも大きな特徴の一つ。
  苦痛表現もあれば、茫然自失として嗚咽を漏らしながら体を揺さぶられる様子や、すっかり快楽に狂ってしまい破滅的な快感に喜悦をまき散らす痴態なども投入していますが、そこにアッパーな印象は無論なく、単純に行為如何ではなく、登場人物たちの置かれた立場の悲惨さをこれでもかと叩き出すエロ描写となっています。
PigsAreMeatInDarkness4.jpg  演出的にも過激性を追求しており、涙と涎に塗れた恐怖の表情に白目をむいたアへ顔、恐怖や快感での獣じみた絶叫やすっかり羞恥心も消え去った卑語だらけのエロ台詞、栓の壊れてしまった秘所からのお漏らしや愛液の噴出、内側から押し上げられるお腹など、これでもかと過激な表現を連発(←参照 長編第2話より)。それらの表現は、エロ漫画的に定番のソレではあるのですが、凌辱エロとしての凄味がそれらの効果を著しく高めており、演出としての凡庸さがないのは流石の一言。
  フィニッシュシーンにエロの盛り上がりの最高潮を持っていくエロ漫画的に標準的な構築とは無縁なスタイルであり、ヒロインの肉穴に白濁液を注ぎ込む描写のパワフルさには十分な配慮をして複数ラウンド制を形成しつつも、そこがオーラスの盛り上がりというわけではありません。悪く言えば、メリハリに乏しいエロ展開とも言えるのですが、容赦なく連続する過激なプレイの圧倒的な攻撃性で終始爆走するエロシーンであると言えるでしょう。

  過去作品へのアンサー的な要素を有するという点も加え、オイスター先生にしか描けない世界観の作品と評することが可能で、過激な凌辱エロとして読み手を圧倒しつつ、人の愚かしさへの哀切に思わずため息が出るシナリオワークは素晴らしいところ。
オイスターワールドが生み出した二人の怪物・小夜子と勇太が今後どうなるのかは大変興味深く、彼らの再登場に是非とも期待したいところ。強烈な作品を読みたい方には、自身の凌辱耐性とご相談の上、一読をお勧めしたい1冊でございます。