FirstLoveTribute.jpg TVアニメ『銀河機攻隊マジェスティックプリンス』第24話(最終話)「宇宙に散る花」を観ました。ここまでも戦闘シーンの激しさの表現が素晴らしかったですが、最終話も勢いのある戦闘を繰り広げていましたね。実に王道として素晴らしいロボットアニメでした。
概ね綺麗にまとまりましたが、ちょっと思わせぶりな描写がありましたので、今後に何かしらの新規展開があるかもしれませんね。

  さて本日は、MARUTA先生の『初恋トリビュート』(富士美出版)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『彼女属性』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
  個々の味わい深さがある青春ストーリーと健康的な思春期ボディが快楽に染まる艶っぽいエロ描写が楽しめる作品集となっています。

FirstLoveTribute1.jpg  収録作は、クールな性格で高身長・貧乳ボディのバスケ少女と主人公のラブ&エロな日々をつづる中編「僕と彼女の比較的内緒の日常」全3話(←参照 クールだけど意外にエッチ大好き 同中編第2話より)+同中編にサブキャラとして登場するレズ女子コンビの番外短編、お兄ちゃん大好きな妹の兄とのセックスを経たことでの決断を描く連作「プリティシスター大作戦」前後編、美しい双子の兄妹が図書委員の少女を倒錯的な性愛に導く中編「空蝉」前中後編。
なお、中編「空蝉」は、山吹色の髪・白い肌の兄妹を中心人物とするシリーズ作であり、これまでの単行本にもたびたび同名の作品が収録されています。今回は前単行本の連作「空蝉」の直前の時間軸に当たると推測されます。
1話当りのページ数は全て20Pと、コンビニ誌初出としては中の上クラスのボリュームで固定。エロ、シナリオ共に重厚な作りではありませんが、共にじっくりと読ませる仕上がりとなっており、作品世界に浸る心地よさがあるタイプと言えるでしょう。

【様々な様相を示す性愛の純粋性】
思春期後半の若い男女の恋愛模様を描き出しつつ、その作劇の方向性は多彩な作家さんですが、今単行本では得意とする3タイプの作劇をいずれも読むことができます。
中編「僕と彼女の比較的内緒の日常」は健康的な雰囲気の青春恋愛譚であり、クールな高身長ガールと優しい少年とラブエロ模様を優しく描き出します。ちょっとしたトラブルやコンプレックス等も、純粋な恋心や性的欲求を通して解決し、穏やかな日常の中での幸福を獲得していく流れは、“生としての性”への優しい賛美であると言えるでしょう。
3e1cca97.jpg  これに対し、連作「プリティシスター大作戦」は“お兄ちゃん大好きな妹”というラブコメ的にベタな理想的キャラクター像を逆手に取ったスタイル。その類型を利用してセックスへと誘導し、性行為を肉体的に気持ちの良いものとして明示しながら、無邪気な笑顔の中に秘められた妹の気持ちをしっとりと描き出していくことで、未来志向でありながらも哀切を漂わせるラストへとつなげていきます(←参照 涙の訳は 連作後編「プリティシスター大作戦Girl’s Side」より)。
この手法は、“デレることが許されないツンデレ美少女”というキャラクターを用いた連作「ツン6/デレ4初夏」「ツンデレ9/デレ1早春」(『彼女が恋人を好きになった理由』(富士美出版)に収録)と同様のものであり、幸福な青春恋愛模様を優しく温かい雰囲気で包むのが上手い故に、逆にそれがままならない場合の悲しさやもどかしさが対比的に印象に残ります。
  長いシリーズの一部を形成する中編「空蝉」は、『キミの好きな女の子のカタチ』(富士美出版)に収録の中編「椿」などと同じく、幻想的で退廃的な雰囲気を有する作品であり、“生としての性”というよりかは、倒錯的で麻薬的な“死としての性”を描くタイプ。今回の中編では、純朴な図書委員の少女が妖しい双子にかどわかされ、倒錯的な性行為に溺れていくのですが、激しく快楽を求めながらも決して満たされることのない空虚さが作品に漂っています。
本シリーズは来年に完結とのことで、至る所で倒錯の快楽の味を他者に教えては去り、自らも性行為に興じ続ける双子が、何処から来て何処へ行くのか、大変楽しみにしております。

【日常間を大切にしたキャラデザインのJK美少女】
  青春の性愛を描くというスタイルが一貫していることもあり、登場ヒロインは女子高生キャラクターでがっちり固定。男女ともに、性や恋に関して無智では決してないものの、それらに対して成熟した理解・判断を有していない年齢層として描かれています。
さばさばしたクール系スポーツ美少女や、お兄ちゃんラブな妹キャラクター、ちょっと地味系で真面目だけども性的好奇心旺盛な図書委員など、割合にキャッチーなキャラクター設定を用いていますが、典型的な魅力は担保しつつもそこに依存し過ぎた平板なキャラクターになっていないのは作劇の巧さと直結する要因。
FirstLoveTribute3.jpg  ボディデザインについては、高身長のスレンダーボディにすらりと長い四肢と貧乳バストを組み合わせたケースや(←参照 中編「僕と彼女の比較的内緒の日常」第1話より)、逆に健康的な肉付きの良さがある控えめ巨乳ボディ&太眉のキャラクターなど、相応にバリエーションを用意。
どちらかと言えば、ボン・キュッ・ボンのグラマラスボディや、均整の取れたモデル体型などのセックスアピールの強さや華やかさに欠けるボディデザインであり、キャラデザインとしても比較的地味系であると言えます。キャッチーで華やかな二次元美少女をお求めの諸氏にはやや不向きですが、作品の日常間の形成には欠かせない要素であり、また浮世離れした美しさのある双子兄妹との見た目の対比にも貢献しています。
  適度な乱れを含ませつつ、描線の強弱、画面の濃淡を的確にコントロールする丁寧な作画はそれ単体で魅力であり、丁寧に描かれた背景の中に浮き上がる少女達の白い肌のコントラストは日常を脱した幽玄の美があると評しても過言ではないでしょう。
ベテラン作家さんらしく絵柄は高いクオリティで安定。健康的な印象が先行しつつ、艶っぽさも強い絵柄はユニークなタイプであり、読み手によって好みが分かれるかもしれませんが、表紙絵と中身の印象の差異はありませんので、ジャケ買いしても特に問題はないと思われます。

【程好い濃さで描かれる熱量と喜悦に溢れたセックス】
  若い性愛を描く作品であるため、性描写のシーンでも心情描写が為されており、エロとシナリオが分離不可能な構成。このため、抜きに徹底的に集中しやすいとはやや言い難い一方で、濡れ場の尺は十二分にあると言えるでしょう。
純粋である故に直向きな性的欲望が発現されるセックスは、男女双方が更なる快楽を求めて高ぶっていく描写となっていますが、ある程度の激しさを描写に含ませつつ、行為への耽溺をじっくりと描き出していくことに重きを置いている印象があります。
  野外でのセックスや見せつけプレイ、百合少女同士のレズセックスや近親相姦など、倒錯的なシチュエーションを選択することが多く、アモラルな雰囲気を醸し出しています。とは言え、それらは思春期ボーイ&ガールズの性愛の純粋性を損なうような“歪んだ”ものでは決してなく、ある種“若気の至り”の行為とも言えるかもしれません。
  エロ展開においては前戯パートの質・量を共に充実させており、ヒロインがフェラなどの行為で男性を気持ちよくさせようとする誠意や愛情を感じさせる表現、また女性の柔らかい肢体に触れる喜びと女性側にとって触れられる喜びを込めた愛撫の描写などが特徴的。
FirstLoveTribute4.jpg  前戯パートからナチュラルに移行する抽挿パートにおいては、ヒロインの健康ボディが快感に素直に反応し、じっとりと汗や愛液に濡れていく痴態を描き出しており、演出手法自体はそれほど派手でない一方で、適度な密度の擬音や官能的な表情付けによって程好い濃さの煽情性を生み出しています(←参照 中編「空蝉」後編より)。
  小ゴマ~中ゴマを比較的多用するため、やや込み入った画面構成となることのは好き嫌いが分かれる可能性がありますが、行為の進展を情報量豊かに描き出す手法であり、またその分ここぞの大ゴマ絵の威力が増しています。中出しフィニッシュのラストも1Pフルに近いボリュームで描いており、全体的に調和の取れたエロの盛り上がりが形成されていると評し得ます。

  特に作劇面に関してこの作家さんの魅力がフルに味わえる1冊という印象が個人的にはあり、ファンにとっても初めて読む方にもお勧めできる最新刊。
「空蝉」シリーズの行き先も大変期待しておりますが、ショートヘアのスレンダー貧乳ガールがエロ可愛い中編「僕と彼女の比較的内緒の日常」が抜き的に最愛でございます。