IntoTheBlueBelt.jpgTVアニメ版『恋愛ラボ』第6話「最低伝説リコ」を観ました。慌てるリコちゃんが実に可愛かったですが、あんな対応されたらガラスのハート(死語)の思春期男子はそりゃ傷ついてしまいますわな。
なかなか個性的な男子も登場して生徒会役員達の恋愛練習はどうなっていくのでしょうかね。そして大宙さんの思春期男子の上手さはエロ澄さんで証明済みだ!

さて本日は、世棄犬先生の『青線地帯』(ヒット出版社)のへたレビューです。かなり古い作品ですが、司書房時代の『DOGMAN』のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。

IntoTheBlueBelt1.jpg 収録作は、父・ゼウスの命でオリンポス軍を率いてポセイドンの軍勢と戦うも、敗れた軍神アテナは捕えられ捕虜の前で辱められることに~な「ギリシャ危機!」第1~2話(←参照 何かの作品の登場人物にも似ていますがきっと気のせいです 同シリーズ第1話より)、および読み切り形式の短編6作。
 1話・作当りのページ数は全て24Pと中の上クラスのボリュームで固定。基本的にストレートにエロメインの作品構築でありつつ、話としての読み応えとはまた異なる作劇面の存在感があるタイプと言えるでしょう。

【鋭い風刺からお馬鹿パロディまで多彩な作劇】
 サブカル方面からの評価も高い作家さんであり、今回も漫画としての面白さを追求しつつ、そこにたっぷりとエロ描写を投入してくるスタイル。
とは言え、積み上げられてきた定型を上手に利用することで、ごく滑らかにストーリーの中にエロを織り込んでいく現在の洗練されたスタイルとは結構な違いがあり、ある種の無理矢理さを以て遮二無二エロ描写を叩き込む手法は、泥臭いながらもノスタルジックな頼もしさを有しています
0a7ce1f5.jpg 作劇の方向性にしても、相変わらずの引き出しの多さを見せており、前述の「ギリシャ危機」シリーズでは神話ファンタジーの形式で戦闘ヒロイン凌辱エロを展開したり、女捜査官の登場するスペースオペラチックなSFを描いたりと硬派?なタイプも用意しつつ、実在のバラエティ番組(「モヤモ○さまぁ~ず」)をエロパロ化したり、年金不正受給問題(および高齢者所在不明問題)や大手生保による保険金不払い問題(←参照 “疑わしきは払わず”のために戦え!生保レディ! 短編「保険の時間」より)といった時事ネタをエロ的に弄り倒したりと、お馬鹿なパロディ・コメディも目立ちます。
 その一方で、人間が“文明化”された妖怪によって“資源管理”され計画的に“捕獲”されるという世界観のファンタジーを通じて、人間中心の観点からの捕鯨および鯨食問題について強烈かつ鋭い皮肉を叩き出す短編「妖怪教室シェド7」は、その構成の妙も含めてこの作家さんらしいストーリーテリングと評し得ます。
 良くも悪くも“しょーもなさ”で楽しませる作品が多いこともあって、作品間の印象の差異は大きく、読み手の好みの分かれるところかもしれません。

【何処かで見た様な気もするグラマラスボディの美女達】
 女神や妖怪といった設定のキャラクターもいるため、ヒロインの年齢層の把握はやや難しいものの、少数名のティーン美少女を除けば20代前半~30代半ば程度の美女達が登場しており、特に20代半ば~30代半ば程度の年増美人がメインを占めていると言えます。
現代日本を舞台とする作品では、生保レディやご当地アイドル、福祉生活課の地方公務員など、ファンタジー作品では女神や銀河連帯軍の潜入捜査官、人造妖怪などといった設定の女性キャラクターが登場しており、作劇の多彩さに合わせて様々なキャラ設定が用いられています。
IntoTheBlueBelt3.jpg アニメやゲームに登場する人気ヒロインのキャラデザを模倣するというのは、エロ漫画においてもしばしば認められるものであり、今単行本の作品群ではそれがかなり徹底されているのですが、その元ネタと思われるのは『宇宙戦艦ヤ○ト』(2199の方じゃないですよ)『聖○士星矢』『ダ○ティ・ペア』『シティ○ハンター』等々、1980~90年代のアニメ作品に登場したキャラクター達であり、読んでいると今が21世紀である事実とのギャップに襲われます(←参照 たぶんコーヒーを淹れるのは下手 短編「ムラムラなま~ず」より)。
一部を除いて作劇の元ネタとシナリオの題材はほとんど一致しないため、キャラデザだけを拝借した上で明確にオリジナルの作品に仕上げている一方で、多少同人エロ的な雰囲気も漂っていると感じます。
 一部の美少女キャラクターではある程度バストサイズを控えめにしていますが、それでも巨乳の部類に含められる水準であり、年増美人さんを中心に肉感豊かな巨乳・巨尻の豊満ボディでほぼ固定しています。現在のエロ漫画的で王道的な洗練されキャッチーさもありつつ煽情的なタイプではあまりなく、野暮ったさも含めた官能性がある肢体描写とも言えるでしょう。
 女性キャラクターのキャラデザをより元ネタらしくするため画風もネタ元の作品に近似させているため、絵柄の印象は作品によってある程度の変化が認められます。漫画チックな親しみ易さのある絵柄ではありますが、現代的な萌えっぽさやオサレ感などとは無縁であり、かなりオールドスクールなタイプなので、特に若い読者には抵抗感があるかもしれません。

【パワフル&ハードで野卑な煽情性のあるエロ描写】
 ベテラン作家ながら現在のエロ漫画スタイルへの順応を相応に示しており、シナリオ展開に合わせたエロシーンの分割構成がしばしばありながらも、濡れ場の尺は十分に設けており、作品の構成自体は抜きツールとしてしっかりしていると評し得ます。
 戦闘ヒロイン凌辱エロのスタイルを取る作品が多く、その場合では王道的なエロシチュエーションの盛り込みも含めてストレートな抜きツールとなっていますが、パロディ系の作品ではエロシーンも含めてギャグ要素としているケースがあるため、実用的読書への供しやすさは作品によって異なっているとも感じます。
 エロシチュエーションに関しては、棚ボタ的なお気楽エロも投入しつつ、比較的ハード&アブノーマルなタイプのものが多く、触手姦や羞恥プレイ、各種器具を用いた異物挿入や輪姦といったものを投入。これらの行為が投入される場合でも必ずしも凌辱エロというわけではありませんが、基本的にラブエロ系を期待することは出来ません。
IntoTheBlueBelt4.jpgなお、エロシーンの構成に関しては前戯パートを長く取ることが多く、豊満ボディへの性的な悪戯も含めてその肢体の感触や見た目を楽しませつつ、パイズリやフェラなどのち○こへの奉仕をねっとり描写(←参照 誰かに似てますがきっと気のせいです 短編「妖怪教室シェド7」より)。この際、肌にべっとり張り付く白濁液や、肉竿に吸いついて頬が凹む“ひょっとこフェラ”など、猥雑感のある描写を濃い目に盛り込むことが一つの特徴でしょう。
 前戯パートに圧迫されて、抽挿パートが短めになることも多いのですが、乱痴気騒ぎでも凌辱エロでも二本挿しになることが多かったり、巨大なペニスを突き込まれたりと、ピストン運動をパワフルに描く傾向が明瞭であり、結合部見せつけ構図の多用などもあってフィニッシュまで力走しています。
 過激なエロ演出を含めても全体の調和を損なわない“洗練された攻撃性”や、ハードであってもヒロインの可愛らしさを維持するバランス感覚などの現代的なスタイルとはやや異なり、旧来の劇画的な激しさ・淫猥さを伸長させたスタイルという印象もあり、そこらの好みは実用性に大きく影響すると思われます。

 作劇・エロ共に読み手をかなり選ぶタイプと言えますが、昔からそういった作家性の持ち主であるため、個人的にはむしろ安心したとも評し得ます。
レビューに当たって、実用的読書にはちゃんと供しましたが、前半部からのシナリオの転換の上手さとしっかりとしたテーマ性が光る短編「妖怪教室シェド7」が最愛でございます。