SilverPop.jpg東村アキコ先生の『かくかくしかじか』第2巻(集英社)を読みました。先生の熱心な指導と主人公の頑張りですっかり忘れていたのですが、た、確かに美術としての絵描きではなく、漫画家を目指していたわけで、思わず「あーー、そうだった!」と呟いてしまいました。
しかし、金沢まで親切心で来てくれたにも関わらず、語り合えずに帰らせてしまったエピソードは何とも寂しいお話でございました。

 さて本日は、けものの☆先生の『SILVER★★POP』(コアマガジン)のへたレビューです。成人向けとしては約5年ぶりの新刊となりますが、前単行本『YELLOW☆POP』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい(当ブログ初期のレビューなので文章の不味さとか様式の変化等はご容赦下さいませ)。
テンション高めなコメディの楽しさと男女のラブラブ感の甘さ、ユニークな造形のヒロイン達の蕩けっぷりで魅せる作品集となっています。

SilverPop1.jpg 収録作は、主人公のお家に押し掛けて精液奉納なエッチ三昧を楽しむ二人の稲荷神さんが主人公を巡ってドタバタ模様な「YELLOW☆POP」シリーズ第5~7話(←参照 キツねえと伏見ちゃんのエロバトル 同シリーズ第5話より)+描き下ろしの幕間劇第7.5話、鬼神の如き強さを誇る美人格闘家の旦那さんとの新婚イチャイチャ子作りライフな中編「燃エロッ!!お嫁さんっ」全3話、および読み切り短編2作。
なお、「YELLOW☆POP」シリーズの第1~4話や今単行本収録の短編「幸運の霹靂2」の前日談?などは前単行本に収録されており、該当単行本が既読であった方が魅力が増しますが、5年前の単行本なので入手はやや難しいかもしれません。
 描き下ろしのおまけ幕間劇を除き、1話・作当りのページ数は24~32P(平均26P弱)と中の上クラスのボリュームで推移。ドタバタ模様で楽しく読ませつつ、エロシーンのボリューム感も十分確保したバランスの良い作品構築と言えます。

【リズムの良いコメディと程良い甘い幸福感のラブコメ】
 成年向けでも一般向けでも基本的な作風は共通しており、ヒロインのキャラクター性をチアフルに活かしつつ、陽性のコメディと適度な甘さを備えたラブコメディを展開。
 今回の「YELLOW☆POP」シリーズは、前単行本の第1話~第4話でメインであった佶ねぇのライバルキャラクターであった伏見さんとの関係に焦点を当てた展開となっており、主人公を巡る三角関係的なドタバタ模様を描いています。
992a7214.jpg登場人物の漫画チックに楽しい感情表現が大きな武器であり、高い神格に相応しく?傲岸不遜な伏見ちゃんが、素直になれずに不器用な迫り方をしたり、上手くいかずに拗ねてしまったりといった描写で(←参照 伏見様かわいいよ伏見様 「YELLOW☆POP」シリーズ第6話より)、そのキャラクターの魅力と恋愛の幸福感を高めているのが◎。
 格闘家らしく豪快でカラッとした性格ながら旦那さんの前では可愛らしい振る舞いとなる中編「燃エロッ!!お嫁さんっ」のヒロインや、短編「無敵のスマイル」に登場する純真無垢な甘えんぼさんであるロリ姪っ子ちゃんなどのキャラクター描写でも、感情表現の美点は共通しており、ヒロインへの愛着を高めています。
 ラブコメ系としては、オーソドックスな美点に忠実と言える一方、コメディの勢いでリズムよく展開を回しつつ、要所要所で甘い幸福感を発生させることで、甘ったる過ぎず、軽過ぎることもない読書感になっているのが最大の美点と評し得るでしょう。
 ちなみに、コメディ面に関しては、ちょっと懐かしいゲーム/漫画の小ネタやパロディが散見されるのも一つの特徴であり、個人的には嬉しい要素。

【ケモミミヒロインへのこだわりは相変わらず】
 短編「無敵のスマイル」に登場のローティーン級と思しきロリっ子ちゃんから、中編「燃エロッ!!お嫁さんっ」にサブヒロインとして登場する30歳前後の人妻さんまで年齢層は比較的広く、また「YELLOW☆POP」シリーズや短編「幸運の霹靂2」ではキツネ美女達が登場。
初心な俺っ娘の空手家若奥様や、世話焼きでエロエロな稲荷神の佶ねぇ、高飛車系ツンデレの稲荷神・伏見様、天真爛漫なロリっ子、童貞喰い大好きなキツネガールコンビなどなど、ある程度の定型で固めつつも、前述したチアフルな感情表現によって凡庸に縮こまらない魅力的なヒロイン描写となっているのが美点でしょう。
SilverPop3.jpg たっぷり巨乳を中心に豊満ボディの佶ねぇと、華奢な細身ボディに貧乳装備の伏見様で好対照を描いていますが(←参照 伏見さまの泡姫プレイ 「YELLOW☆POP」シリーズ第6話より)、これに加えてボディデザインは様々でちんまいボディにぺたんこバストのロリボディや、スレンダー巨乳な人妻さんなども登場。また、エロ水着や体操服などの各種コスプレ要素や、格闘美人や稲荷神など、キャラクターに合わせて“それっぽい”キャラデザを細かく設定しているのも○。
 キツネのケモミミヒロインに並々ならぬ入れ込みを示す作家さんであり、「幸運の霹靂」シリーズの様にケモ耳&尻尾を装備させた漫画的にオーソドックスなキャラデザを中心としつつ、今回の「YELLOW☆POP」シリーズでは、毛皮やマズルなども存在する、よりキツネに近い形態に近い形態を取ることもあり、ケモナー諸氏には大きな加点材料。もっとも、一般的な嗜好の諸氏にとっては、引いてしまう要素になる可能性には要留意。
 ツリ目や男性っぽい雰囲気など、標準的な美少女キャラクター造形では忌避されがちな要素をチャームポイントとしてキャラデザに組み込むことに定評があり、ここもヒロインのユニークな魅力に貢献。
これらの要素が一種のクセ、アクとして減点材料になりえますが、絵柄自体が相当にキャッチーでカラっとした印象があることで程良く中和。初出時期に結構な幅がありますが、絵柄は単行本を通して安定していると言え、コメディタッチのデフォルメ絵柄やお色気感たっぷりのエロ絵など、作画の自由闊達さも魅力的。

【適度なアタックの強さで整えたラブラブH】
 前述した通りに、シナリオはコメディとしての面白みをちゃんと形成した上でエロシーンへとつないでおり、シナリオパートは比較的多めである一方、展開のテンポが良いこともあってエロシーンの分量は抜きツールとして十分な多さとなっています。
 明るいラブコメ作品群ということもあり、エロシチュエーションは和姦縛り。好き合う男女のラブラブ感を強めに出す作品もあれば、棚ボタ感やソーププレイやら分身しての多人数H、ケモノボディを生かしての尻尾コキや毛皮モフモフといったプレイを絡めるセックスなど、シチュエーションやプレイに拘ったケースも存在。
 前戯パートと抽送パートの分量配分も概ねバランス良く仕上がっており、前戯パートでは女体各所の感触を味わったり、ヒロインのウィークポイントである乳首や秘所を丁寧に愛撫したり、はたまたフェラやパイズリのご奉仕を楽しませて貰ったりと、十分な尺の中で抽送パートへの盛り上がりを形成。
SilverPop4.jpg エロ演出に関しては、派手ではあるが過度では無いというタイプであり、シナリオパートで魅力を高められたヒロイン達が、すっかり盛りの付いたエロメス・フェイスを曝け出したり、想像以上の快感に蕩けた表情を示したりしつつ、舌ったらずなハートマーク付きラブエロ台詞を連呼して行く描写は、十分なインパクトを有しつつヒロインの地の魅力を損なっていないと評し得ます(←参照 エロくてキュートなアクメ顔 中編「燃エロッ!!お嫁さんっ」第2話より)。
たぷんたぷんと揺れ弾む乳揺れ描写や、大股開きでの結合部見せ付け構図、最奥までの挿入を強調する透過図・断面図など、煽情性を増強する作画・演出も盛り込んで勢いのある描写となっており、多回戦仕様を繰り広げつつ大ゴマ~1Pフルの中出しフィニッシュへと駆け込んでいきます。
 斯様にパワフルな和姦エロとして定番の魅力をしっかりと抑えたエロ描写となっているのですが、エロに関して今単行本の最大の難点は性器描写の白塗り修正であり、コンビニ誌掲載時並のかなり厳しい水準。諸般の事情もあって、この点を責めるのは作者・出版社に対して酷ではあるものの、読み手によっては相応に大きな減点材料となることは留意しておいて下さい。

 一般誌に本格進出したこともあって、中編「燃エロッ!!お嫁さんっ」が単行本化されずに終わるであろうと残念に思っていたのですが、エロ復帰のおかげでこうして単行本にまとまったことは、ファンとしては嬉しい限り。
日焼け肌が素敵な空手家若妻さんのギャップ的な可愛らしさが魅力の中編も勿論お気に入りですが、伏見さんの魅力的なキャラクターが掘り下げられた「YELLOW☆POP」シリーズが最愛でございます。