FairyBust.jpg沙村広明先生の『ベアゲルダー』第1巻(講談社)を読みました。セックス!アクション!バイオレンス!あと吐瀉とか!とまぁ、実に沙村先生らしい新作で実にゾクゾクしますな。
あとがきにある通り、昔の東映エロ&バイオレンス路線まんまの骨組みではあるのですが、そこらの露骨さ(露悪さ)がより洗練されて整えられているなぁと感じます。

 さて本日は、宮社惣恭先生の『あやかしおっぱい!』(富士美出版)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『ふぇちち!』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
柔らか巨乳な妖怪ガールズと繰り広げるエッチで賑やかなラブコメディが楽しめる作品となっています。

FairyBust1.jpg 収録作は、故郷の町に戻ってきた主人公の青年は幼馴染の雪女さんと再会し、彼が新しく住むことになった住人達も妖怪の皆さん達でそれぞれの賑やかな日々を描くシリーズ長編10作+描き下ろしの番外編7P。
なお、本作は前々単行本『ちちみこ!』(同社刊)に収録の長編「お山の社が大変だ」と同一世界を舞台としており、同作の退魔巫女・神楽さんも番外編を含めてちょこちょこ登場しています。
 描き下ろし番外編を除き、1話当りのページ数は20Pとコンビニ誌初出としては中の上クラスのボリュームで固定。基本的にはシナリオ軽めでエロも重過ぎも軽過ぎもしないライトさを保った作品構築と評し得るでしょう。

【軽い読み口を維持するラブコメディ】

 作風としては、この作家さんらしい軽快なラブコメスタイルを保っており、10話中6話を占める雪女・初雪さんとその幼馴染・秋巳君の恋愛ストーリーである「追憶のスノウホワイト」シリーズを中軸に、他のアパート住人達それぞれの色恋沙汰を描くオムニバス形式を取っています。
メインの主人公と言える秋巳君はあくまで初雪さんとの恋愛関係を大事にしているため、アパート住人全員を巻き込んだハーレム作品を望んではいけませんが、それぞれのキャラクターがハッピーにラブ&エロを楽しんでいる快活さは明確に出されていると言えるでしょう。
 この平和な住人達の生活に一波乱を巻き起こすのが、初雪さんのママンにして雪女とサキュバスのハーフである・真雪さんなのですが、ここで引き起こされる騒動はそこまでシリアスなものではなく、ドエロでドSなママンによる催淫での乱交三昧という事態が生じています。
2ae9c22f.jpgこの騒動の解決を乗り越えることで大団円的なハッピーエンドに向かうのですが、ママンとのエロ勝負そのものよりも、主人公と初雪さんの関係が単に性欲や妖怪としての特性によるものではなく、誠実な恋愛感情で形成されていたことを再確認することでハッピーエンドへ至らせているのは心地良いところ(←参照 初雪さんの心配をちゃんとフォロー!タツジン! シリーズ第9話「追憶のスノウホワイト5」より)。
 お約束的な終盤の乱交騒動など、軽めのノリをキープしていますし、「追憶のスノウホワイト」シリーズ以外ではストーリー性はより淡白ではあるのですが、人間と妖怪という種族を越える恋愛の純な逞しさが軽くであっても表現されていたのは評価したいところ。
また、そういった作劇面での軽さ・お約束感が決して減点材料にならず、ストーリー全体の朗らかさ・平和さが終始保たれていることでの魅力があるラブエロ話であると感じます。

【キャッチーな性格付けと絵柄で描かれる妖怪美女達】
 登場ヒロインが全員女妖怪であり、例えば初雪さんのお母さんである真雪さんにしてもキャプキャピした(死語)美少女であるなど、年齢設定はほぼ重要ではありません。見た目的には概ねハイティーン美少女~20代半ば程度の綺麗なお姉さんタイプと考えておけば大丈夫でしょう。
普段は清楚で大人しい大和撫子なれどエッチの差異には大胆に乱れる幼馴染キャラの初雪さんを筆頭に、ショタボーイに夢中な強気お姉さんな蜘蛛妖怪さん、ちょっとヤキモチ焼きで男勝りな妖狐さん、ぼんやりしているようでちょっと腹黒な人魚さんなど、キャッチーなキャラクターを多彩に用意して賑やかさを出しているのはこの作家さんらしい特長。
FairyBust3.jpg 基本的に皆さん人間形態を保っており、妖怪キャラクターといえどモンスター娘的に凝ったデザインを望むのは不可能ですが、狐耳&もふもふ九尾や(←参照 メイド服装備な妖狐さん シリーズ第5話「嫉妬と服従のフォックステイル」より)、悪魔角&ゴスロリ服な座敷童子さん、浅黒い肌の人魚さんなど、キャラデザインに適度なアクセントを付けて人外キャラらしさを醸し出しているのは嬉しいところ。
コンビニ誌的な制約もあってか、普段はぺたんこバストなロリ体型でもエッチの際にはたっぷり巨乳ボディに変化する座敷童子さんも含め、たっぷりバストやカタチの良いヒップなど出るとこは出たスレンダー巨乳ボディでボディデザインを統一。
ややデフォルメ寄りで臭味の少ない女性器描写、綺麗なピンク色で慎ましいサイズの乳首・乳輪を先端にいただく柔らか巨乳など、各体パーツそのものに強い淫猥さがあるのではなく、肢体全体で綺麗にまとまった描き方に美点があるスタイルと言えるでしょう。
 適度にシャープな描線をくっきりと引くキャッチーで健康的な二次元絵柄は、2000年代前半の角川/電撃系で主流であった絵柄を想起させるタイプで、多少オールドスクール感がないわけではないものの、幅広い訴求層にとって親しみやすいタッチであると想われます。

【程良い強度のエロ演出で彩るヒロイン達の痴態】
 標準的なボリュームで統一されており、シナリオパートもサクサクと進行することもあり、エロシーンも概ね標準的な分量でまとまっており、たっぷり長尺ではないものの実用的読書に供するには十分。
 真雪ママンの魅了の術による催淫乱交や、ドSな彼女を逆に強気に攻め立てるお仕置きエロなどのシチュエーションもあり、ちょっぴり嗜虐性を含ませたケースもありますが、概ね和姦エロで統一されており、男女双方がセックスの快楽を甘受する様がラブコメ的なアッパーさと噛み合っています。
とは言え、その標準的なラブエロ系の範囲内でアナルプラグを用いて二穴責めをしてみたり、二人の妖怪ガールと3Pエッチをしてみたり、女妖怪同士でレズセックスをしてみたりと、ちょこちょこ状況・プレイの変化を設けて単行本として飽きさせないのは○。
FairyBust4.jpg 作品全体感のライト感は、エロ演出が総じて大人しめであることも理由であり、キュッと瞳を閉じて快感や羞恥をこらえる官能的な表情付けや絞り出す様なハートマーク付きの矯正、結合部から漏れ出す淫液とぬめった水音などでヒロインの痴態を彩っており(←参照 シリーズ第4話「押し掛けアダルト/チルドレン」より)、アヘ顔や台詞の連呼といった悪く言えばドギツイ演出はほとんど用いないスタイルと言えるでしょう。
その一方で、柔らかく撓むおっぱいも含め、女体そのものの健康的な色香を煽情性の基盤として機能させており、特に大ゴマでの肢体の存在感や結合部や表情アップを入れ込んだ構造などは長所であってエロ面でのインパクトを形成。
 1回戦仕様のケースもあれば、抜かずの2連発を投入する複数ラウンド制もありますが、お口ご奉仕と中出しフィニッシュで前戯・抽送両パートに抜き所を設ける標準的なエロ展開を順守するケースが多め。随時ぶっかけを絡めたり、たっぷりとした中出し精液を溢れださせたりと、過剰にならない程度に演出面での盛り上がりを図っています。

 コンビニ誌ラブコメとして見本的な作品構築であり、いい意味で軽い読み口と適度な密度と勢いのあるエロ描写が楽しめます。
かなりの余談ですが、説明でちらっと登場する褐色肌巨乳のサキュバスさんがすごく良かったので、今度は妖怪漫画の御大リスペクトで西洋妖怪VS日本妖怪とかどうでしょう(妄言)。