PlentyFallenGirls.jpg近木野中哉先生(原作:鎌池和馬氏)の『とある魔術の禁書目録』第11巻(スクウェア・エニックス)を読みました。能力面も含めて共通する部分も多いながら、黒子の“強さ”と淡希の“弱さ”の源泉がよい対比を為していましたな。
しかし、アニメ版ではあわきんが一方通行さんに敗れるリョナシーンがしっかり力入っていたのにコミカライズはあっさりし過ぎで大変に残念ですな(ため息

 さて本日は、夏庵先生の『堕女ヅクシ』(コアマガジン)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『オトメドリ』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
肉感ボディの美少女達と織りなすドス黒い寝取られ凌辱エロと甘ラブ模様なラブコメディが同時に楽しめる1冊となっております。

PlentyFallenGirls1.jpg 収録作は、真面目な委員長とその友人の二人が主人公の男性教師を信頼し、想いを寄せるも彼女達はそれぞれ不良生徒や不良教師の毒牙にかかり~な中編「NNN」全4話(←参照 肉便器にされる委員長 同中編第1話より)、ガラの悪い不良に純情な少女が騙され使い捨てられる短編「オトメ狩り」+フルカラーモノローグ8P、および読み切り形式の短編5作。
フルカラー作品を除き、1話・作当りのページ数は14~24P(平均18P)と書店売り誌初出としてはやや控えめな部類。といっても、特に寝取られモノを中心にヘビィな読書感を生んでおり、エロシーンの満腹感も高く仕上がった構築となっています。

【悪意に浸される寝取られエロと善良なラブエロ模様の対比】

 作風としては、純情な女の子が悪漢の毒牙にかかって堕ちていく(堕女)ダークな寝取られエロと、美少女の乙女チックな可愛らしさを重視する甘いラブコメとを両立させており、本数的には前者をメインとしつつ両方が混在する構成はこれまでの単行本と共通。
 寝取られ・凌辱系のシナリオワークにおいては、大切な人を守ったり状況を打開したりしようとする善良な想いが更なる状況悪化を引き起こすという“負の連鎖”をえげつなく展開させるのがこの作家さんの真骨頂であり、友人や想い人を守るための行為が抜けだせない深みにハマっていく中編作や、自分を騙した相手への縋る様な信頼を裏切られ続けてズタボロにされる短編「オトメ狩り」などのシナリオは、寝取られ耐性の弱い諸氏にとって胸糞悪くなること請け合いです。
騙され裏切られ続けるヒロイン達の悲愴感を抽出することに重点を置くため、主人公との関係性の描写が少なく、寝取られエロとしての醍醐味はやや弱く凌辱エロとしての色彩が強いものの、あり得たかもしれない幸福な関係を悪役達によって破滅させられる喪失感・無力感は苦い余韻を強烈に残します
“善良”ではあるが彼女達の変容に対して無力な主人公達に対し、悪役である寝取り側の暗躍やゲスな言動が実に生き生きとしているのも作品のダークな雰囲気に大きく貢献。短編「オトメ狩り」では主人公の手によって非道の悪役に復讐の鉄槌が下されますが、それすら救いの無いラストを迎えており、凌辱・寝取られ系ではビターなバットエンドで読み手の救済への希望を手酷く打ち壊しています
PlentyFallenGirls2.jpg これに対して、ラブコメ系ではキュートで純情なヒロイン達の恋心が幸福に成就する真逆の様相を呈しており、寝取られエロでは堕ちる遠因となるヒロイン達の不器用さが彼女達の魅力を生み出しているのもなかなかに素敵(←参照 不器用ヤンキー娘の素の表情 短編「モモオニっ!!」より)。
 両者の作風が混在することに対して読み手によって評価が分かれるとは思いますが、その分寝取られ・凌辱系の黒さとラブエロ系の甘さがそれぞれ鮮明になる利点があり、好事家の諸氏にとってはスパイシーでピーティーなスコッチと甘いミルクチョコレートの様なハーモニーを楽しめる構成と評し得るでしょう。

【程良い“だらしなさ”もある肉感ボディの純情美少女達】
 短編「ヒメハジメ」に登場する姪っ子ちゃんこそJCっぽいロリ色があるものの、ヒロイン陣はミドル~ハイティーン級の女子高生キャラクターで統一されています。
 真面目な委員長キャラや気弱な少女、無口な不思議ちゃんにキツイ言動・態度のヤンキー娘など、割合に明確な属性付けをした上で、“不器用さ”を重視したキャラクター造形が共通しており、そこが恋愛関係で救済されるか凌辱の付け込み口となって破滅を導くかが作風によって異なるところ。
また、特に寝取られ系を中心にして、ヒロインの変容をキャラクター描写における肝としており、清純であった乙女達が繰り返される凌辱・調教の果てにビッチなスキモノガールへと成り果てるのもこの作家さんの十八番。
PlentyFallenGirls3.jpg 貧乳寄りのスレンダー娘やロリっぽさのある女の子といったタイプも数名存在する一方、メインとなる巨乳ガールズに関してはボディデザインに適度な“だらしなさ”を含ませており、ほんのり垂れた柔らかバストや丸い輪郭を描くもちもちヒップにいい意味で下品な官能性があるのが実用面の基盤を形成しています(←参照 ぽよんぽよんバスト 中編「NNN」第2話より)。
キャッチーな絵柄をベースとしながら適切な濃さ・重さがある絵柄である分、この肉感的な肢体の煽情性はよく増しており、ことに柔肌のもっちりとした質感が強いのは美点。
 キャラデザインには十分な差異を設けつつ絵柄は単行本を通して安定しており、表紙絵と中身のモノクロ絵にほとんど差異を感じないのも安心材料と言えるでしょう。

【処女ヒロインのモチモチボディが快楽に染め上げられるエロ描写】
 寝取られ凌辱・ラブコメディの両作風共にシナリオワークのパターンをしっかり決めていることもあって、エロシーンへの導入はスムーズであり、美少女ヒロイン達の痴態をたっぷりと鑑賞可能。
清純な乙女が快楽に蕩けるという変化自体は双方のシチュエーションに共通するものの、片や甘い恋愛感情が消化される幸福なセックス、片や強制される性的快楽に精神的抵抗を瓦解させられ快楽の虜に堕ちるダークな過程と趣向は明確に分かれています。
 凌辱系の作品においては、行為のエスカレーションという点も重要であり、処女を散らされた彼女達が更なる過激なプレイに追い立てられ、輪姦や孕ませ、アナルセックス、搾乳など徐々に取り返しがつかなくなっていくシークエンスも雰囲気のドス黒さを高めています。
PlentyFallenGirls4.jpg ラブエロ・凌辱系で雰囲気こそ異なるものの、エロ描写の構図・演出に関しては共通する部分も多く、乱れた描き文字で表現される余裕の無いエロ台詞や中出しを強調する露骨な結合部見せ付け構図(←参照 短編「オトメ狩り」より)、ヒロインの上下のお口を汚すドロリとした白濁液の描写などで、アタックの強さと濃厚さを有したエロ描写としています。
また、男性の手に揉まれる巨乳や肉棒を加えてすぼむ頬など、女体の柔らかさを前戯・抽送パートの双方に渡って重視することで、その肢体への征服欲を喚起するのもシナリオの趣向の別なく共通。
 複数のシチュエーションを投入するケースではやや駆け足気味のエロ展開となることはありますが、複数ラウンド制を基本として抜き所を多数確保し、膣内射精の勢い・インパクトを視覚的にも台詞的にも重視するフィニッシュでがっつり〆ている構成も実用性を大きく高めています。

 寝取られエロの畳み掛ける様な負の連鎖の描写で魅せつつ、甘いラブエロを差し挟むことで双方の魅力がしっかり増す得意技が今単行本でも発揮されており、一粒で二度美味しい1冊。
寝取られエロであれば三者三様の堕ち方で最悪のバットエンドに合流する中編「NNN」が、ラブエロ系であれば怖そうな容姿と言動に隠されたキュートな純情乙女な部分が可愛らしい短編「モモオニっ!!」がそれぞれ特にお気に入りでございます。