
しかし、ミーアの脱皮お手伝いのエロイ・アトモスフィアはなかなかなもので、人外ヒロインである故に可能な新たな性癖の喚起はこの作品の面白いところ。あと、セレアさんのデリケートなところを洗いたいです!
さて本日は、ヤスイリオスケ先生の『恋愛不要学派』(マックス)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『ショッキングピンク!』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
ドタバタ&変態プレイな学園コメディの快活さとすべすべ柔らか美巨乳が魅力のヒロイン達の蕩ける痴態が魅力の1冊となっています。

フルカラー掌編を除き、1話当りのページ数は16~24P(平均19P強)とコンビニ誌として標準的な部類。長編作ではありますが、基本的には軽く楽しい読み口が身上と言えるシナリオであり、エロも軽過ぎず重過ぎずのバランスでまとまっています。
【登場人物達の快活なエロパワーが楽しいドタバタ劇】
ドエロなヒロインを擁した上でのドタバタラブコメディという、この作家さんの得意とする作劇はキャラクターのキャッチーな魅力とあっけらかんとした快活さが面白さの中核を形成。
メインヒロインの鷹乃さんによる露出・羞恥系プレイや、サブヒロイン達によるソフトSMプレイやアナルセックスへの挑戦などアブノーマルなプレイ・シチュエーションを投入していますが、あくまで合意の上での行為として描いているので嗜虐性や倒錯性はエロのスパイスのみに留めています。
また、このご都合主義的な設定に加え、千代丸君に調教“される”側でありつつも状況を主導し、後輩の双葉を巻き込んでいく立場でもあるキャラクターとして鷹乃さんを描いていることによって、各登場人物の能動性が作中で生き生きとすることにつながっています。

作中でのエロ行為は、能動性や探究心によって引き起こされつつ、恋愛感情を介在したものではないとストーリー序盤では鷹乃さんによって断じられており、それが恋愛の介在を重んじる双葉ちゃんのスタンスの違いでもあるのですが、単行本タイトルと言うまでもなく反してメインヒロインが彼女なりの“愛”の感情を取り戻すことがストーリー終盤の主要素。
彼女のトラウマを拭い去り、かなりの不思議キャラでもある千代丸君の本心を明らかにする終盤のちょっとしたシリアステイストはやや蛇足の感はあるものの、テーマ性として非常に好感の持てる要素であり、同時にコメディの軽さ・楽しさも維持することで読み口を過剰に重くしなかった設計も○。
【柔らかくたわむ美巨乳揃いのJKヒロインズ】
第5話に登場する生徒会メンバー男子のお姉ちゃんのみ女子大生クラスの女性ですが、その他の女性キャラクターは学園コメディということもあって女子高生級の美少女達で統一。
品行方正な生徒会長と思いきやエロエロ痴女で、ドMかと思いきやドSな要素もある鷹乃さんの奔放なキャラクターを大きな魅力としつつ、真面目だけどプレイに徐々にハマっていく後輩ちゃん、おっとりドMな風紀委員長にツンデレ姉貴と漫画チックに楽しいキャラクターが揃っているのも長所でしょう。

“張り”よりも“柔らかさ”を重視し、ほんのり垂れ気味のおっぱい描写はそれ単体で十二分な魅力である一方で、バストを特に強調した絵や構図はあまり認められない傾向にあり、しっとりと濡れた肢体全体を魅せる中に乳描写に一定の存在感を持たせて組み込んだスタイルと言えるかもしれません。
どちらかと言えば控えめサイズの乳輪や、デフォルメ寄りの女性器描写など、粘膜描写も淫猥さが過剰にならない様に抑える傾向にあり、女体描写の端正さを維持。なお、ストーリー序盤では陰毛が生えていた鷹乃さんが、中盤以降は他のキャラクターと同じくパイパンな股間になっていたのですが、きっと剃毛プレイでもしていたのでしょう。
絵の上手い新鋭作家が続々と登場する中では、売りであるキャッチーな絵柄もやや埋没し気味という印象はあるものの、コメディタッチの魅力を支える印象の明るさや、エロシーンにおいて官能性を滲み出させる程良い濃度はキャラ・エロ双方の魅力に大きく貢献しており、単行本通して表紙絵と同クオリティで安定しています。
【美しくも熱っぽい陶酔描写で魅せる変態チック・エロ】
各エピソードはコンビニ誌初出として標準的なボリュームを有しているものの、キャラ同士の掛け合いやシチュエーション作りなどドタバタコメディの描写にも重点を置いていることもあり、エロシーン、特に挿入後の抽送パートが量的に物足りないことがあるのは確か。
ただ、この分量的な物足りなさを補うのは、柔らかくも熱っぽい陶酔感の打ち出しや前述の美巨乳を中心とした女体のエロさと美しさ、露出や調教、3Pセックスといったシチュエーションそのものが持つ攻撃性・ゴージャス感といった美点であり、実用性に関しては十分なものがあります。
また、複数ヒロイン制を生かして複数の組み合わせでの3Pセックスがあったり、同一キャラクターに関してアナルセックスと前穴セックスを両方ご用意したりと、サービス精神豊かなシチュエーション選択も魅力の一つと言えるでしょう。
前戯パートと抽送パートの分量配分は概ね適切であり、展開に余裕が無いことに加えてヒロイン達のキャラクター特性もあって、前戯パートから蕩けた表情を浮かべて変態チックなプレイを満喫しています。決して大量に描き込む訳ではないものの、行為が進むにつれて柔肌をしっとりと濡らす汗の表現や、秘所からトロトロ漏れ出る愛液の表現等は、女体の官能性を底上げする要因として機能しています。

揉みこむ指に合わせて柔らかく変形したり、抽送に合わせてたぷんたぷんと揺れたり、ポージングによっては両脚や両腕に挟まれて柔らかさを強調したりと、一定の存在感を示すおっぱい描写であるものの、乳吸いやパイズリといった巨乳ならではのプレイがほぼ無いのは非常に残念ではあり、おっぱい星人の諸氏には大きな減点材料となる可能性を留意して頂きたいところ。
個人的にはもっとおっぱい充実を期待していたので、評価を下げる部分はあるものの、楽しい読み口の良さと程良い濃厚さのあるエロ描写の組み合わせは王道的な訴求力があるなと感じるところ。
あと、黒髪ロングのミステリアスな巨乳美少女という設定は何だかんだ言って強力であるなと改めて感じた作品でありました。