TeacherAndMeA.jpgTeacherAndMeB.jpgせがわまさき先生(原作:山田風太郎氏)の『十~忍法魔界転生~』第1巻を読みました。過去に故・石川賢先生の漫画版もある、山田風太郎氏を代表する作品のコミカライズですが、『Y十M~柳生忍法帖~』も描いているせがわ先生なので安心の漫画化ですな。
しかし、せがわ先生の描く女性は何とも艶っぽくてたまりませんなぁ。

 さて本日は、岡田コウ先生の『せんせいと、わたしと。』上下巻(ヒット出版社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『好きで好きで、すきで』(ヒット出版社)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
不器用で一途な恋物語と凶悪な陶酔感に溢れるエロ描写で魅せる長編ストーリーとなっております。

TeacherAndMe1.jpg 収録作は、言葉少なで不器用でありながら主人公である男性教師に対して非常に積極的なアプローチをかける少女と、彼女の行為・関係に激しく葛藤しながら徐々に惹かれていく男性教師の恋愛模様を描く長編「ぶきような人」全8話(←参照 黙って手を取って 同長編第1話より)+それぞれ幕間劇、後日談である描き下ろし2本(上巻に2P、下巻に10P)、同作に登場するサブヒロインのスピンオフである短編「花や蝶や」、および読み切り形式の短編4作。
なお、上下巻それぞれの構成は、上巻が長編第1~5話+短編「花や蝶や」、下巻が長編第6話~最終8話+独立した短編4作となっています。
 描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数は14~56P(平均29P弱)と平均しても標準を上回る部類ですが、今回落ち穂拾い的に回収した単行本宣伝用の短編を除外すれば平均は更に上がり、長編作は毎エピソードが非常に強い分量を有してシナリオ展開とエロの尺を充実させています。

【登場人物達の不器用さによるもどかしさで読ませる恋愛物語】
 “大人である自分に積極的に行為を示してくれる少女”というエロ漫画的にはオーソドックスでありながら、特に教師と生徒という関係を踏まえて現実的に考えれば主人公にとって非常に“危険”でもあるヒロインを登場させ、そこへの疑念や葛藤を主人公に持たせます。
下巻に収録の短編「家族計画」など、これまでの作品でどす黒い欲望が沁み込むダーク&インモラルな作品も描く作家さんであるため、言葉少なながらも積極的な“理解不能”な少女と、真面目である故に彼女との関係に悶々とストレスを溜めていく教師との構図において、この互いにズレた関係性が両者の破滅へと至る危険性を序盤において感じさせています。
 しかしながら、本作は、この作家さんのダーク系作品では歯止めが効かずに広がっていくコミュニケーションのズレが、お互いに非常に不器用でありながら誠実に相手のことを考え、受け止めていくことで解消され、やはりお互いに過去に悲しいものを持っている男女が幸福に結ばれることを可能にしていきます。
TeacherAndMe2.jpg片や大人しく引っ込み思案、片や生真面目な理屈屋で言動が厳しい二人は、体を重ねることで互いの信頼感を高めていくと共に、二人の関係に介入するサブヒロインがもたらす“危機”を乗り越えることで、互いの絆を確かなものに再生させており(←参照 やっと言葉で伝えられた想い 長編第7話より)、ここらの展開はなるほど、確かに王道的な少女漫画スタイルであると感じるところ。エロ漫画的な王道を逆手にとって展開させると思いきや、別の王道に回帰することが展開としての面白さとも評し得るかもしれません。
 二人の中に危機をもたらしたサブヒロインの少女も、主人公と決定的に結ばれることはないものの、スピンオフ短編での描写も含めて重要な役回りを作中で有しており、異性関係などにおいてヒロインと対比を形成。ストーリー展開に緊張感をもたらす存在でしたが、“悪人”として描くのではなく、彼女は彼女で不器用な一人の女の子として描いていたのも読み口の良さを保つ一因でしょう。
 作劇のコンセプトが割合にシンプルであることを鑑みると、上下巻2冊での構成は冗長な印象が無いわけでは無く、評価を分ける可能性は多分にありますが、登場人物達の不器用さが魅力である分、そこらの展開のじれったさは特に人物描写に関して重要な魅力であるとも評し得るでしょう。

【ちんまいボディのロリ系JC】
 短編群の一部でランドセルガールズも登場するものの、長編作やそれに関連する短編群などでは中○生美少女達でヒロイン陣を統一しています。
後述する様に肢体造形がかなりロリ色強いことに加え、ローティーン級の少女達に関しては顔の造作などをJS・JCで明確に分けないこともあって、幼さを強く残したキャラデザインが特徴的。
 文章表現と視覚表現を巧みに組み合わせて魅せる心情描写に魅力がある作家さんであり、少女達の明暗の感情をしっとりと紡ぎ出していくスタイル。特に、無口で大人しい性格である故に“体”を使って好意を伝えようとする様が危うくも感じられる長編作のヒロインの描き方は秀逸で、その一途な恋愛感情がモノローグ、そして続いて出てくる台詞によって徐々に明らかになっていくことで、主人公にとっても読み手にとっても愛おしさを高めていくヒロイン描写となっているのは◎。
TeacherAndMe3.jpg 古典的なセーラー服やさらさらとした質感の黒髪でも“清楚な少女”像を強化しつつ、丸みを帯びながらも未だ肉付きの弱い体幹とそこに備わるほんのり膨らんだ薄いバスト(←参照 長編第2話より)、華奢な四肢に未成熟な秘裂が走るプニプニの股間等、ロリ的な体パーツでがっちり固めた肢体描写と言えます。
このボディデザインそのものはロリキャラの描き方として非常にオーソドックスである一方、少女漫画チックに軽く柔らかいタッチで描き出すことで、萌えっぽさ重視の絵柄とはまた異なるキュートネスを生じさせているのが特徴。
初出時期が古い作品では、現在の絵柄と濃密さやキャッチーネスの強弱で差異を感じる部分はあるものの、ふわりと柔らかい描線でありながら非常に綿密に描き込んで官能性を高めると共に、重くなり過ぎることはない調節力の見事さは一貫しており、“少女漫画チックな絵柄でドエロ”というコンセプトが割合に一般的である現在のエロ漫画ジャンルにおいて、他者の追随を未だ許さない美点と評し得るでしょう。

【濃密で強烈な陶酔感と技巧的なページ構成がずば抜けた特長】
 長編作においては、悪く言えば展開の冗長さに拍車をかける要因ではあるものの、たっぷりと用意されたエロシーンの中で前戯・抽送両パートでねっとりと行為を描き上げており、物理的にも体感的にもボリューム感が非常に強いエロシーンを形成しています。
 玄関に入った途端に行為が開始され、舌と体を絡め合いながら寝室へと移動し激しく乱れ合う長編第4話における圧巻の切迫感が特に印象的ですが、行為の堪え難い誘惑とそれを実行する強烈な解放感と禁忌感を作品の雰囲気に練り込むことで実用性を底上げしているのは、シナリオ面からのエロシーンへの援護射撃。また、この構図において、逆に“余裕”を以て行為に及ぶ一部の男性キャラクターはその悪辣さを鮮明に示す設計となっているのも特徴でしょう。
TeacherAndMe4.jpg この作家さんのエロ描写の最たる特長は、毎回レビューで描いておりますが、上述の切迫した欲望の打ち出しをした上での強烈な陶酔感による飽和であり、可愛らしい顔がぐしゃぐしゃに蕩け、潤んだ瞳にぐずぐずのハートマークを浮かべ、乱れた線で描かれる言葉にならない喘ぎ声を絞り出す痴態描写は、和姦・凌辱の別なく凶悪なレベルで快楽がヒロインを浸食しているものとして表現されています(←参照 長編第8話より)。
その分、例え和姦であっても嗜虐性を相応の強度で有する描き方であるといえ、イラマチオ気味のフェラで小さなお口を征服し、漏れ出す白濁液可愛らしい顔に塗り込んだり、キスや性感帯弄りで小刻みな絶頂を繰り返すヒロインを的確な抽送で更に追い込んでいくピストン描写があったりするのがその好例。ダーク系では非常に明瞭でありつつ、ラブラブHでは、この嗜虐性・攻撃性を過剰にならないように巧妙に織り込んでくるコントロール力も流石というべき点。
 また、作画、特に画面構成の技巧はこの作家さんの強力な武器であり、同アングルの並行配置の間に位置関係を踏まえた上での局所アップの配置、結合部アップ構図のコマを徐々に大きくしていく複数コマ配置、同一シーンの別アングルを対称に配置、斜めのコマ割りの多用などなど、コマをぎっちり詰め込みながら演出意図が非常に計算されたコマ割りをしているのは唸らされる点で、実用面にもしっかり寄与しています。
 ヒロインの肢体をたっぷりねっとりと弄ることに重点を置く前戯パートではフェラからの射精シーンを投入しないこともありますが、基本的には複数ラウンド制であり、抜き所は豊富。強烈な陶酔感の波状攻撃から迎えるフィニッシュも十二分に強烈な陶酔描写となっていますが、長編作の前半ではシナリオの要請上、外出しフィニッシュが基本となっていることには中出し原理主義の諸兄は留意されたし。

 この作家さんとしてはやや大人しめの作劇であり、その分、2巻またぎの長編として構えるには物足りなさも感じますが、少女であるヒロインと大人である主人公それぞれのキャラクターとしての魅力が恋愛ストーリーとしての作品の魅力に大きく貢献していることは間違いなく、しっかり読めてがっつり抜ける作品であることも確かです。
これまで未収録作であった作品が回収されたこともファンとして嬉しいですし、また読み口の良さが素敵である分、新規のファンにも幅広くアピールできる最新刊と言えるでしょう。愛らしいロリっ子がお好きの諸氏にお勧め!