LoveHeatElektra.jpg 秀良子先生の『STAYGOLD』第1巻(一迅社)を読みました。秀先生のBL作品は大概好きなのですが、今回も大当たりで、読んでいて胸がきゅんきゅんします。優士の駿人への想いの複雑さと、駿人の鋭くも純粋な想いの対比が実に素敵。
秀先生の作品はキスシーンが非常に印象的なのですが、駿人の不意打ち的なキスはなかなかに鮮烈でした。

  さて本日は、カタセミナミ先生の『発恋エレクトラ』(ジーオーティー)の遅延へたレビューです。なお、先生の前単行本『蜜月ハニー』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
清楚系美少女さんと織り成す誠実な青春ラブストーリー&変態チックな趣向のエロが楽しめる作品集となっています。

LoveHeatElektra1.jpg  収録作は、普段は厳しくも優しい弓道部部長の凛々しい美少女さんが実は緊縛願望のあることを主人公が知ってしまい、そこから始まるストレンジ・ラブな中編「縛ってアイして。」全4話(←参照 部長さんの意外な一面が 同中編第1話より)+サブキャラを交えての番外短編、および読み切り形式の短編3作+描き下ろしのヒロイン座談会漫画3P。
おまけの描き下ろし掌編を除き、1話・作当りのページ数は18~32P(平均25P強)と中の上クラスのボリュームで推移しています。口当たりがよく、適度に存在感のある作劇と、十分な分量と程良い濃厚さもあるエロシーンが噛み合った作品構築になっていると評し得ます。

【エロのアブノーマル要素を絡めつつ誠実な青春ラブ模様】
  若人たちの誠実な恋愛模様と、純粋な性的欲望が薄暗さを伴わずに素直に解放されるエロ描写に定評のある作家さんであり、今単行本も概ねその路線を維持しつつ、エロ面でのちょっとした倒錯性の添加が今回のポイント。
手先が器用な手芸部部員の主人公が憧れていた弓道部部長さんの被虐性癖を知り、彼女にSMプレイをお願いされ、彼自身も拘束道具などを頼まれて手作りするようになる中編作は、二人の恋愛関係の成熟と倒錯行為の進化をストーリー展開の両軸としています。
この展開の中で、SMプレイ時のヒロインの淫らな姿に引き込まれ、プレイを徐々に過激化させてしまうことに、主人公の少年自身が危機感を覚え、彼女を傷つけたくないと真摯に考えているのが大きなポイントであり、単純に行為の過激性・嗜虐性を追求したシナリオではありません。
LoveHeatElektra2.jpgSMというものが、攻め側と受け側の双方の信頼や気配りがあってこそ初めて成立することは、単純に性欲を互いに発散するのではなく精神的な絆こそが大切であるという性愛関係の本質がこの中編作においては正しくリンクしており、アブノーマルプレイの背徳の香りを立ち込ませながらもピュアな少年少女の恋愛ストーリーとして誠実に成り立たせています(←参照 どんな形であれ愛し合う二人は素敵なのだから 中編「縛ってアイして。」第4話より)。
  幼馴染の先輩美少女がエロ動画で興味を持ったち○こを見せてくれと言い出し、そのまま彼女の言いなりに~な短編「俺のセンパイがアレで困る件。」、入院中の彼氏君のために彼女さんが恥ずかしがりながらもナースコスプレして夜中に忍び込んでくれる短編「コスチュー夢トライ!」などの短編群も、逆レイプやコスプレ要素などのちょっぴり変態チックな要素を含みつつ、素直な恋愛ストーリーとしてまとまるタイプと言えます。
  棚ボタ的な展開も含め、シナリオの骨子はごくオーソドックスなものと言えますが、王道的な展開にしつつもテンプレ的な退屈感や冗長さはなく、シンプルながらも上品で適度な甘みのあるラブエロ話にまとまっていると感じます。

【エロシーンと日常シーンの変化が魅力の清楚系美少女】
  ヒロイン陣の年齢層はハイティーン級の女子高生~女子大生を中心としつつ、20代前半クラスのお姉さんも登場しており、いずれも主人公の男性よりも年上のお姉さんであるということが一つのポイント。
LoveHeatElektra3.jpgロリっぽい可愛らしさというよりも、年上キャラということもあって適度に成熟した色香と清楚さを有する美少女キャラクター達なのですが、普段は凛々しかったり、年下の主人公をからかっていたりする彼女達が、エロシーンなどにおいて主人公への健気な恋心や性行為への羞恥心や陶酔感を曝け出すという変化が(←参照 普段はサバサバした年上彼女さんの羞恥フェイス! 短編「コスチュー夢トライ!」より)、ヒロイン描写上の最たる勘所であり、エロの実用性を増すポイントと言えるでしょう。
  なお、中編作では大和撫子なヒロイン・棗部長が弓道着・制服・体操服それぞれに拘束道具を使用した着衣エッチを披露してくれることに加え、短編作でも体重が気になるむっちりお姉さんがきつくなったウェイトレス衣装を見せてくれたり、彼女さんがナースコスプレ&セクシーランジェリー姿を彼氏君のためにしたりと、着衣セックスと服装もなかなかに充実。
  短編「俺のセンパイがアレで困る件。」に登場する、年上の幼馴染だけど、身長低目で前髪パッツン&メガネで黒ストッキング装備という属性持ち大歓喜のヒナ先輩は細めボディでちっぱいの持ち主ですが、その他のヒロイン陣は健康的な肉付きに程好い量感の美巨乳&桃尻、前述の年上彼女さんを除けばツルツル仕様の股間をお持ちの肉感ボディの持ち主。
分かり易いセックスアピールを有した女体造形ですが、乳尻の量感や性器などの粘膜描写の淫猥さを過剰に前面に打ち出すことなく、女体の美しさ・端正さをキープしながら官能性を打ち出すことに成功していると言えるでしょう。
  前単行本に比較して、このレーベル2冊目の今回は絵柄の統一感・安定感がしっかりとしており、繊細な描線で端正かつ上品にまとめつつ、時々ふわっとした柔らかさや濡れ場におけるコントロールされた乱れを織り込んでいます。

【清楚系美少女達が淫らに乱れる倒錯系ラブラブH】
  ページ数にある程度の幅があるため、エロシーンの尺の長短もエピソードによって多少の変動もありますが、基本的には各エピソードのボリュームが十分であることもあって、抜きツールとして信頼性のある分量をしっかりと用意してヒロイン達の痴態を鑑賞させてくれます。
前述した様に、コスプレHや拘束SMプレイ、顔面騎乗と尻コキによるヒロイン側が攻めるプレイなどなど、各種の特殊な趣向を絡めており、そのプレイの中でヒロイン達が時に淫靡に、時に初心に変化しつつ、素直な恋心を確認していくラブラブHとしての側面もシチュエーションに含有させています。
LoveHeatElektra4.jpg特に中編作のSMプレイは、上述の着衣変化の他にもプレイ内容がよく充実しており、主人公お手製の各種拘束具を使用して凛々しいヒロインを拘束してハードなピストンを加えると共に(←参照 目隠し+口輪+手錠 中編「縛ってアイして。」第3話より)、目隠し&拘束状態での放置プレイや首輪をしてヒロインの眼前でち○こを“待て”でお預けにするワンコプレイ、スパンキングやアナルセックスのお仕置きプレイなど、様々なプレイでヒロインの反応を引き出していきます。
  尻フェチ主人公がロリ系黒髪メガネ先輩に顔面騎乗からフェラ&パンスト尻コキで攻められつつ後半では自ら積極的なピストンに変化する短編「俺のセンパイがアレで困る件。」や、主人公側が猫耳メイドコスプレの年上ヒロインに積極的に仕掛けるも後半ではヒロインの甘やかし抱き着き騎乗位でたっぷり抜いてもらう短編「スイーツ狂想曲」と、エロ展開前半と後半で攻防を変化させるのも尺が十分に長い故に可能な長所。
  エロ演出については、上品な色香のある絵柄の魅力を殺さない水準に抑えつつ、ある程度のアタックの強さも担保したものとなっており、端正な表情がトロトロに蕩けたり、くしゃっと乱れたりな反応で読み手の性欲中枢を刺激すると共に、汁気たっぷりの結合部見せつけ構図や断面図などをしっとりと汗に濡れる肉感ボディと組み合わせることで、スタンダードなエロ描写を高質で紡ぎ上げています。
  ヒロインのエロボディをねっとりと愛撫し、快感を高めたり、ヒロインのお口ご奉仕やお尻満喫プレイなどを投入する前戯パートにも十二分な尺を取っており、フェラや腋コキからのぶっかけや咽喉奥ねじこみ射精やヒロインの絶頂潮吹き描写などで前半の抜き所を形成しつつ、抽挿パートから突入する大ゴマ~2P見開きの分量でヒロインがアクメの歓喜に震えて肢体を仰け反らせる中出しフィニッシュと2段構えで実用性の強いエロシーンを形成しています。

  倒錯的なシチュエーションのアクセントがしっかり聞く分、和姦エロとして高い実用性を誇り、またヒロインの可愛らしさとラブエロ系としての甘さを生み出す作劇も読書感をよくしてくれています。
個人的には、年上バイトのお姉さんがむちむちボディを猫耳メイドコスプレに包んでラブラブセックスな短編「スイーツ狂想曲」と、凛々しい弓道部少女の妖しい痴態が多様なプレイで満喫できる中編作が特にお気に入りでございます。