FatherPleaseGiveUsFantasy  このブログを始めて大体8年半になるわけですが、好きな作家さんの新刊発売を待ち焦がれそれをレビュー出来た時の喜びというのを何度も味わってきましたし、それが続けてこられた一つのモチベーションだと思っています。
もちろん、コンスタントに作品が出てその都度読んでレビューできるのが最善ですが、待った時間が長ければ喜びもひとしおだなと感じます。

  さてそんなわけで、本日は御免なさい先生の『だから神様、ボクにしか見えないちいさな恋人をください。』(ジーオーティー)の遅延へたレビューです。前回から8年待ちました。復活おめでとうございます。なお、先生の前単行本(初単行本)『おませで御免!』(コアマガジン)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
ドライブ感溢れるコミカルでハートウォームな作劇とキュートな美少女を強烈なエロ演出で彩るエロシーンが詰まった作品集となっています。

FatherPleaseGiveUsFantasy1  収録作は、強烈な女尊男卑社会になり男性の貞操が非常に重要視されるようになった世界で男性を弄び、社会的に殺すために財閥令嬢達が設けたちびっ娘専用車両へ主人公は乗車してしまい、数多のちびっ娘達とのセックス勝負を強要されるのだが~という中編「脱出!ちびっ娘専用車両」前中後編(←参照 脱出に立ち塞がるちびっ娘軍団! 同中編作前編より)、および読み切り形式の短編4作。
収録本数こそ多くないものの、1話・作当りのページ数は22~44P(平均31P強)と幅はありつつ標準量を上回るページ数の作品が多く、単行本としての厚みは十分。短編・中編共にじっくりと読ませる作劇と、やはりじっくりと実用的読書に供せるボリューミィなエロシーンとで構成されています。

【純粋さの救済と幸福な少女性愛というファンタジー】
  後述する様に、作品を貫くテーマ性は作劇の方向性を問わずに一貫している作家さんなのですが、その表現の仕方は時にコミカル、時にシリアスと千変万化の形式で現れ、多彩な作劇それぞれがユニークな印象をもたらすという、いい意味でカテゴライズの難しい作風と言えるでしょう。
破天荒な世界設定の中での凌辱を伴うセックス勝負や(中編「脱出!ちびっ娘専用車両」)、棚ボタ的な展開からのラブエロ系ハッピー口リータ(短編「さわらぬ神にたたりなし!」等)、地下アイドル達の友情&大乱交ストーリー(短編「偉大なる詐欺団」)など、漫画チックな面白さ、はたまた異常さを備えた作劇には相応のインパクトがあります。
どちらかと言えば、ギャグ要素も含めて陽性の雰囲気で包み込んではいますが、そうであっても“現実”から乖離した描き方ではないのは大きな特徴であり、愛する対象に手をだしてはいけない少女性愛者の葛藤、同質でない者を排除するいじめ、偶像への一方的な執着とそれを搾取する者達、過度な差別解消による逆差別など、各作品中に織り込まれる要素は極めて現実的に深刻なものであると評してよいでしょう。
FatherPleaseGiveUsFantasy2  そういった登場人物達の“現実”において抑圧されていた欲望や怒り、個人の感情が溢れ出るように解放される様子(←参照 隠していた想いが溢れる 短編「ひなちゃんと歩くATM」より)、他者との関係性の中で自分が認められる喜びや安堵 の表現といった感情描写は素晴らしく、時に懸命さの伝わる台詞回しでエモーショナルに、時に包み込むような静謐さでしっとりと、時に読み手の胸に直接突き刺さる様な勢いで多様に描き分けるスキルは圧巻の一言。
また、短編「さわらぬ神にたたりなし!」のお馬鹿ギャグオチのようにまとめることもありますが、そういった個々の感情を吐露し他者を愚直に求める登場人物について、“善良なる者は救われるべき”という描き方は一貫しており、ギャグオチも含めてハッピーエンドに読者の祝福を呼び込むことに成功しています。
  無論、現実において善が必ずしも救われるわけではなく、年端もいかない少女達と幸福な性愛関係を現実において形成することが出来ないことは読み手も、おそらく作家さんも十分理解した上で、だから神様、個々人の優しく幸福な想像の中にいる少女という、ボクにしか見えないちいさな恋人をくださいと性愛のファンタジーへの望みを持つのであり、そして、その願いを十全に叶えてくれる作劇であると評したい所存。

【ガーリーな衣装で可愛らしさを増す女の子達の未成熟ボディ】
  短編「ロッカーの神さま」に登場するロッカーの神様・筐様や中編作のメインキャラクターである主従コンビの片方でおそらく中○生と思しき多波兵ちゃんなどはおそらく年長組ですが、概ねローティーン級の小さな女の子達で統一されたヒロイン陣。
高飛車お嬢様やクールなメガネっ子、負けず嫌いで耳年増な頑張り屋さんに天然系おつむゆるふわガールなどなど、相応にキャッチーな設定を盛り込んでいますが、分かり易い属性で固めることなく、前述した喜怒哀楽の感情を自然に引き出す巧さがキャラクター描写における要と言えるでしょう。
イージーにエッチに突入してしまうお馬鹿娘に加え、自らの欲望に葛藤しつつもあっさり欲望に屈する口リコン男性達は、ギャグ的な表現も含めてその愚かさを表現していますが、愚かであっても決して歪んだ存在としては描かれておらず、彼ら彼女らの純粋さがハッピーエンドへの帰結を可能にしていると感じます。
逆に、少女達を単なる性欲や搾取の対象としか見なかった男性達にはギャグ的ではあっても厳しい罰が作中において下ることが多く、ヒロイン達との信頼関係や恋愛感情には重い価値を置くスタイルと言えます。
FatherPleaseGiveUsFantasy3  アイドルのコスチュームやお嬢様のゴス口リドレス、ガーリーな私服、そしてもっさり女子ぱんつなどで年齢相応の可愛らしさを高めつつ(←参照 現代的なガーリー衣装に変身した神様 短編「ロッカーの神さま」より)、ぺたんこ~膨らみかけバストに寸胴な体幹、むにむにとした頬に独特の艶をだす膝小僧などなど、ちっちゃな女の子らしい体パーツを完備した未成熟ボディが勢揃い。
  描線の掠れや乱れを独特の魅力に昇華させる絵柄はふわっと軽やかな印象を保ちつつ、作画密度は全体的に非常に高く、余白を活かして見せるべき描写をしっかり見せるコマもあれば、描写をぎっちり詰め込みつつ視覚的なインパクトを最大限にする緻密なコマもあったりと、よく練られた作画を連続させています。

【強烈なエロ演出で彩る高密度な痴態描写】
  各作品に十分なボリュームがあるため、エロシーンもたっぷり長尺となっていることが多く、挿入までの前戯パートをたっぷり用意してヒロインの肢体の感触をたっぷり満喫することもあれば、挿入パートをメインとして中出し連発の強烈さで突き進む構成もあります。
  和姦シチュも数本用意しつつ、理不尽な扱いに激怒した主人公がちびっ娘軍団をち○こで制圧し、首謀者のお嬢様をズタボロになるまで蹂躙するハードな凌辱エロが展開される中編作や、アイドルの女の子が多数のファン達に犯される乱交エロが描かれる短編「偉大なる詐欺団」などもあるため、ラブラブHのみをご所望の諸氏は要留意。
ただし、凌辱・乱交系統のエロシチュエーションにおいても、ヒロイン達に前述したエモーショナルな感情表現を引き出すことに重点があり、中編作ではそれによって主人公は自らの過ちを認識しますし、短編「偉大なる詐欺団」では野郎連中はヒロイン達の絆を確認させる単なる竿役に過ぎないため、ヒロイン達は単なる衝動の矛先ではなく、一個人として丁重に扱われていると言ってもよいでしょう。
  ヒロイン達のすべすべボディをまさぐったり、小さなお口とキスを交わしたり、やはり小さく狭い膣を指でくにくにといじくったりな愛撫描写と、小さなお口で剛直を咥えて健気に頑張るフェラ描写などで前戯パートを形成。
FatherPleaseGiveUsFantasy4ここで射精することもあれば、そのまま挿入に移行するケースも存在しつつ、抽挿パートに移行すれば、激しい快感にヒロインが包まれ、その反応が男性達のやる気を更に高めてがむしゃらに腰を振り続けるパワフルなピストン描写を展開しており、全身を駆け抜ける快感を強調する衝撃表現や(←参照 脳天にビリビリと響く快感の衝撃 中編「脱出!ちびっ娘専用車両」後編より)、乱れた描き文字で表現されるハートマーク付きエロ台詞、涙や鼻水を漏らしてぐしゃぐしゃに乱れる表情付けなど、強烈なエロ演出を次々と重ねていきます。
  ち○こが小さな秘所を限界まで押し広げ、子宮口をノックする様を結合部見せつけ構図や断面図でがっつりと提示し、快感に飲みこまれて乱れまくる女の子達が強烈なアクメに身を震わせながら白濁液を注ぎ込まれるフィニッシュは、精液が勢いよく子宮内を満たすなどアクロバティックな表現も含めた断面図の追随によって強烈さを倍増させており、終始躍動感とアタックの強さで駆け抜けるパワフルなエロシーンを形成しています。

  初単行本からその類稀な才能で読み手を圧倒した作家さんですが、その魅力を更に高めて戻ってきた2冊目であり、シナリオ・エロの両面において荒唐無稽さと緻密さが同居する不思議な面白さがある作家さんだなと改めて感じました。
エロの強烈さとラストへの収束が魅力的な中編「脱出!ちびっ娘専用車両」と、秀逸な感情描写が特に光った短編「ひなちゃんと歩くATM」が特にお気に入り。口リエロ好きの諸氏はマストバイな傑作と評したいところ。