Reincarnation うすね正俊先生の『砂ぼうず』第18巻(エンターブレイン)を読みました。小砂の不気味なほどに冴えわたる“カン”ですが、いったいこの能力の源泉はなんなのでしょうかね?あの女狐さんそのものの能力ということはないでしょうが・・・
いよいよ謀略の渦中の村に現れたことですし、そろそろ本格的に砂ぼうずも動いてきそうですね。

  さて本日は、チバトシロウ先生の『り:いんかねーしょん』(文苑堂)の遅延へたレビューです。ベテランの作家さんですが、実は当ブログでレビューを書くのは初めてとなります。レビュアーとしてお恥ずかしい限り。
それはともかく、重厚で多層的なストーリー展開と美人お姉さんの肉感ボディを満喫なエロ描写がじっくり楽しめる1冊となっています。

Reincarnation1  収録作は、遺伝子改変技術の急速な進化とその暴走により人間の男性が化け物となり荒廃した世界の中で、ほぼ女性だけとなった人類の各拠点を巡り子種を授け知識を収集する人造男子とコミューンの女性が出会い・・・というハードSFのスタートを切る長編「Re: Incarnation」シリーズ全12話(←参照 男性とのセックスを求めて 長編シリーズ第1話より)。
1話当りのページ数は18~24P(平均20P強)と中の下クラスのボリュームで推移。とは言え、長編ストーリーとしての読み応えは十二分に強く、これまたボリューミィなエロシーンの満腹感も含めてじっくり楽しめる作品構築となっています。

【現実と創作のストーリーを行き来する多層的な作劇】
  荒廃した未来の世界で生きる女性達のコミュニティーに無表情な“人造男子”の少年が現れ、彼とのセックスに女性達が夢中になっている間にふとしたミスから化け物と化した男性達が拠点に雪崩込んできて・・・というハードなSF設定と衝撃的な破滅劇が冒頭3話で披露される本作ですが、なんとこの内容は登場人物の漫研部員達が描いている漫画作品であることが4話で判明するのもまた衝撃的。
このちょっと冴えない漫研男子達が上記SF作品の創作に励んでいたものの、そこに綺麗なお姉さんが現れ、お姉さん達のセックスに夢中になった彼らのオタライフは引っ掻き回されることになるオタク男子&お姉さんの青春模様が描かれています。
  ハードSFとオタク男性青春ストーリーという、一見全く方向性が異なる作劇が平行して展開されていること自体も面白いのですが、本作の最大の面白みはこの2つの異なる設定で描かれているテーマが完全に一致し、相互補完的に作用していることです。
「見知らぬ“異性”との接触」、「それによる“危機”」、「効率的な快楽欲求だけでない“他者への愛”の価値」、「そして“閉じられた世界”からの解放」といったストーリー要素は両方の作品に共通するものであり、片方ではSF的な展開としてのハッピーエンドを、片方では青春活劇としてのハッピーエンドを滑らかに迎えさせています。
Reincarnation2  漫研男子の3人やお姉さんヒロインコンビなど、“現実世界”での登場人物達と、帰らが描く漫画作品の登場人物達に役割をリンクさせている点も(←参照 現実と想像 長編シリーズ第7話より)、二つの世界のストーリー進行が登場人物達を介して互いに影響を与え合っていることをよく示しています。
  この作品が漫画であり、また現実世界の漫研部員達も作中で漫画を描いていることも象徴的で、“人間は現実の中に想像を観るし、また想像の中にも現実を見出す“という現実と創作の相互補完性を読み手に心地よく伝えるパワーがあり、またそのために構築が丁寧に練られた長編であると評したい所存。

【巨乳&桃尻な豊満ボディのお姉さんヒロイン達】
  “現実世界”編ではオタ男子達の心を乱すエロエロお姉さんと幼馴染の優しいお姉さんのダブルヒロイン体制、“SF世界”編ではアイラという女性をメインに据えつつコミュニティーで生活する多数の武装お姉さん達が登場。
いずれも男性キャラクターに対して年上の女性キャラクターであり、また漫研部員の男子達も大学生にしては幼さを感じさせるキャラデザインであるため、この作家さんお得意のおねショタ的な組み合わせを両方のストーリーで基調としています。
  作品のテーマ性に沿って、“現実世界編”ではビッチなエロエロお姉さん、“SF世界編”では謎めいた出自と無口・無表情な人造男性の少年に、“理解しがたい異性”としての役割を与えた上で、セックスも含めた性愛関係の中で彼ら彼女らが“理解し合える相手”へと変化していくのは恋愛ストーリーとしての王道的な描き方と言えるでしょう。
2つのストーリーの平行展開というテクニカルな構成と、登場人物の多さもあって各人物の心情描写を丁寧に掘り下げる余裕は少ないものの、メインキャラクターを中心として性愛に翻弄されながら彼らの恋愛や友情をストーリー全体のドラマ性に直結させる上手さは高く評価したい点。
Reincarnation3  髪形や衣装などで多数の女性キャラクターを描き分けしていますが、ボディデザインについてはほぼ統一しており、健康的な肉感の体幹にもちもち感触の豊満バスト&ヒップ&太股とすべすべ仕様の股間を組み合わせた女体が勢揃い(←参照 長編シリーズ第10話より)。強い個性・特徴のある女体描写ではないですが、お姉さん達の柔らかボディに包まれたり征服したりな幸福感を明確に喚起しています。
  十分なキャリアのある作家さんであり、単行本と完全互換で絵柄は安定しており、くっきりとした主線に少年漫画的な親しみ易さを感じさせつつ、オールドスクール寄りのキャッチーさがあるタイプ。SF世界編を中心として背景等の丁寧な描き込みも光っています。

【程好い強度のエロ演出で彩る美女達のハードな痴態】
  重厚なSF展開、オタ男子達のいい意味でちょっと青臭い青春模様それぞれのストーリーを十分な読み応えを伴って展開させつつ、エロシーンも十分な量を用意しており、乱交エッチなども含めて質的なボリューム感・ゴージャス感を提供することで実用面の満足度を高めています。
柔和な雰囲気の恋愛セックスもありつつ、エロエロお姉さん達のショタ食いなどの快楽目的のセックス、悪鬼による戦闘ヒロイン達をまるで玩具の様に扱うハードな凌辱や、とある理由で暴走したオタ男子のお姉さんダブル拘束責め凌辱などのエロシチュもあり、ラブラブな雰囲気のおねショタエロのみを楽しみたい諸氏は注意すべき。ただし、前述したストーリー要素に各エロシチュは直結しており、場当たり的にエロシチュを多彩にしたわけではなく、作品上の意味があるエロシチュの多彩さとなっているのは特筆すべき点。
Reincarnation4  ヒロインの反応をじっくり味わえる1対1のラブラブHも随時投入しつつ、複数ヒロインの痴態を同時に楽しめる乱交シチュエーションが多いのも特徴であり、セックスの快楽に夢中になり、綺麗なお姉さん達がいやらしい痴態と台詞を曝け出す様子を複数視点で詰め込む画面構成はページ数以上のボリューム感を生む要因(←参照 長編シリーズ第2話より)。
お姉さんの優しいリードの中でのフェラやパイズリ、豊満バストを揉んだり柔らかい太腿に挟まれながらのクンニなどの前戯パートも適度に投入しつつ、むしろ抽挿パートのピストン運動に重点を置いたエロシーンの構成をしており、乱交エロなどではピストンされながらのフェラなどで手数を増しています。
  乱れた描き文字やアへ顔などの視覚効果の強いエロ演出は排しており、通常フォントでのハートマーク付きエロ台詞や嬌声、高揚した表情で瞳を蕩かせるお姉さんの表情、快感に敏感に反応してビクビクと振る舞わせたり感覚の衝撃に仰け反ったりと、強過ぎず弱過ぎずのエロ演出を適度な量で載せてヒロイン達の痴態描写を彩ります。
汗でじっとりと濡れたボディをしっかりとホールドしながらパワフルなピストンを繰り返す様を、結合部見せつけ構図でがっつりアピールしつつ、双方が絶頂を迎えて中出しを決めるシーンは大ゴマ~1Pの分量で断面図・透過図等を連動させ、爪先から頭の先まで駆け抜けるアクメの衝撃に綺麗なお姉さん達がメスの叫び声をあげてフィニッシュという抜き所になっています。

  ストーリーをしっかりと読ませつつ、その中でヒロイン達のエロボディを多彩なエロシチュの中でハイ㌍に示すというエロ漫画として理想的な構築を示した名作。
テクニカルな構成、重厚な設定を備えつつ、作中においても現実と創作の良好な関係性という漫画/アニメ好きにとって幅広く響くテーマ性を素直に伝えているのが心地よいところ。
大変にお勧め!