WorldAsWife 遅ればせながら新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。毎年、三が日は更新を休んでおりますが、今年は暦の都合上、正月休みが短かったように感じております。まぁ、ちゃんとリフレッシュできかなと思っております。
本年もより良いレビューを書くことができるよう、精進して参ります。

  さて新年1冊目のレビューは、サブスカ先生の『妻という世界』(ティーアイネット)のへたレビューとなります。なお、先生の前単行本『えあエッチ!』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
男女入れ替わりのTSエロ模様の中で紡がれるハードセックス&複雑な不倫関係が描かれる作品となっています。

WorldAsWife1  収録作は、美人で優秀なキャリアウーマンである妻とのセックスレスに悩む男性が、彼女の不倫現場を目撃してしまい、嫉妬と怒りから怪しげな薬を妻に盛るも、何故か男性は妻の姿になってしまい!?という展開から始まる4組の夫婦達の群像劇な中編「妻という世界」全5話(←参照 薬を飲んだら自分が妻で、妻が自分で!? 同中編第1話より)。
収録本数こそ少ないですが、1話当りのページ数は38~52P(平均43P強)と個々にかなりの大ボリュームを有する構成。じっくりと読ませるストーリー展開と熱量の高いエロシーンとでバランスよく、かつボリューミィに組み立てられた作品であると評し得るでしょう。

【性転換を通して描かれる“性別”を超えた夫婦の絆】
  これまでも透明人間やら魔法の力やらの様々なギミックを用いた作品を描いてきた作家さんですが、一貫して共通しているストーリーの骨組みは男女の誠実なラブストーリーと人間賛歌であり、男女入れ替わり(TSF)ギミックを用いた本作もそのスタイルを踏襲しています。
  妻の“裏切り”で自暴自棄になり、怪しげな薬によって妻の体となった主人公は女性としてのセックスの快楽に溺れ、一方夫の体となった妻は持ち前の優秀さもあって旦那の会社の業績を押し上げる活躍を見せるのですが、このことが様々な形で波及し、彼らに関係する3組の夫婦の薬による男女入れ替わりが生じます。
WorldAsWife2セックスレスや不倫など、夫婦間の様々な問題を火種として、性転換した登場人物達が様々な形で関係を持ちながら不倫セックスや修羅場が展開されていくストーリーの流れはスリリングであり(←参照 浮気がまだ別の浮気を呼び込んで・・・ 中編第4話「池田茉莉花の場合」より)、特に暗躍している様に見える主人公の妻・紫苑(体は主人公)の行動原理をラストまで伏せることで読みの牽引を果たしています。
  性転換ものは、男性が女性になる場合でも、女性が男性になる場合でも、既知の性的快楽と大きく異なる異性の快楽を知り、それに溺れるという構図を取ることが多く、“性差”を強調するサブジャンルと言えるのですが、本作の特徴であり白眉と言えるのは、ストーリーにおいて、例え性転換しても夫婦の絆や愛情に“性別”は関係ないというスタンスを明確に取っていることでしょう。
  様々な問題を抱え、性転換による性的快楽を享受しながら、主人公の夫婦が最終的に認識することは、夫婦としての“パートナー”であり最高の快楽を与え合うことができる存在はたとえ性別が変わっても伴侶でしかないのだということであり、主人公の最終盤での判断をどちらと読み取るかは読み手次第ですが、変わらぬ夫婦の絆を更に強めた状態でのハッピーエンドを迎えています。
主人公の妻である紫苑の不倫理由の解決にやや物足りなさを感じたり、一部の登場キャラクターが性転換後にどうなるかのフォローアップがないのは群像劇として手落ちと感じたりなど、少々の不満点は個人的にありますが、真摯かつ実直なテーマ性と登場人物達が絡まり合う群像劇としての面白みは高く評価したいポイントです。

【中身は男な豊満ボディの人妻ヒロイン達】
  ストーリー展開上、中身は全員男性に入れ替わりますが、全ヒロインが人妻キャラクターで占められた陣容であり、年齢的には20代後半~30歳前後と思しき女盛りの年齢層。
いずれの人妻ヒロインも、夫婦間でのセックスレスや浮気性など、夫婦関係の問題点を抱えており、夫婦間での性転換で事態は更に複雑化する様相を示すのですが、本作は夫婦関係の破綻・破滅を指向するのではなく、主人公夫妻を中心として基本的には夫婦間の難事を解決して関係性を修復する方向も目指していると感じます。
  なお、ストーリー上は人間の関係性における“性差”の重要性を否定する方向にあり、特に面白い点は、性転換した男性が女性の体、子供に対する“母性”に目覚める描写がしばしばあり、“母”としての強さを女性の体・男性の心という存在にも宿るものとして描いているのですが、性的快楽そのものについてはTSモノの王道に則っており、特に女性としての無尽蔵の性的快感に“男性”として圧倒され、耽溺するという構図は明確
WorldAsWife3  多少の個人差はありますが、男性達の器となる人妻ヒロインのボディは、柔肉がたっぷり詰まったむっちり肉感ボディで統一されており、ムチムチと豊満なバスト&ヒップ、健康的な肉付きの体幹に、これまたたっぷりサイズのエロ太股、淫猥な茂みを備える完熟大人ま○こをフル装備(←参照 この尻から太股のラインがいいですね~ 中編第3話「東堂桔梗の場合」より)。
安産型ヒップを含めた下半身周りや適度な駄肉感など、西洋人モデルの均整ボディというよりかはモンゴロイド的などっしり感もあるボディデザインは特徴的であり、汗でじっとりと濡れる豊満ボディや肉感的な太股に挟まれた股間の黒い茂みと女性器など、程好く野卑な淫猥さがむわっと香る様な女体描写となっています。
  喜怒哀楽の表情変化やエロ描写における演出等も含め、絵柄の安定化を十二分に成し遂げた上で表現力が更に多様になって高まった漫画絵柄は、派手なキャッチーさには欠けますが、健康的な色香と親しみ易さがあるスタイル。表紙絵はアナログ絵柄的な良さを綺麗に整形しているため、中身とやや齟齬を感じさせますので、店頭では裏表紙を確認するとよいでしょう。

【濃厚なエロ演出で彩るパワフルなTSセックス】
  前述の様に各話に大きなボリュームが割り振られており、ストーリー展開に十分なドラマ性を構築させつつ、エロシーンの量的満足感も高め。ページ数の多さを利用して複数のエロシーンを投入することもありますが、サブのエロシーンはコンパクトに、メインのエロシーンはたっぷり長尺と、実用的読書にとって親切な設計となっています。
  各夫婦が抱える問題や登場人物の性格などによって、拘束性開発やら乱交やら不倫見せつけセックスやらとアブノーマル系を中心として多彩なエロシチュエーションの味付けを施していますが、最終話の性転換ラブラブ夫婦子作りHを除けば、不倫セックスで統一されたエロシーンとなっています。
ただ、不倫セックスではありながら、中身は男性(夫)である人妻であり、彼らが女性としての快楽を求めるモチベーションに加え、様々な要因で積極的に行為に参加しているため、不倫セックスとしての背徳感は抑え気味ではありますし、無論、寝取られ/寝取りエロ的な後味の悪さがないのも特徴的と感じます。
  前述した様に、エロの趣向は“男性の精神で異性である女性としての性的快感に圧倒される”というTSFとしての基本スタイルを貫徹しており、エロシチュのアブノーマル感を味付けとしつつ、セックスそのもののストレートな快楽を異なる観点からパワフルに叩き出すことに大きな強みがあるエロ描写と言えるでしょう。
WorldAsWife4乳首や性器、耳や口など、女性の体のあらゆる部分を性感帯とし、射精という形で中断することなく無尽蔵に湧き上がる快楽に心と体を染め上げられ、紅潮した頬に漏れ出る涙や涎でくしゃくしゃになったエロフェイス、こらえきれずに漏れ出る獣じみた嬌声、肉棒に突きあげられて淫液が飛沫をあげる結合部に、じっとりと汗に濡れて快楽にビクビク反応する肢体全体といったエロ演出を熱気豊かに描き上げる描写には迫力と熱気があります(←参照 中編第2話「東堂桔梗の場合」より)。
  濡れた秘所を最奥まで力強くピストンし、愛液が溢れ出る結合部のドストレートに見せ付ける構図、男女の肢体が激しく動き合う躍動感でアグレッシブに駆け抜ける抽挿パートは、がっつり中出しを決め込んで連続アクメの最高潮に達する快感が全身を駆け巡り、女性としての快楽に男性の精神がノックアウトされるフィニッシュを迎えており、前戯パートでのお口受け止めなども含めて複数ラウンド制のエロシーンを〆ています。

  TSエロで“夫婦”としての関係性を扱ったストーリーとしての独創性は圧巻で、作劇としては一般的な性転換モノをはるかに上回る面白みを備えつつ、エロ面ではその王道的な魅力をしっかり踏襲した秀作。
2016年冒頭から非常に面白くてエロい作品を楽しめまして嬉しく思っています。お勧め!