しらんたかし『こいのり』

Koinori.jpg気晴らしに先日紹介した要青豆先生の『色香のヒミツ』を読んでいたら、女子アナ(28歳)が猫耳コスプレをするシーンで、「あぁ、これが軍曹の言うところの『年増のギャップ萌え属性』か」と大いに納得しました。

ともかく、あずささんは俺の嫁。いや、残念ながらアイマスはプレイしていないんですが。

今日はしらんたかし先生の『こいのり』のご紹介。
収録作は盲目の令嬢と彼女に幼少の頃から仕える使用人との恋を描く「目線」3作、母親や近所のおばさんが若返ってしまう「ハハワカガエリ」3作、変態男がサディスティックな少女に虐げられる「興味アリ」2作となっています。

「興味アリ」を除けば基本的に和姦系であり、全体的に女性の方から積極的に交わりを求めてくる傾向にあります。体型的にはヒロインはハイティーンの女性のそれでありながら、ロリ系に多い柔らかそうな(要はロリプニ風味)絵柄ではなく、やや陰影を強調した少し硬めの絵柄に感じます。
個人的には、細い体に浮き上がる肋骨回りの描写が強調されていて、体幹の適度な硬さと乳房やお尻の柔らかさが適度にミックスされたバランスの良さは好きです。

Hahawaka.jpg一番のお気に入りは「ハハワカガエリ」ですかね。母親が製薬会社の事故に巻き込まれて←の様な美少女になってしまいます。(中身は元のまま)
台詞の端々で「母」であることを感じさせますが、見た目に説得力が皆無であるため「近親相姦の背徳感」といったものはあまり感じません。

というか、この作品集の3シリーズに共通しているのは、性交を行う男女の閉鎖性です。
一族への他者の介入を嫌って姉妹とその使用人が交わる「目線」、若返った母親と息子が交わる「ハハワカガエリ」、奔放で残酷な少女とその「奴隷」となる男の「興味アリ」。
言ってみれば、自分を許容してくれる存在に埋没したいと言う、男の根源的な欲望を叶えてくれるファンタジーなのではないかと思います。

前提的に分かり合える存在である「家族」であり、性的欲求を受け止めてくれる(しかも理想的な体を持つ)存在として描かれる「ハハワカガエリ」の母親と、自分を束縛してくれると同時に罰を与えてくれ、性的欲求も受け入れる「興味アリ」のサド少女は、その根っこの部分では通底していると思うのです。
基本的に「母親」は寛容や慈愛の象徴であると共に、束縛や恐怖とも密接に関連してますしね。

閑話休題。「ハハワカガエリ」シリーズ3部は母との関係が知られ、次にやはり若返ってしまった隣のおばさん(見た目はロリっ娘)と関係を結び、それをその娘(主人公に片思い)に知られてレッツ3Pというコロコロ話が流れていくのが良かったですね。
「目線」はもう少し話作りに工夫が欲しいところで、姉の登場後は微妙につまらないです。
「興味アリ」はM属性持ちなら、S気少女の容赦のない言葉責めを存分に楽しめますが、属性を持たない人には多分キツイので(ラストはかなりしんどい上に、人によっては必須要素となる両者間での恋愛感情がほぼ感じられない)回避推奨です。
でも、読んで「目覚め」たら色々楽しめると思いますよ。

(脳内)2007年エロ漫画ベスト10

えー、というわけでタイトルの通り、僕の脳内での2007年のエロ漫画ベストテンを紹介したいと思います。

当然のことながら、今年出版された全ての作品を購入して読むなんてことは、無理なわけでして、何でこれが入ってないんじゃというお怒りがあっても、それはもっともなことですが、当方としましては如何ともしがたいので平にご容赦下さい。

ランキングの対象は、今年発売され、僕が購入した63作品中から選びました。もっと買いたいです(泣
一応順位を付けましたが、作品によってストーリーで評価したりエロで評価したりと、絶対的な基準がある訳ではないので、目安程度と思って下さい。
では、長くなりますが発表します。レッツゴー。

10位 ぼっしい『水着彼女』
Rank001.jpg初期作を除けば安定した作画・作風で、タイトル通り水着やお風呂場でのプレイが多いです。
何をさしおいても、カラーでの彩色の巧さがずば抜けており、濡れた着衣と艶やかな肌の質感が素晴らしいです。
やや小ぶりから巨乳まで取り揃えたオパーイを効果的に強調するHシーンはおっぱい星人にも好打球。

「明かりのトラブル」「お水のトラブル」に登場する、しっかりものと見せてドジな黒髪ロング巨乳お姉さん、さやかさんはお気に入りのキャラクター。
ただし、モノクロでは画、ストーリー、シチュ全てで(安定しているが)これといって突き抜けた魅力がないかと思います。

9位 雨がっぱ少女群『小指でかきまぜて』
Rank002.jpg成人女性の縮小形としてでなく、体型もその心情も少女(幼女)そのものとして描く力作。
年端も行かない少女故の魅力を最大限に引き出した「やわらかき反抗」のような作風も魅力的ながら、少女性愛の本質を突いた「パラダイス・ロスト」「人間以下物語」の持つ独特な感性を作品として仕上げられる能力はエロ漫画業界でも貴重と考えます。

寂しい現実風景と希望と夢に満ちた少女の心象風景を連続した見開きで対比するなど、新人とは思えない思い切った作画もよいです。
まず一般受けしませんし、普通のロリ系作品でも苦手な人は多分嫌悪感が湧きますので回避推奨です。

8位 犬星『だいすき!ご主人様』
Rank003.jpg
可愛らしさとグロテスクさを併せ持つ9位作品とは大きく異なり、可愛らしさ・従順さといったポジティブな側面でのみ構成された少女達が登場する作品登場する女の子はどの娘もあどけなさのある可愛い顔、小さく柔らかそうな肢体、素直で一生懸命な心を持つ存在として描かれています。

特に、最初素直になれない娘が、いざ事に及べば性感と愛の言葉を小さな体一杯に受け止めて乱れまくるHシーンはかなり実用性が高いです。
人外娘が大目なのが特徴で、猫耳+褐色肌のロリっ娘とツンデレ気味な悪魔っ娘は個人的にどストライクでした。
気軽に手に取ったが最後、ロリ道に深く陥るぐらいの理性破壊兵器ですのでご注意を(笑

7位 みた森たつや『ご近所のもんすたあ』
Rank004.jpgこちらも人外娘との恋愛モノなのですが、8位とは大きく毛色が異なります。
基本的にボン・キュッ・ボンのナイスバディな獣耳ヒロインズと、それこそ獣の様に激しい愛の営みがコッテリと描写されています。
前作『小池田さんと遊ぼう!』でもそうでしたが、彼氏彼女との関係に焦点を絞りつつ、その関係を閉鎖的にではなく回り(社会規範や友人など)との関係性と絡め、時には周囲からの困難を排除しながら主人公とヒロイン達がその絆を深めていくストーリーは力強さを感じさせます。

愛する女性のために、本当に人生を賭けた主人公はカッコイイとしか言い様がありません。3人のヒロインズもそれぞれ個性的で◎。
ただ、画風が今風のものから少し外れているので、人によっては気になるかもです。

6位 ヤスイリオスケ『エロマンガみたいな恋しよう』(新装版)
Rank005.jpg何の変哲もないラブコメ系エロ作品です。しかし、登場するヒロイン達が皆巨乳の持ち主で、このオパーイ描写が兎に角秀逸。
圧倒的な重量感と全ての欲望を包み込むかの様な柔らかさを兼ね備えた巨乳が、上下にたぷんたぷんとダイナミックに跳ねまくるHシーンは圧巻。
もはや、胸を揺らすためにHしてんじゃないか?とまで感じさせる巨乳描写への徹底ぶりは、読者の期待を作者がしっかり汲み取っているためでしょう。

パイズリ率も高し。所々に挿入される漫画系の小ネタは楽しいですが、それよりも作風に変なひねりを加えず、直球ど真ん中を貫いたのは好印象です。
「おおきいことはいいことだ」に登場するマヨ姉が凄まじく可愛いので、この回だけでも十分買う価値アリです。
コメディ要素が話のテンポを良くしてますが、基本的にストーリー性は皆無なので、話重視の人は回避推奨。

5位 のら猫長屋『オモチャたちの吐息』
Rank006.jpg兄に性のオモチャとして扱われる少女を描く「オモチャ」シリーズと短編複数を収録した作品。
兄に対して恋心を抱きながら、兄からはあくまでオモチャ扱いしかされない可憐な少女、耶社ちゃんはかなり不憫です。
これが逆に不幸萌えといった属性や、か弱い存在をさらにいじめたいという加虐心を存分に刺激してくれます。

ロリっ娘の描き方もかなりレベルが高いですが、グラマラスな人妻や女教師を描いても溢れんばかりのエロスを身にまとっています。
かすかに狂気の香りがする女教師輪姦モノの「教育者 学習者」には何回もお世話になりました。
汁表現のせいもあって、細めの線がややごちゃちゃしている印象がありますが、女性のか弱さを表現するにはよい画風です。

4位 初犬『初犬2』
Rank007.jpg前作で順調に恋愛感情が深まってきたと思われた深谷とフジノンの間に、負けず嫌いメガネ少女三田さんが乱入して三角関係が繰り広げられます。
ほとんど言葉を発しないながら、性の快楽への貪欲さと深谷への深い愛情を併せ持つヒロイン、藤乃こそが、このシリーズの最大の魅力です。
深谷の藤乃への熱い告白で大団円で十分よかったと思うので、その後の展開は引き伸ばしのように思えてやや鼻に付きはしました。

ただ、まぁ、記憶喪失の深谷をフジノンと三田さんが互いに嫉妬しながら取り合うストーリーは三者三様の心理が中々面白く、元々高い実用性が3Pシーンでメーター振り切り気味なのでオールオーケー。フジノンには幸せになって欲しいです。

3位 巻田佳春『とらぶる・すくらんぶる!』
Rank008.jpg「中出しをいやがるおさなづまなんて聞いたことないよ」、「こうなったら言葉や想いだけでなく実力(なかだし)でわかってもらうっ」、「少子化対策には『小学生と結婚可』これしかない」
などなどぶっ飛んだ台詞が目白押しの作品ですが、きゅうんきゅうんなどの独特の擬音(通称巻田音)や風変わりな登場人物達で構成される不思議な世界観(もはや巻田ワールドとしかいいようがない)はむしろ魅力的で、こういった珍言がないとはっきりいって物足りません。

「中出しはいや」と嫌がる可愛らしい美少女達を組み敷いて、性欲を叩きつけ必ずフィニッシュに膣に射精するHシーンは、コレだけ聞くと鬼畜系ながら実はお互いにラブラブなレイププレイというのが面白いですし、それが何となく違和感無く通用するのが巻田ワールドなのです。
胸は徹底してツルペタで、股間はパイパンと少女たちの外観描写は徹底して同じですが、儚げなキャラから男性を完全に尻にひく強気キャラまでバリエーション豊かに登場します、
ロリ系が好きならマストバイの1作です。

2位 霧恵マサノブ『海贄』
Rank009.jpg海神様(恵比寿様)と主人公、その二人を取り巻く多様な人間たちが織り成すSF群像劇。幾重にも張り巡らされた伏線・設定が徐々に消化され、互いに絡まりあいながら語られる少し不思議な物語は実に魅力的。
一般向けでもここまで描ける人はそうはいないだろうという水準です。
「オナニーと緊縛王」のようなギャグストーリーから「ハーヴェスト!」のようなペーソスと優しさを併せ持つ作品、シリアスで重いテーマ性を持つ「旅人の絶倫島奇譚」など幅広い作風も読み手を強くひき付けます。

動物的な本能としての性欲の発露と人間として他者との繋がりを求める欲望がない交ぜにされ、最早言葉にならない叫びとあらゆる体液を撒き散らしながらの激しい交わりはただただ圧巻。
実用性という点ではイマイチその気が起きないので評価は低いですが、表現される性またはエロスとしての水準は圧倒的なものがあります。
カバー裏の漫画や作者のあとがきも楽しいです。
アフタヌーンの漫画が大好きな人や、水上悟史先生や植芝理一先生、大石まさる先生が好きな人には特にオススメしたいですね。

1位 ゴージャス宝田『キャノン先生トばしすぎ』
Kyanon.jpg文句なしで今年度ナンバーワンの作品でしょう。単純に可愛らしい天才小学生のキャノン先生にうだつの上がらない30男が振り回される漫画でも十分面白くなる設定とキャラクター陣でしたが、それだけでは全く終りませんでした。
キャノン先生の他を圧倒する力強い台詞回し、現実から剥離していくかの様な圧倒的なテンションの高さで爆走するHシーン。

その力強さは勿論、骨太なストーリーにおいても認められ、貧太先生がエロマンガ家を目指した理由とキャノン先生が貧太先生に憧れた理由それぞれが語られるラストの怒涛の展開は全てのエロ漫画愛好家、否全ての漫画愛好家の心を震わすに足るものであったと思います。
エロ漫画を読むこと・描くこと、そしてエロそのものへの真摯な愛情が伝わってくる怪作にして快作です。
ラスト手前の貧太先生の台詞、「やっぱり先生は天才だと思います…ただし情熱の。そして情熱なら僕だって負けません。」が心に沁みますねぇ。

とまぁ、僕の脳内ランキングはこんな感じでした。来年もよい作品に沢山出会えればいいなと思っております。

活動記録等

HN:へどばん(ヘッドバンカー)
当サイト管理人、および評論系同人サークル"New Wave Of Japanese EroManga Critique"代表

【ブログでの執筆以外の活動履歴】(2012年7月現在)
自著
・『EroManga Lovers Vol.1 エロ漫画用語の基礎知識 構成・作画・演出編』(2010年 C79)
・『EroManga Lovers Vol.2 エロ漫画用語の基礎知識 キャラクター編』(2011年 C80)
・『EroManga Lovers Vol.3 エロ漫画用語の基礎知識 アイテム編』(2011年 C81)
・『EroManga Lovers Vol.4 エロ漫画ジャンルの“今” 作家アンケート編】(2012年 C82)
(いずれもサークル“New Wave Of Japanese EroManga Critique”)

寄稿
・『淫漫王』(サークル“たまご酔拳”様, 2008年)
 コラム「エロ漫画における「異形」との交わりについての一考察」(2P)
・『現代視覚文化研究 Vol.3』(三才ブックス, 2009年)
 コラム「行こう、エロマンガの世界!」(たまごまご氏と共著, 5P程度)
・『淫漫姫』(サークル“たまご酔拳”様, 2009年)
 コラム「エロ漫画の擬音表現を考える」(4P)、およびコラム「この女性作家がすごい!」(3P)
・『美少女的快活力ファンブック』(サークル“くりむぞの本棚”様, 2010年)
 コラム「不思議少女・藤乃の役割から再考する『ストレンジ❤カインド オブ ウーマンズ』の魅力」(4P)
・『マンガ論争4』(永山薫・昼間たかし 編著, 2010年)
 コラム「2010年の漫画/エロマンガ編」(2P)
・『マンガ論争6』(永山薫・昼間たかし 編著, 2011年)
 コラム「2011年の漫画/エロマンガ編」(2P)

その他
・『ちちぺでぃあ』(URAN先生, コアマガジン, 2010年) (帯の推薦文を担当)
・『エンジェル倶楽部』2010年11月号(エンジェル出版)「MUKI-CHIN Interview」(インタビューされる側として登場)
・『週刊プレイボーイ』2012年7月23日号(集英社)「これが今ヌケる「アヘ顔」だ!!」(コメント)
記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

月別アーカイブ
  • ライブドアブログ