吉良広義『ちんパブのおシゴト❤』

WorksInChinPub TVアニメ版『はるかなレシーブ』第10話「アタシが戦いたかったのは」を観ました。タイトルが誰のどのような状態を指すのか気になっていましたが、それぞれが好敵手と共に成長してきた成果がぶつかり合う試合になっていて非常に熱い展開となっています。
冷静なエミリの中にある熱さやパワーを感じられたのも大変に良かったです。

  さて本日は、吉良広義先生の『ちんパブのおシゴト❤』(ブラスト出版)のへたレビューです。当ブログで吉良広義先生の作品を取り上げるのはかなり久しぶりですが、前々単行本『夢想戦隊イテマウンジャー』(エンジェル出版)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
ちょっと変わった三角関係な恋模様と女性へのサービスプレイも充実なエロシーンがライトに楽しめる1冊となっています。

WorksInChinPub1  収録作は、男性が女性客に対してそのち○こ等を用いて性的にサービスする風俗・“ちんパブ”に友人であり常連の麗央奈に連れてこられた果歩は、新人店員で幼馴染である男性・リョーマと再会し、彼が滅茶苦茶勃起しやすい体質のためにこの風俗店で働いている事情を知るのだが・・・なタイトル長編第1~6話(以下続刊:←参照 勃起力を活かせる場所!! 同長編第2話より)+描き下ろし幕間劇(4P)。
描き下ろし作品を除き、1話当りのページ数はいずれも24Pと標準的なボリュームで固定。長編作としてストーリーには一定の存在感はあり、エロシーンについても軽過ぎず重過ぎずな満腹感でまとまっていると感じます。

【設定のユニークさと三角関係な恋模様】
  男性店員が女性客に対してサービスする、“おっパブ”ならぬ“ちんパブ”を舞台にして始まるラブストーリーという序盤で与えられる設定の面白さ・ユニークさによって牽引される本作は、コミカルさを有した上で二人のヒロインとのラブ&エロなお話を描き出していきます。
WorksInChinPub2リョーマが風俗店で働くことになった事情を聞いた果歩は親切心から彼の性処理を手伝うことを提案する内に、彼と親密な関係になり、また彼女を心配してリョーマから引き離そうとする麗央奈も、彼とのやり取りの中で恋愛感情を持つようになりという展開によって、次第に三角関係が形成されていきます(←参照 二人のヒロインの板挟みに!? 同長編ン第4話より)。
再開した果歩と恋人関係になれたにも関わらず、麗央奈の積極攻勢とその結果としての二人の親密さを果歩に見られてしまい、リョーマがこの状況を何とかしなければと慌てる状態で以下続刊となっており、絡んだ糸を如何に解くかは今後の展開。
  主人公の焦燥や果歩の覚えた不快感、麗央奈の気持ちの空回りなど、三角関係として緊張感を持たせる作劇要素はありますが、修羅場展開などのシリアスさが大きく高まる状態にはなく、ラブコメ的なドタバタ感もあるため、読み口としては適度な軽さを維持しています。
“ちんパブ”という設定はエロシチュの形成に一定の貢献をしているものの、話としての面白みや個性にはあまりつながっておらず、また全体的に以下続刊として話を引っ張る程の展開の面白み・ドラマ性を感じないため、個人的には構成としてある程度の冗長さを感じました
  とは言え、前述したトライアングル・ラブの緊張感とそれを緩和する甘いドキドキ感のラブコメテイストのバランスや、男性側・女性側の双方にとって恋愛やエッチを介しての幸福感がある雰囲気作りなど、読み口の良さや間口の広さのある作劇自体には安定感があって明確な美点とも評し得ます。

【健康的肉感の巨乳ボディとスレンダー貧乳ボディ】
  三角関係ということもあって、作劇としてもエロとしても両者にフォーカスを当てたダブルヒロイン制となっており、共に20歳程度と思しき女性キャラクター。
  風俗店で働く主人公を心配し、色々と親切にしてくれる幼馴染で優しく初心なタイプの果歩と、“ちんパブ”の常連であり性的な奔放さや主人公に対してツンツンした態度を取る麗央奈は対照的な性格設定と言えますが、果歩は勿論?、意外なことに麗央奈も処女であり、現在は風俗店員として派手なイケメン風の格好をしながら中身はかなり純粋な主人公も含めて、ピュアである故にこんがらがる三角関係という状況を設定できているのは、キャラクター描写上の一つの強みでしょう。
WorksInChinPub3バスト&ヒップに十分な肉感のある短髪巨乳で清純さを感じさせる衣装チョイスの果歩に対し、ギャルっぽい派手な格好で金髪ロングのスレンダー貧乳ボディの麗央奈はキャラデザインの面でも対照的と言え(←参照 麗央奈の家のお風呂にて 長編第6話より)、現状では二人が同時にエロに絡むシチュエーションはないですが、それぞれの特徴を目立たせたボディデザインであるため、一粒で二度美味しい的な配置と感じます。
  この作家さんの作品を大よそ8年ぶりくらいに読んだのですが、以前の絵柄は面影がある程度で、キャッチーさを飛躍的に高めた上でふんわりと柔らかさも感じさせる親しみ易いアニメ/エロゲー系の絵柄に変化していて吃驚しましたが、それはともかくヒロイン達のラブ&エロにおけるピュアな反応と相まって、登場人物達に親しみを湧かせることに絵柄そのものも大きく貢献しています。
電子書籍としての配信時にはおそらくフルカラーだったと思われますが、書籍版ではモノクロとなっており、初めからモノクロ絵を前提として密度を高める描画とは異なる印象の高密さになるため、個人的にはどうしても違和感を覚えてしまうのですが、絵としての情報量の多さは変わらないので、加点材料として感じる方もおられるでしょう。

【女性へのご奉仕要素を含ませつつピュアな和姦エロの甘味が主】
  エロシーンの占める割合は十分に高く、抜きツールとしての満腹感は適度にあるのですが、各話で濡れ場の起承転結をまとめることを基本とする紙媒体の構築と異なり、シナリオ展開も含めて如何に次話に興味を牽引できるかが重要なWeb漫画の特性上、エロシーンを二話跨ぎにするケースが目立ち、場合によってはエロシーンのコマ切れ感につながることもあります。
ただし、実用的読書にとっての要となる主要なエロシーンには相応の尺を割いており、イケメン主人公が恥ずかしがったりはたまたヒロインの色香に当てられてがっついたりする様子と、羞恥心を感じながらも男性に奉仕されたり気持ち良くされたりな快感に包まれるヒロインの様子とで和姦エロの甘味を形成していきます。
  お店でのローションマッサージや、洗体プレイ、クンニご奉仕など男性が女性に対して奉仕するプレイ・シチュエーションが多いことは設定に由来する一つの特徴ですが、男性にとっての被虐的なシチュエーションであったり、女性側が支配的に振る舞ったりな状況・行為は無く、また風俗店プレイに特化した作品でも無いため、純情な男女のラブエロ模様や新たなプレイへの挑戦のドキドキ感が重視されたスタイルと総括できるでしょう。
ヒロイン側の手コキやフェラ、オナホ使用などで主人公のち○こを気持ち良くするプレイが描かれるエピソードもありますが、キスやクンニを含め、ヒロインの肢体への指や舌での丁寧な愛撫を十分な尺で描いて秘所をぐっしょりと濡らすシークエンスに重点を置いた前戯パートであり、この点も女性を気持ち良くするための奉仕的な様相を含ませています。
WorksInChinPub4  紅潮した頬に潤んだ瞳の表情、漏れ出てくるハートマーク付きの嬌声といった表情に関連する描写と結合部見せつけ構図を交互に織り交ぜる画面構成を取っており(←参照 長編第4話より)、小~中ゴマを主体とした、比較的詰めた画面構成で描写の量的な充実度を高めるスタイル。
男性の肢体との密着感を重視し、イケメン主人公側の反応・快感にも一定の描写を割くことで、男女双方の快感への没入ぶりを強調した描き方となっており、中~大ゴマでのフィニッシュシーンまで十分な熱量を維持させていますが、特にゴリゴリにエロとしてのアタックを求める方には勧め難いとも感じる仕上げ方とも感じます。

  これから盛り上がってくる部分も大きいため、シナリオ・エロ共に評価を下しにくいとは思うのですが、ともかく間口を広く取った上で読みを牽引させる方法論を適切に順守したスタイルは、明確に長所でもあり、同時に短所ともなり得ると感じます。
この辺りは、Web漫画的な文法への慣れ・不慣れによっても評価が割れると思われますが、ともかく、この三角関係にどう決着を付けるのか最終話まで読みたいと思わせてくれた作品ではあります。

tes_mel『乱れ妻は蜜の味』

HoneyTasteOfHotWives 木多康昭先生の『喧嘩稼業』第11巻(講談社)を読みました。重戦車マッチ、両者が戦いへのモチベーションを大いに発揮し、ここで決るかという展開が何度も連続してめちゃくちゃ熱かったのですが、誇りを持って“無敗”を守り続ける代償がここまでとはと溜息がでました。とにかく金隆山に尽きる巻でした。

  さて本日は、tes_mel先生の初単行本『乱れ妻は蜜の味』(メディアックス)の遅延へたレビューです。発売は先月下旬なので、2週間ほど遅れてのレビューとなってしまいました。
涼やかな美貌の人妻ヒロイン達が背徳の快楽に支配されていくシナリオ&エロシーンが詰まった作品集となっています。

  収録作はいずれも読み切り形式の短編で12作。1作当りのページ数は14~18P(平均16P強)と控えめな部類。ページ数の都合上、コンパクトな構築ではあり、シナリオ要素は短くまとめ、エロシーンの分量が確保された構築となっています。

【オーソドックスな人妻堕ちモノ・寝取られエロ】
  旦那と離婚調停中の保険医さんが、その旦那の弟であり面倒を見ている教え子でもある少年と恋に落ち~な短編「保健室では本日初恋が実りました」や、お兄ちゃんラブな義妹の誘惑攻勢に耐え切れなくなって~な短編「義妹と!?」など、ヒロイン側の主導性が明確であったり、背徳的ではありつつ純粋な恋模様が描かれたりな作品もありますが、作劇の方向性として主体であるのは、いわゆる人妻堕ちモノ系。
HoneyTasteOfHotWives1  社長夫人であったり、有能なキャリアウーマンであったり、清楚な人妻であったりな“クールで出来る美人”達が、男に過去に調教されていたり、夫を守るためにわが身を差し出したり、弱みを握られたりな状況で、悪い男達によって性的に支配・調教されていくというオーソドックスな流れを形成しています(←参照 “ま、負けないわ・・・” 短編「社長の奥さん」より)。
作劇としてコンパクトに畳んでいることに加え、序盤で既に調教済みなケースもあるなど、堕ちモノ系としてヒロイン達の抵抗や男性との攻防を描くシナリオとしての尺や、それに伴う読み応えはあまり無く、話の状況設定そのものがエロシチュエーションと合わさって実用性を高めるタイプの作品構築と言えます。
悪者・寝取り側の策謀・奸智が性的な強さを伴うことで、人妻ヒロイン達に旦那への裏切りに背徳感を感じさせつつもそれを上回る快楽で圧倒し~という鉄板の流れも形成されており、旦那側にあまり存在感がないこともあって、喪失感のある寝取られエロというよりかは、凌辱・調教系の雰囲気を伴う寝取りエロとしての色彩が強いタイプ。
  前述したヒロイン主導型のラブエロストーリーではハッピーエンドにまとめることもありますが、ヒロインが快楽堕ちするパターンや更なる調教・凌辱エロの継続が示唆されるバットエンド系など、基本的にはダーク&インモラルな香りを残すまとめ方がメインとなっています。

【スレンダー巨乳ボディのセクシー&アダルト美人妻】
  短編「鬼畜な教師」および「義妹と!?」では女子校生級と思しき美少女さんが登場していますが、その他の短編では20代半ば~30歳前後程度と思しきアダルト美人で人妻であるヒロインが登場。
老舗旅館の女将や新しい治療法に挑む女医さん、クールな女教師さんに新婚の女性上司、清楚な風貌の社長夫人などなど多彩な設定を有する人妻ヒロインが揃っており、前述した様に有能であったり優位な立場にあったりするヒロインが、旦那以外の男性とのセックスが生む背徳的な快楽で攻略されてしまうという構図そのものに重要性があるタイプのキャラクター造形と評し得るでしょう。
HoneyTasteOfHotWives2  ヒロイン陣のボディデザインについては、すらりと伸びた四肢も含めて等身の高いスレンダーボディにたっぷりバスト&ヒップを組み合わせたタイプで統一されており、ヒロインのキャラデザにおける明瞭なセクシーさもあって、整った美しさとストレートなエロさが両立するタイプ(←参照 短編「ストレス解消に今日も人妻は兄を呼ぶ」より)。
乳輪は小さ目ながら陥没乳首や自己主張の強い大粒乳首、艶っぽい唇や髪の表現にぷっくりとしたアナルや適度な濃さの茂みとその下の濡れる秘所など、個々の体パーツ描写に淫猥さを十分に含ませつつ、過度に自己主張させずに肢体全体のバランスが保たれている印象があります。
  なお、男性キャラクター達は精悍な顔をした悪いイケメンや、ちょい悪オヤジ的なタイプ、太鼓腹に濃い顔な中年男性とそれぞれ格闘漫画の登場人物よろしく筋肉ムキムキであり、単純に力で相手を圧倒するマチズモ的な表象とも言えますし、スレンダーで各体パーツに柔らかさのあるヒロイン達の肢体と対照を形成する体躯とも言えます。
艶っぽさ、セクシーさを重視しつつもネオ劇画的な絵柄とは異なる端正さや密度の打ち出し方がある絵柄は、デジタル作画の一つの方向性を追求したスタイルと言え、オタクコンテンツにおけるキャッチーさとは異なる印象を強く持つため好みは分かれると思いますが、“セクシーな美人”のキャラデザインとの相性は非常によく、作品の実用性を大きく高めています。

【快楽に圧倒される美人ヒロイン達の痴態の背徳感】
  ページ数の都合上、長尺とは言い難いエロシーンではあるものの、オーソドックスな展開で分かり易く濡れ場へと突入していくこともあって、濡れ場の占める割合そのものは十分に高く構成されています。
HoneyTasteOfHotWives3  ヒロイン側の誘惑セックスや、互いの気持ちが障壁を乗り越える純愛不倫セックスといったケースもあるものの、基本的にはヒロインが寝取られる構図と凌辱・調教系の要素が混ざったタイプのエロシチュがメインであり(←参照 愛する相手を守るために拘束調教を受けるJKヒロインだが・・・ 短編「鬼畜な教師」より)、背徳感とそれを上回る快楽の圧力とで展開を押し進めていくスタイル
薬物の使用や酩酊状態でのセックス、輪姦や拘束セックス、過去に調教されている故にウィークポイントを執拗に責められたり、性玩具を用いた性器やアナルの調教であったりと、エロシチュに沿ってアブノーマル感やハードさのあるプレイが充実しており、ヒロインのセクシーな肢体がそれらの行為にもみくちゃにされる様子自体に強い煽情性があると感じます。
  量的に抽挿パートを圧迫するケースも散見されますが、その分前戯パートには十分な尺があって、お口ご奉仕の強制や指や舌、玩具でヒロインの性感帯を嬲る行為など、この段階でヒロイン側に対して、支配的・征服的な状態を形作って男性側が主導権を握っていることを明確に示します
HoneyTasteOfHotWives4  抽挿パートに移行後は、ややフォントが小さくて読みにくさがあるものの、倫理と快楽に揺れ動くモノローグと、やや独特のリズム感なハートマーク付き嬌声の連呼とのコンビネーション、アヘ顔チックな表情付けも含めて陶酔感の強さとベースの美しさとのバランスが取れた官能フェイス、淫液に濡れる上下のお口のアップ描写など、絵柄の特性を生かした上でアタックの強い描写を着実に連続させています(←参照 短編「不倫リゾート」より)。
現在のエロ漫画ジャンルにおいては、珍しく射精シーンでの射精量の漫画的誇張があまりないスタンスで、ややタメを欠きつつパワフルな勢いで突入するフィニッシュでは、嬌声を上げ、顔を強烈な感覚に歪む表情と、ビクビクと反応する肢体とに描写を集中させ、断面図描写の追加等はありつつも、ヒロイン側のリアクションに絞った描写を維持しています。

  絵柄そのものに強い魅力があるのは帯のキャッチコピーの通りであり、それとの相性が良いセクシーなアダルト美女、それを奸智とストレートなち○こパワーで圧倒する黒い喜悦という魅力を大きく高めています。
個人的には、クールなメガネ美人な女教師さんを輪姦&快楽堕ちな短編「淫蕩な教師」が特にお気に入りでございます。

カエデミノル『コットンひゃくぱーせんと』

Cotton100%  弐瓶勉先生の『人形の国』第3巻(講談社)を読みました。淡々とした筆致で帝国との激闘が描かれ続けていますが、隠れ里が登場すると“ああ、きっと壊滅するんだろうな”と毎度思ってしまいます。
タイターニアの言うカジワンが持つ“とても危険な思想”とは何なのか気になる展開になってきました。

  さて本日は、カエデミノル先生の初単行本『コットンひゃくぱーせんと』(ティーアイネット)のへたレビューです。全く性的でないはずの言葉が特定の層にとってのエロさを醸し出すというナイスアイディアな単行本タイトルですね。
それはともかく、愛らしい方言ガールズ達との甘く優しく、そして何処か郷愁を掻き立てるラブ&セックスが詰まった作品集となっています。

  収録作はいずれも読み切り形式の短編で計7作。1作当りのページ数は24~36P(平均29P強)と標準を上回るボリュームで推移。短編群ながら個々に十分読ませる雰囲気作りの上手さがあり、その上で十分な分量のエロシーンを搭載した構築となっています。

【美しい日本の風景と思春期の恋の情動のリンク】
  大雑把にまとめてしまえば、キュートなアリス達との甘く優しいラブエロ模様なハッピーロリータ系とも言えるのですが、その表層からより奥行きのある作品であり、主人公の男性達の過去をめぐる感情や、思春期入りたてな少女達の成長や純粋な恋愛感情などが丁寧に折り重なっていく様子を描き出しています。
Cotton100%1  主演のメリル・ストリープの年齢を超越した美しさと演技が魅力の『マンマ・ミーア!』、“小津調”を代表する『晩春』など、話の筋に風景の美しさが決定的な印象付けを与える名作映画のごとく、あるいはダムに沈む予定の山村、あるいは瀬戸内の田舎の浜辺、あるいは雪に包まれる北の地の廃線の駅舎、あるいは神戸の洒落たバレエ教室と、日本各地の風景を作品に織り込み、印象的なシーンを丁寧な風景描写で彩るセンスはエロ漫画ジャンルでなかなか他に類を見ないものと感じます(←参照 遥か昔の星の光が今を照らすことと登場人物たちの関係性をリンクさせる情景描写 短編「天の川ドップラー」より)。
カバー裏の作品解説に多数並べられた、着想元の映画・小説作品の数々のお洒落感に圧倒される部分はあり、作品にもそれらのエッセンスが感じるものの、その一方で小難しさやテーマ性への偏重という印象はなく、登場人物たちの心の動きを語り過ぎない筆致で、優しく紡ぎ上げていく心地よさは幅広い層にとって好ましく感じる点でしょう。
  後述する様に、ヒロイン達はその土地々々の方言を話しているのですが、これが単に属性付け・萌え要素的なものではなく、それぞれの土地に生きる者としての表現につながっており、少女達との性愛におけるつながりが、ある意味では産土という大きな物語の中で承認されるものとして、少女性愛の禁忌を超越した普遍的な幸福をもたらすものとして描かれていると評しても過言ではないと感じます。
Cotton100%2  年頃の少女の独立心、初心で直向きな恋心、あどけなくそれでいて切実な約束(←参照 短編「れでぃかすてら」より)、初めての恋とセックスに掛けた気持ち、それぞれが幸福に叶えられ、登場人物達に笑顔をもたらすラストは、前述した風景描写の良さも相まって印象的であり、過去と現在だけに閉じるのではなく、彼ら彼女らに開かれた未来への信奉がうかがえるハッピーエンドと評したい所存。

【ピュアな心と未成熟な肢体の成長中方言ガールズ】
  岩手の民宿に現れた座敷わらすの女の子を例外としつつ、彼女の見た目も含めて小○校高学年~中○生クラスのローティーン級ガールズ達で統一されたヒロイン陣。
  前述した通り、各地の方言をしゃべる女の子達であり、人によっては“故郷の訛り懐かし”的な魅力も勿論あるでしょうが、前述した様に、シナリオワークの中でそれぞれの土地に根差して生きる存在としての精気と、それに寄り添うことのできる安心感が醸し出される要素として方言が生きている印象があります。
その方言要素も含めて、ある種理想化された少女像であるのは漫画として確かなことですが、とはいえ、喜怒哀楽のチアフルさ、大人からの“子供”としての定義から抜け出そうとしている年頃の心持ちは彼女達に伸び伸びとした人間性を感じさせることに貢献しており、ヒロインをあくまで確固たる“個”として扱う姿勢は明瞭と感じます。
  ぺたんこ~膨らみかけバストに、薄目の尻たぶだけに柔肉が載った尻、パイパン仕様で一本筋が走る股間が組み合わされた体幹も四肢もほっそりとした印象の女体は、ある種の儚さを持って、その時にしか存在し得ないバランスの女体を形成。
Cotton100%3足の指先まで丁寧に描き込み肢体描写に加え、単行本タイトルが示す通りにおパンツを中心とした下着・肌着の描写も非常に丁寧で、決してそれらに特化したプレイや描写が多い訳ではないものの、未成熟な肢体の、特に股間のラインが薄布を通して浮き上がる背徳感は明確な武器と評して良いでしょう(←参照 短編「少女サルベージatオーバーオール」より)。
  初出時期の開きが最大6年もあるため、細かい部分での絵柄の変化はあるものの、初期から既に完成された絵柄と評してもよく、表紙絵ではやや描線が綺麗にまとまり過ぎという印象はありつつも、フルカラー以上の情報量や表現力のあるモノクロ絵で、ヒロイン達のエロ可愛さを存分に引き出し、かつ風景描写も含めた高い作画密度で安定していると言えるでしょう。

【小さな肢体が熱っぽく蕩けて濡れるエロシーン】
  各話に十分なページ数があることもあって、エロ描写の総量は相応に多く、前戯パートもしくはコアな濡れ場の前振り的なエロ描写にも適度な尺を割り振った上で、互いの感情が迸るエロシーンにエモーショナルな勢いをつける構成となっています。
  状況こそ各ヒロインで異なりつつも、彼女達が恥ずかしがりながら勇気を出して初めてのエッチに挑戦する前向きさは共通しており、その上で安直な棚ボタシチュエーションではなく、相互の気持ちが通じることで得られる境地・快感があるというある種健康的なスタンスが、少女性愛の背徳感と合わさって、ユニークな雰囲気を形成しているのが全体としての大きな特色と感じます。
少女たちの羞恥と快感を同時に引き出しながら、華奢なボディへの愛撫や無垢な表情付けのままのご奉仕プレイなどが味わえる前戯パートは、十分に長尺ながらもここで抜き所を設けるというよりかはむしろ抽挿パートへと次第に興奮が高まっていくことに注力した展開。
  導入パートも含めて非常に技巧的なコマ使いをするスタイルであり、エロシーンにおいても中~大ゴマの威力を生かしつつ、結合部や表情のアップなど付随する小コマを多数用いて密度を打ち出すスタイルで、ページ数以上の情報量を打ち出していきます
Cotton100%4そういった画面構成や結合部見せつけ構図などのアタックがある構図を用いつつ、エロ演出面では高揚した表情に、方言である故の一種の生々しさを感じさせる実況系エロ台詞、肢体をじっとりと濡らす液汁描写など、ヒロインのエロ可愛さを維持した上で陶酔感を打ち出す水準をしっかりとキープ(←参照 短編「たんきに譚」より)。
 大ゴマ~2P見開きで提供する中出しフィニッシュは、演出面でヒロインの痴態に適度な盛り上げを図りつつも過剰さを排したスタイルであり、セックスが終わった後の二人の睦みあいにスムーズにつなげる流れに、独特のカタルシスと安堵の両立があるタイプと評したい所存。

  エロシーンも含めて、登場人物達が自身の存在を認証されようとする普遍的な欲望が自然と表出する流れに魅力があって、それがそれぞれの土地に息づく郷愁と相まって、読み手を作中に引き込む力がある作品揃いだと評したいところ。
個人的には、作中では“姉”の存在を匂わせながら明確な記述を避けつつ、星の光と村の今後を組み合わせつつ、日本の夏の情景を描き出した短編「天の川ドップラー」に痺れました。お勧め!
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