ジョン湿地王『卑猥仕立ての果実』

FruitsServedWithImmmorals TVアニメ版『どろろ』第11話「ばんもんの巻・上」を観ました。原作屈指の名エピソード“ばんもん”ですが、アニメ版のストーリー全体の組み立てにおいてこうアレンジしてきたかと感心しました。
ストーリーとしていよいよクライマックスが近づいてきたなと期待と怖さが入り混じる回でありました。

  さて本日は、ジョン湿地王先生の『卑猥仕立ての果実』(コアマガジン)のへたレビューです。当ブログでは久しぶりにレビューの俎上に載せますが、『女生徒大百科』(エンジェル出版)等の過去作のレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
豊満ボディの美少女ヒロインが背徳的な快楽に包まれて激しく乱れる様子を明暗様々な雰囲気で描く作品集となっています。

FruitsServedWithImmmorals1  収録作は、優雅なお嬢様系ヒロインと隣席になって憧れた主人公であるが、何故か彼女のパンツを拾ってしまうも実はそれは童貞喰いを目論むヒロインの仕掛けた罠で!?な中編「お嬢様とぼく」全3話(←参照 清楚可憐とみせて実は・・!? 同中編第1話より)、不良たちにかなり深刻なイジメを受けている主人公に優しく声を掛けて友達になってくれた女の子であるがその真相は・・・な連作「液晶ごしの彼女」前後編、優しく敬虔なシスターであるヒロインは町で不思議な少年と出会い、彼によって心の奥に封じていた欲望を思い出してしまうのだが・・・な連作「聖女の堕罪」前後編、および読み切り形式の短編2作。
 1話・作当りのページ数は24~28P(平均24P強)と標準~中の上クラスのボリュームで推移。連作~中編として相応の読み応えを有する作品でありつつ、エロシーンの量的充実をしっかりと図った構築が揃っています

【インモラル・シリアスな要素を含みつつ陰陽様々の作劇】
  何処か憂いや倒錯を感じさせる表紙絵が示す通りに、中身の作品もインモラル系の要素を含んだ作品が揃っていますが、各作品を包む雰囲気の明暗は様々。
自分のパンツを罠にして主人公をセフレにするという変化球から開始される中編「お嬢様とぼく」は、全体的にはドタバタラブコメ的な要素は有してハッピーエンドに収束されるとは言え、支配-被支配の倒錯性の要素を有していますし、ヒロインが淫乱であることの代償的なものを如何に乗り越えるかという点に一定のシリアスさを含ませています。
FruitsServedWithImmmorals2  また、いじめられていた少年に救いの手を差し伸べた少女の“真相”が明かされることで主人公の心が踏みにじられる連作「液晶ごしの彼女」は、重苦しい展開を有していますが(←参照 不良たちに凌辱されていた少女 同連作後編より)、ヒロインの善意が主人公に勇気を与えるという構図自体は一定のポジティブさを有した作品とも言えます
両親を亡くし、狂気に陥った兄の狂った指令を守って、崩壊の日を予感しながらも見知らぬ男達と兄に抱かれる日々を続けるヒロインを描く短編「歪んだ匣」のように、暗く淀んだ雰囲気で倒錯の性愛を描くケースもあれば、未亡人さんが突如魔法少女にされて触手怪物と体けるすることになるという(意外にシリアスな要素はありつつ)コメディ寄りの短編「魔法☆少女 美沙子29歳」といった作品もあり、作品によって明暗のバランスは様々と言えるでしょう。
  とは言え、いずれの作品も倒錯性を含む性愛のほの暗さやシリアスな要素を有しており、そのことで話が引き締まっていたり、インパクトのあるシーンが生じていたりするのが作劇上の美点と言えるでしょう。
カラッと明るいハッピーチューンをお望みの諸氏には不向きではありますが、インモラル色の強いまとめであっても、登場人物達にとっての幸福や何らかに意志、人としての勇気が示されるラストが揃っており、単に暗く重く沈み込む作品とは印象を画していると感じます。

【豊満ボディと秘められた欲望や本性をお持ちなヒロインズ】
  中編「お嬢様とぼく」に登場するヒロインのお母さんは40歳くらいと推察されますし、30歳手前で未亡人となってしまった短編「魔法☆少女 美沙子29歳」のヒロインといった年増美人勢に、20代前半程度と思しき連作のシスターさんなどアダルト美人が半数弱、女子校生級の美少女さんが半数強を占める陣容。
  清楚なお嬢様系ヒロイン、明るく優しいクラスメイト、敬虔なシスターに兄を慕う妹ヒロインなどなど、一見性的な倒錯や退廃と関係なさそうなヒロインが、その内に強烈な性的欲求や暗く淀んだ性愛を抱え込んでいるというのが特色のキャラ描写であり、またそれらが表出されていくことが作劇の軸を形成していると言えます。
なお、作劇面において男性キャラクターに存在感があることが多く、ヒロインに翻弄されながらも性愛を通して勇気や成長を示していくタイプの少年も居れば、狂気と歪んだ愛情に浸る男性、ヒロインが封印していた記憶を呼び覚ます不思議な存在である少年など、その役割やタイプは様々。
FruitsServedWithImmmorals3  ヒロインのボディデザインについては程好い肉感の体幹に十分なボリューム感のあるロケット巨乳に桃尻、パイパン仕様の股間を組み合わせたデザインで概ね共通しており(←参照 連作「聖女の堕罪」後編より)、ストレートなエロさがある女体と漫画チックな親しみ易さのある表情との組み合わせは幅広い層に訴求できる要素でしょう。
クドさは排しつつも、大き目サイズの乳輪やぐしょぐしょに濡れる股間などの粘膜描写にある程度強い淫猥さがあるのも特色の一つ。
  最先端とは言い難いものの、漫画チックな親しみ易さと十分な作画密度による適度な濃さが共存する絵柄の方向性は現代的であって、十分なキャリアがある作家さんらしく表紙絵とほぼ完全互換で単行本を通して絵柄は安定しています。

【濃厚なエロ演出を重ねた倒錯シチュでの激しい乱れ模様】
  十分なボリューム感のあるエロシーンが揃っており、抜きツールとしての満腹感があると同時に、エロシーンにおける真実や性的欲望の表出が作劇面の軸とつながっていることで、シナリオと噛み合った構築にしているのも○。
  棚ボタ的な童貞喪失逆レ○プ、ヒロインのママさんのドスケベボディと母性に包まれる疑似母子セックス、輪姦エロや寝取られ、近親セックスに不特定多数の相手との乱交に、変わり種では魔法少女(29歳)へのハードな触手凌辱などなど、倒錯的なエロシチュエーションを多彩に用意。明るい雰囲気の甘々エッチ的なシチュは基本的に無いので、そこらをお求めの諸氏は留意されたし。
  童貞喰いビッチさんによるローター手コキ、ママ系ヒロインによる豊満パイズリ&授乳手コキ、清楚美人が自らの淫乱さを自覚していく自涜行為、狂気に捕われた兄による性玩具責め&フィストファック、豊満バストを揉んだり吸ったりな愛撫などなど、エロシチュやキャラに合わせて様々なプレイが投入される前戯パートであり、尺の長短も作品によってバリエーションがあります。
FruitsServedWithImmmorals4エロシーンになると男性側が欲望をストレートに発揮してガンガン攻めるパターンもありますが、それ以上にヒロインが倒錯的な状況において強烈な快感に染め上げられて乱れまくるという普段との強いギャップを形成することに主眼があって、濃厚でアタックの強い演出でハードコアな印象を打ち出してきます(←参照 中編「お嬢様とぼく」第3話より)。
  柔肌に絡みつく汗や涎といった液汁描写の多さ、要所で投入する強烈な感覚を物語るアヘ顔的な表情付け、お下品な悶絶ボイスや蕩けまくったエロ台詞、子宮口をノックする断面図など、演出強度・密度は共に高く、やや好みを分ける可能性がある程のインパクトを有しています
 展開として多少駆け足という印象はありますが、前戯・抽挿の両パートに渡って射精を連発する/させられる複数ラウンド制が多く、一回射精しただけでは収まらないといった前のめりな貪欲さで駆け抜けていく流れはパワフル。ヒロインの絶頂潮吹きなども含めて抜き所は多く、大ゴマ~1Pフルのボリュームで演出全部乗せ的なハイカロリーな抜き所を提示して〆としています。

  インモラル系の作品で揃えつつ、読み口は多用であって、また展開に個性を感じるのも魅力的。エロシーンの濃厚感と勢いの強さも、好みを分ける部分はありつつ、実用性の高さに直結しています。
個人的には、棚ボタ展開や倒錯的なエロシチュを含みつつ、根幹としてはボーイ・ミーツ・ガールとしても楽しめる中編「お嬢様とぼく」が最愛でございます。

たかやKi『年下しんどろ~む☆』

GirlsSyndrome TVアニメ版『ぱすてるメモリーズ』第11話「決戦、アキハバラ!ってホント!?」を観ました。マザーウイルスの暴走を許した麻耶さんのポンコツっぷりが楽しかったのですが、お話としては最終回に向けてシリアスになって参りました。
おっぱい!おしり!水着!大満喫なエンディングを楽しめるのも残りわずかで、名残惜しいですなぁ。

 さて本日は、たかやKi先生の『年下しんどろ~む☆』(ジーオーティー)のへたレビューです。なお、(新装版を除く)前単行本(初単行本)『恋糸記念日』(コアマガジン)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
ふわふわキュートの美少女さん達との棚ボタ展開の甘いラブエロ模様がたっぷり楽しめる作品集となっています。

GirlsSyndrome1  収録作は、真面目なメガネボーイが勉強を教えた縁で明るいギャル系ガールと仲良くなる「ギャル子さん」シリーズ2話、日本文化に憧れる金髪外国人美少女姉妹それぞれとのラブエロ模様なシリーズ3作、生意気ツンデレ系ガールが勇気を出して男性教師にラブエロアタックなタイトル連作「年下しんど~む」正続編(←参照 ナイスツンデレ! 連作正編より)、下宿先には昔馴染みの美人三姉妹が居て彼女達の棚ボタHな日々が!?な中編「ドキドキ★コミュニティーライフ」シリーズ全4話、および読み切り形式の短編・掌編5作に加え、フルカラーイラストや設定絵、雑誌の表紙コレクションに抱き枕のおまけ漫画?などを多数収録。
フルカラー作品が多いこともあって、1話・作当りのページ数は4~32P(平均12P強)とかなり多寡の幅がありつつ平均値としてはかなり控えめ短編~中編を問わずストーリー面での存在感はほぼ無く、甘味たっぷりのラブエロ模様にストレスフリーで浸れる作品構築となっています。

【棚ボタ展開メインの軽く穏やかなラブコメディ】
  バニー美少女さんが勤務先のカジノホテルで性接待をさせられてしまう短編「とあるカジノのバニーガール」といった凌辱チックな要素を有する作品もありますが、基本的に作劇の方向性は明るく軽くな読み口のラブコメ系で固定。
  美人三姉妹とエロエロな同居生活を送ることになる中編「ドキドキ★コミュニティーライフ」シリーズを含め2~4話程度の話数を有する作品が多いですが、ストーリー性を追求するというよりかは、各話ごとに異なるヒロインを投入して賑やかさを出したり、ヒロインのキュートな言動を充実させたりすることに重点があるタイプと感じます。
GirlsSyndrome2ストーリー開始時点で既に恋愛関係であったり、信頼関係があったりするケースが多く、ヒロイン側の積極的なラブエロアタックなどで棚ボタ的にエッチに発展していくというイージーな流れも読み口の軽さに貢献しています(←参照 中編「ドキドキ★コミュニティーライフ」第2話より)。
4~6Pでの作品はその展開のみでかなり小さく話をまとめますし、連作~中編作でもコメディとしてのドタバタ感などを適度に打ち出しつつ、ストーリーの存在感はほとんどないため、、前述の棚ボタ展開に話として面白みや個性はほとんど感じません。
  短編「とあるカジノのバニーガール」では押しに弱いヒロインがややダーク&インモラルな結末を迎えてしまいますが、その他の作品では性欲が暴走しちゃった主人公でもヒロインが優しく許容してくれるものも含めて、ハッピーエンドでまとめており、良くも悪くもライトでスムーズなシナリオワークを徹底していると感じます。

【肉感はやや抑え目ながら柔らかさを感じさせる美少女ボディ】
  少数名例外は存在するものの、女子校生ヒロインでほぼ統一された陣容であって、いずれのヒロインについてもふわっと柔らかい可愛らしさを強く意識したキャラデザインとなっています。
ツンデレ系教え子ちゃん、明るく元気でエッチには恥ずかしがり屋なギャル子ちゃん、天真爛漫な金髪外人美少女、おっとり優しいお姉ちゃんキャラなど、キャッチーな萌え属性を織り込んだ美少女ヒロインが揃っており、そこらの分かり易いキャラ要素が作品全体のスムーズな読み口に貢献しています。
  性格設定に合わせた言動や衣装などをチョイスしつつ、程好いあざとさも含むキュートネスを阻害する要素は排除した、“冒険しない”キャラ造形は作劇の平板さを強めている印象はありますが、とは言え可愛らしさでしっかり固めた美少女ヒロインとラブラブHというドリーミーな幸福感にも直結する特性。
GirlsSyndrome3イラスト集や設定画なども含めてカラーページが100P以上という豪華仕様であり、モノクロ絵でも二次元的な華やかさを十分に感じますが、キャラデザ&言動で可愛らしさを増幅させている美少女キャラを総天然色で拝めるのは眼福であると同時に(←参照 金髪姉妹シリーズ第3話「セラのX’mas」より)、色使いの明るさと柔らかさはこの作家さんの特色と感じます。
  ある程度の等身の高さを取った上で健康的な肉感の体幹に、程好いサイズ感のバスト&ヒップを組み合わせた女体が揃っており、柔肉の適度なボリューム感はありつつも乳尻太股の肉感をたっぷり打ち出すのではなく、前述したキャラデザインとしてのキャッチーさ・可愛らしさを阻害しない水準のエロさに抑制を効かせています。
熟女ものがたり増刊時代の『COMIC SIGMA』初出作があるなど、初出時期には最大で約10年の開きがあり、さすがに古い作品では色使いやキャラデザインに多少の差異は感じますが、これほどの開きがあるのに絵柄の不揃い感をほとんど感じさせないのは逆に見事で、アップデートは掛けつつも初期から完成されたスタイルが魅力的であったことを示しています。

【描写を詰め込んだ画面構成とエロ可愛さを維持するエロ演出】
  ツンデレヒロインとのラブラブHを十分な尺で楽しめる中編シリーズ第3話など、一定の量的満腹感を有する濡れ場もありますが、これらは例外的であって、ページ数の都合上、各エロシーンに量的充実を求めるのは基本的に困難なことを要留意。
  性欲が暴走した主人公がやや強引にセックスへと持ち込んだり、中出しを拒絶している相手に膣内射精を敢行したりするなど、描写の勢いを出すためとはいえ、不穏当な要素はあって、恋愛エロとしての甘味や相互の幸福感を重視する諸氏は要留意ですが、それら男性の暴走や我儘も含めてエッチで優しいヒロイン達が受容していくれるという非現実的な幸福感を形成しています。
エロシーンの尺の長短によって前戯パートの長さも異なりますが、ヒロインが恥ずかしがりながらも曝け出す柔らかバストや股間への愛撫を主体とした前戯パートは、短くまとめて抽挿パートの尺を確保するケースが短めの濡れ場では基本。
GirlsSyndrome4  エロ漫画のフルカラー掌編などでは基本的な手法である、コマの枠線を排除して複数アングル・シーンでのヒロインの痴態を詰め込む画面構成を中盤~フィニッシュ手前に配置して情報量を高めており(←参照 フィニッシュ前に少しでも描写を詰め込んでタメを出す手法 短編「義兄の性欲を姉に代わって鎮めてみた」より)、コマ割りをする場合でも小ゴマを多数用いて肢体全体と局所アップなどの描写を組み合わせています。
描写をたっぷりと詰め込む一方で、エロ演出としては蕩けた表情&台詞回しを程好い密度とアタックで盛り込んでヒロインのエロ可愛さを維持させるスタイルであって、描写としてのクドさや過密感を避けたスタイルと感じます。
 十分な尺がある場合では抽挿パートでの中出し連発(ゴム着用もあり)や前戯・抽挿の両パートに抜き所を設けるなどサービスフルな構成にしつつ、短めの作品では前述の情報量の高さを打ち出しつつの1回戦仕様でまとめており、キュートなイキ顔を曝け出してキュンキュンと反応する秘所で白濁液を受け止める姿を中コマ~1Pフルのフィニッシュシーンに仕上げています。

  尺の都合上、作劇・エロ共に一定の物足りなさはあるものの、単行本として十分な厚みがあることもあって、エッチでキュートなヒロイン達とのドリーミーなラブエロ模様を甘受できる1冊に仕上がっています。
個人的には、小悪魔系ツンデレなギャルさんとの嬉し恥ずかしラブラブHな連作「年下しんど~む」正続編が最愛でございます。

養酒オヘペ『サービスタイムLOVER』

SeriviceTimeLover 野田サトル先生の『ゴールデンカムイ』第17巻(集英社)を読みました。勇作殿、偶像としての役割を果たそうとすることでの歪みを感じさせつつも、いい人なんだろうなぁと思う分兄弟の亀裂は悲しいのですが、その亡霊を観てしまう程の、彼を殺したこことへの尾形の想いは罪悪感なのか異なるものなのかと考えてしまいます。凶兆は誰の死を予言したのでしょうか?

  さて本日は、養酒オヘペ先生の『サービスタイムLOVER』(ワニマガジン社)のへたレビューです。11年ぶりの商業新刊となりますが、その前単行本『大好きだよっ』(ティーアイネット)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。なにせ11年前ですので、ブログ始めたばかりの頃の記事であり、今読むとレビューとしては相当に下手くそなので、お恥ずかしいですが。
それはともかく、性愛の熱情が迸り大量の淫液に濡れて蕩けるラブエロ模様が詰まった作品集となっています。

SeriviceTimeLover1  収録作は、優しく頼りになる水泳部の先輩への想いが高まり過ぎ、彼女の競泳水着の香りを隠れて嗅いでいた主人公は、彼女もまた彼の競泳水着の匂いを嗅いで興奮していた姿を目撃し、互いが互いに性的にも惹かれていたことを知り・・・なシリーズ作全4話(←参照 実は先輩も主人公のことを・・・ 同シリーズ第1話「フシダラナカラダ」より)、および読み切り形式の短編6作。
シリーズ作のフルカラー幕間劇(8P)を除き、1話・作当りのページ数は12~24P(平均20P強)と中の下クラスのボリュームで推移。話としての読み応えには欠けますが、作劇・エロ共にエネルギー感のある構築であって、エロ的な満腹感をメインとして読み応えを感じさせます

【恋愛感情や性欲の噴出の瑞々しさや解放感】
  作劇の方向性としてはポジティブな青春ラブエロ模様が揃っており、性欲にしろ恋愛感情にしろ、抑え込んでいたり隠していたりしたものが一気に噴出して、素直な気持ちで相手を強く求める流れにポジティブなエネルギー感があるスタイル
義理の妹に変態呼ばわりされながらの拘束プレイという(男性にとって)被虐的なソフトSMやそれなりにいい歳のお姉ちゃんが制服コスプレをして弟君に迫る近親エロスなど、倒錯性やアブノーマル感を香らせる作品も存在していますが、それらも恋愛感情や共犯関係的な文脈の中に収まっていく流れであって、話としての重苦しさは皆無。
SeriviceTimeLover2  分かり易く棚ボタ的な展開も多いのですが、前述した恋愛感情や性欲の素直な吐露に関してエモーショナルな印象が十分に強く打ち出されており(←参照 短編「ド淫乱な姉貴」より)、話そのものとしてはシンプルである故にそれらが表出される解放感と相互に認証される安堵感が分かり易く前面に出ているのは長所と言えるでしょう。
ただし、主人公とヒロインの恋心が合致するシーンに強い印象を持たせている一方、そこまでに至る流れや登場人物達の背景の描写はかなり省略するタイプであるため、恋愛ドラマとしての作劇全体の盛り上がりや個性をあまり感じないことも確か。
  ちょっとしたすれ違いなどもスムーズに解消されていく滑らかなシナリオ展開であり、性的にも恋愛面でも充実した様相を呈する登場人物達の姿を提示してハッピーエンドでまとめており、性愛のポジティブさが一貫されています。

【絵柄はかなり変遷しつつ豊満巨乳ボディのエロさは不変】
  20代半ば程度と思しき姉ヒロインが登場する短編「ド淫乱な姉貴」や女子大生クラスと思しき短編「早苗さんは我慢が出来ない・」の早苗さんを例外として、いずれも女子校生ヒロインで統一されたヒロイン陣となっています。
  明るく優しく頼れる、そしてエッチな先輩美人、元気で主人公を振り回すタイプの一途ガール、ちょっとドジで素直になれないツンデレ系黒ギャルさん、クール&無表情な幼馴染のお姉さんなどなど、多彩なキャラクター属性を用意していますが、あまり型に嵌ったキャラクター造形ではなく、ツンとデレのように普段の姿と素直な感情の吐露とのギャップに魅力を持たせることを意識したキャラクター描写が魅力
SeriviceTimeLover3  初出時期に最大で9年近い差があるために絵柄の統一感はかなり弱く、ネオ劇画的な重さ・濃さを有していた古めの作品でもあったキャッチーさを近作ではかなり高めており、絵柄としての個性は喪失した感はありつつも時代に合わせてしっかりとアップデートを果たしているのは評価したいポイント(←参照 2016年初出作品の絵柄、この絵柄の変化にはびっくりしました 短編「早苗さんは我慢が出来ない。」より)。
一方で絵柄が変化しても変わらない要素は多く、後述する様な高密な痴態描写に加えて、バスト&ヒップの強い存在感があるボディデザインも共通。顔の造作なども含めて、横幅があることで肉感の強さを高めていた女体描写から、ある程度等身を上げたボディデザインに変化している印象が明瞭にありますが、とは言え肉感の強さがストレートなエロさに直結していることは変わっていません。
 制服を着用したアダルトお姉ちゃん、競泳水着やビキニを着用したままのセックス、JKヒロインとの制服エッチなど、基本的に着衣セックスが投入されており、濡れて肌にぴっちりと張り付く水着や下着の表現などはこの作家さんの特徴と言えるでしょう。

【ねっとりたっぷりの液汁描写が強力な武器の和姦エロ】
  作品によって濡れ場のページ数には幅がありますが、全体のページ数が多い方ではないため、長尺のエロシーンをたっぷり味わいたい諸氏には不向きな可能性はありますが、そこは描写の濃厚感で質的な満腹感を打ち出すことでカバーするタイプ。
 義妹ヒロインによる調教チックな被虐シチュや主人公を誘惑するためのレズセックス風味なプレイなどもありつつ、作劇の方向性の通りに、表出した恋愛感情や性欲の勢いで相手を強く求めるという、パワフルな和姦エロとしての魅力で固めたエロシチュエーションがメインとなっています。
  エロ描写では一貫して豊潤な液汁描写が最たる特徴であって、前戯パートでも愛液をたっぷりと潤滑するオナニーや、トロトロの唾液と口腔粘膜にち○こが根元まで包まれるフェラ描写、涎たっぷりで舌を絡め合う濃厚なキス、我慢汁や唾液や汗をローションにするパイズリ描写など、前戯パートにおける各種プレイでも既に十二分な汁ダク感を打ち出しています
SeriviceTimeLover4抽挿パートに移行すれば更に柔肌や粘膜を濡らす体液の量を増しており、その粘度さえも上がっている印象があり、女体のエロさを高めていますし、このぬるぬるの液汁を通して男女の肌が溶け合うかのような印象が、恋愛セックスの濃厚感を強く高めているのがエロ描写の変わらぬストロングポイント(←参照 この汁だく感! シリーズ第2話「サービスタイムLOVER」より)。
  粘っこい水音を表現する擬音や、切れ切れに漏れ出してくる荒い呼吸などでもエネルギー感を打ち出していますが、台詞表現をほとんど用いないことも大きな特徴であって、目前の快楽に双方が無我夢中となっていることを表現することで没入感を高めています
フィニッシュまでの尺としてのタメには多少欠けつつも、この濃厚な痴態描写と濡れた肢体の存在感の強さがある分、十二分な煽情性の積み上げはあって、1Pフル~2P見開きの大ボリュームで蕩けきった表情、濡れた女体、白濁液が噴出する結合部をたっぷりアピールしてハイカロリーな〆としています。

  商業作での発表がほとんど無くなり、もう単行本は出ずにレビューを書くこともないのだろうかと思っていたので、今回11年ぶりに作品を単行本として楽しめ、またレビューを書けたこと自体を嬉しく思っています。レビューを長く続けてきた良かったなぁと思いました。
古い作品も多いので、ファン向けという印象はありますが、とは言え変わらぬ美点もしっかりと楽しめる最新刊と総括できるでしょう。
記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

月別アーカイブ
  • ライブドアブログ